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「 140文字の物語 」
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閉じられた世界の片隅で僕は泣いていた。
小さな窓から零れる日差しに怯えていた。
ひたすら外が怖かった。
ある日、ノック音と共に君がやってきた。
僕とは正反対の君が僕の手をを取った。
「大丈夫だよ」と君は笑った。
僕の世界は開かれ、途方もない広さをみせていた。
最後の一粒が頬を伝った。
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君の目に写る僕はどんな姿だろう。
少しは凛々しくあるだろうか。
弱音を隠していることがバレていないといい。
いつでも立派な人のように見えればいい。
君の前だけでも格好つけさせてよ。
君の憧れるような人物でいたいんだ。
そのためなら自分にも嘘を吐くよ。
辛い気持ちも幸せに変えるよ。
-
いつでも僕の隣で笑っていた君。
別れが来ることを知らなかった。
ずっと二人は一緒にいられるものだと思いこんでいた。
僕たちだけではどうにもならない事情で引き離された。
君は今、笑っている?
僕はうつむいてアスファルトを濡らしているよ。
離れていても、君には笑っていて欲しい。
贅沢かな
-
君の涙は雨になる。
遠く離れている僕に伝わるように。
静かに降る雨は君の悲しみを痛いぐらい伝えるようだった。
僕に翼があるのなら、すぐさま君の傍に飛んでいくのに。
そして「そんなことは大したことじゃないよ」と君の涙を拭ってあげるのに。
非力な僕にはできない。
早く雨が止みますように
夜闇を煌々と照らす月。
その裏側は地球にいては見えない。
まるで淑女のように地球に寄り添って月は輝く。
隠れた裏面を見てみたくなった。
裏を見ることで本当の月の姿を完結することができるだろう。
その夢まであと少し。
金さえあれば宇宙旅行を楽しめる時代になった。
心が躍りながら緊張する
ブレスレットは手枷。
アンクレットは足枷。
ネックレスは首枷。
君を着飾りながら、所有の証を贈る。
他の男に獲られたくはない。
君の美しさは僕だけが知っていればいい。
自由だった君の翼をもぐ。
「離してあげられなくてごめんね。君が好きなんだ」
甘い言葉を吐いて、君を独り占めにする。
この出会いは間違っている。
お互い不幸になるだけだ。
ほんの少し未来が見えるから知っている。
転んだ君を助け起こさなければいい。
それだけで未来は変わる。
僕と君は晴れて赤の他人だ。
ぎこちなく、両手のひらを折れんばかりに握る。
分かっているのにちょっとの幸せのために僕は助けたくなる。
報われないのはわかってたけど、辛い。
貴方を幸せにするのは私ではない。
私を幸せにするのは貴方ではない。
どれだけ言葉を尽くしても。
どれだけ貴方を想っても。
それは一方通行だと知っていた。
私の立ち位置は何でも話せる女友達。
そんなことは百も承知だった。
それなのにどうして胸が痛い。
-
君はたくさんの言葉を残していってくれた。
一つ一つは他愛のないものだ。
でも、その言葉たちは僕の心にあたたかな灯をともす。
独りで淋しい夜も乗り越えられる。
君と一緒だったという想い出が僕を強くする。
今は旅路の君もそうだったらいい。
同じように僕のことを思い出してくれると嬉しい。
-
君が夢を語る姿を見るのが好きだった。
夢のために離れ離れになることを知っていても好きだった。
君と同じ夢も見ているような気分になれた。
お別れは思ったよりも早くきた。
本当は笑って見送りたかった。
あれ、どうしてだろう。
今更になって涙が止まらない。
君が思い返す時、笑顔でいたいのに
-
幸せはどこにあるのだろう。
昨日も探した。
今日も探している。
明日も探すだろう。
「どこにもないよ」君は冷たく言う。
幸せ探しに疲れた体で、うつろな目をして言う。
だから、僕は幸せ探しをやめられない。
そっと君に見せてあげたいんだ。
きっと泣きそうな顔で、君は笑ってくれるだろう。
今日は久しぶりに天気が良かった。
シーツやバスタオルと言った大物の洗濯にちょうど良かった。
風に飛ばされないように干す。
そろそろ昼ご飯をするのにぴったりだ。
今日は何を作ろう。
二人揃っての休日は珍しい。
食べたい物を訊こうとしたら、彼は夢の世界だった。
思わず、無防備な腹を殴る。
友だちとケンカ別れした翌朝の学校というのは気まずいものだ。
できたらずる休みをしたい。
上手に謝れるような気がしない。
それなのに、幼なじみは律義に朝のお迎えに来た。
休みたいという旨を伝えても頑固な幼なじみは了承してくれなかった。
仕方なく、差し出された指先にしがみつく。
デートの最中だというのに他の女の子を見ている。
通りすがる女の子をチェックして点数をつけている。
カフェに入れば店員まで見ている。
それを不満に思って伝えた。
「女の子はみんな魅力的だ」彼は言った。
「まぁ、お前の方が可愛いのですが」プレイボーイらしい発言だ。
許したくなってしまう
「こうして盃をかわせるのは喜ばしい」男は言った。
「おや、酒が進んでいないな。俺の酒は呑めないのか?」どうやら絡み上戸のようだった。
青年はなめるように酒を呑む。
喉が一気に熱くなる。
男のペースに合わせていたら酔いつぶされるだろう。
「呑め、呑め。今日は祝だ」男は楽しげに言った
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