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「 140文字の物語 」
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僕と君の関係はひどく曖昧だ。
でも一緒に帰って、一緒にご飯を食べて、それぞれの家に辿りつく。
この関係に名前をつけるとするならば「恋」がいい。
僕はそれぐらい好きだし、君もそれぐらい好きでいて欲しい。
特別扱いをするのは、僕が君に恋しているからだ。
だから君も素直になって欲しい。
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「サヨナラ」は別れの言葉ではない。
始まりの言葉だ。
太陽が沈んで、また昇ってくるように。
また出会うための魔法の言葉だ。
だから、そんな悲しそうな顔をしないで欲しい。
別れ難くなってしまう。
絶対に会えると知っていても、君の涙は胸を痛ませる。
どうか笑っていて欲しい。
贅沢な願いだ。
-
君が僕を愛する以上に、僕は君を愛している。
一方通行な想いでもかまわなかった。
気持ちが届かなくてもよかった。
一人で抱えこんでいるだけで充分だった。
それは孤独ではなかった。
君のことを考えるだけで胸が熱くなった。
幸いというのはこういうことを指すのだろう。
想いを抱えたまま歩く。
-
僕と君の二人だけの世界だった。
僕は君以上に君のことを知っていた。
君も僕以上に僕を知っていた。
第三者のいない閉じた世界の中で、僕たちは愛しあった。
二人きりで完結した世界の中で外を見ずに閉じこもっていた。
それが「愛」だと思いこんでいた。
独りになってその歪さを初めて知ったよ。
今日は撮りためたDVDの鑑賞会だ。
ソファの上に座って、行儀よく見ていた。
感動の大作、と銘を打たれた映画がTVに映し出された。
ダメだ。
すでに胸の貯水池はいっぱいになってしまった。
泣き顔で、手のひらをぎゅっと握る。
涙で画面は歪んで見えた。
鼻水をすすると、もっと涙があふれてきた。
四十九日も過ぎ、やっと一息がつける。
今まで忙しくて考える暇すらなかった。
君がここにいないことを思い返す時間がなかった。
もっと一緒にいる時間を作ればよかった。
僕より先に旅立つとは思っていなかった。
だから楽観視していたのかもしれない。
人の命は儚いものだ。
失って初めてわかる。
-
君は僕を置いて大人になっていく。
僕は立ち止ったままだ。
君は誰と恋をするのだろう。
置いてきぼりにされた僕ではないのは確かだ。
どんどん綺麗になっていく君に出来ることはあるだろうか?
僕の手から離れていく愛しい人よ。
どうか幸福でいて欲しい。
君が涙に暮れることがないことを祈る。
-
貴方には何色が似合うだろうか。
自分以外の誰かを思って選ぶのは楽しい。
そんな単純なことを貴方は教えてくれる。
貴方と過ごす日々は新鮮だった。
モノトーンの世界を彩ってくれた。
貴方は星のように輝いている。
それも全天の中で一番の一等星だ。
貴方のことを忘れることはできないだろう。
ずっとさまよっている。
完璧な愛を求めて。
僕の持っている愛は歪だ。
真円になるように人の群れの中を歩いている。
見つからないのだろうか。
僕は欠けた愛を探してる。
パズルのピースのように、ぴったりを当てはまる愛を抱えている人を探してる。
そんな人はどこにもいないだろうか。
諦め始めた
雨が鎖のように降る。
私を閉じこめるように、ずっと降っている。
どこか遠くに行きたいのに、雨の街は暗い。
結局どこにも行けずに、家の中で雨が降るのを見ている。
いつから雨は降っているのだろうか。
記憶が引っかかる。
この街に越してきてから降っている。
まるで逃げ出すのを防ぐように。
疲れて帰ってきた用だった。
ご褒美用だった。
楽しみに帰ってきて冷蔵庫を開ける。
買い置きしていた菓子は姿を隠していた。
へなへなとその場で座りこんでしまった。
菓子を食べた犯人は「ごめん、ごめん」と軽く謝る。
涙が出てきそうだった。
食べるのを楽しみにしていた。
謝られても許せない。
季節がら、よく雨が降るようになった。
あちらこちらに水溜まりができていた。
鏡のように空が映りこんでいた。
少女は水面を踏む。
レインブーツと少女の重さ分、水が跳ねる。
空がかき消える。
それが楽しいのか、少女は水溜まりごと踏みしめる。
少年は跳ねた泥水をよけながら、少女の後に続く。
彼が私の薬指に指輪をはめる。
「これが契約の印だ」低く彼は言った。
どこか満足そうな様子に悲しくなる。
私たちはこれから契約結婚をする。
期間は3年間。
外に恋人を作ってもOK。
結婚をしたいう事実だけが大切なのだ。
指輪よりも愛がいい。
そう思っても、彼が私を愛することはないだろう。
-
いつか来る別れの日々におびえていた。
始まりはいつも鐘を鳴らすように、心臓を震わせる。
幸せな毎日が長く続くことを祈っていた。
それでもやってくる「サヨナラ」の日。
せめて笑顔で別れよう、と約束したけれども守れそうにない。
離れていく君の背中を見送りながら涙を零した。
声を殺して。
-
想い出が追いかけてくる。
君の足音のように。
もう僕の後をついてくることはないのに。
二人で決めた「サヨナラ」。
出会えて良かったね、そう言えるようになるまで、この痛みを抱えていくのだろうか。
いつまでも僕の後ろを歩いてくるのだと信じていた。
こんな結末を迎えるなんて想像しなかった
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