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「 140文字の物語 」
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開店したてのバーには人気が少なかった。
これから夜にかけて増えていくのだろう。
自分は仕事が終わって、真っ直ぐにバーにやってきた。
ここ最近、通い詰めている。
「海に行きたいな」呟くように言うと、バーテンダーが「夏になったら気持ちでしょうね」言う。
「約束だよ」言質を取る
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もうこれで最後なんだと思ったら、自然と涙が溢れてきた。
新幹線で一時間の距離は幼い二人にとっては遠すぎる距離だった。
毎日、顔を合わせていたのに、離れ離れになってしまう。
お別れが辛くて、無理矢理、両手のひらにしがみつく。
手を離したら、本当の最後になってしまうから。
録画しておいたドラマを見ている彼の耳元に息を吹きかける。
彼は驚いたように、こちらを見る。
思わず笑顔になってしまう。
彼はコツンと額を合わせる。
それが嬉しくて「えへへ」と笑い声が出てしまう。
彼からリモコンを取り上げて、一時停止ボタンを押す。
彼は困ったような顔をする。
華やかな経歴な持ち主の彼女になった。
告白しておいてなんだけど、自分が選ばれた理由が分からない。
エスコートも完璧な彼とのデートは楽しかった。
けれどもちらつくのは元カノの影。
どんなタイプの女子だったのだろうか。
彼との関係が深くなる分、気になりだした。
知りたくないのに
どんな年齢だろうと、群れていないと不安になる。
グループの輪から外れるのは勇気のいることだった。
今、所属しているグループは自分に合わない。
肌でひしひしと感じている。
それなのに群れから抜け出せないでいる。
独りぼっちになるのが怖いのだ。
誰かに依存していないと不安なのだ
急に暑くなってどこもかしこも冷房が入っている。
効きすぎた冷房は半袖のシャツには毒だった。
カタカタと震えはじめた。
がら空きの車内なのだから冷房はいらないだろうと思った。
寒さにじっと耐える。
すると彼女が恥ずかしそうに、手のひらを両手で包む。
ほっとする様な温かさだった
黄緑色の髪の青年に声をかけられた。
フレンドリーな仮想世界とはいえ、驚く。
慌てて相手のプロフィールを覗く。
そこに書いてあったのはフレンド登録してある友達と全く同じものだった。
イメチェンしただけで分からなくなるとは自分でも薄情だと思った。
当たり障りのない言葉を紡ぐ。
祈りながらサイコロを転がす。
たかがすごろくと言ってはいけない。
一番にあがった人物の言うことを何でもきくという約束だ。
昼飯を奢るとかアイスを買いにコンビニ行くとか。
他愛もない命令に落ち着くだろうが、それでも一番になりたい。
サイコロが止まった。
ゴールの数と一緒だった
一人で景色を楽しんでいた。
新緑が眩しい季節になった。
ゆっくりと散歩していると、穏やかな気分になる。
立て込んでいた仕事もすっかり片付いた。
だからこそこうして昼間から散歩が出来るわけだ。
何もないことに感謝したいぐらいだ。
ふいに脳裏にノイズが走る。
デジャブという奴だ。
隣ですやすやと寝息が聞こえた。
いつの間にか、彼は眠ってしまったようだ。
これだからお家デートは嫌なのだ。
TVは退屈なホームドラマを流し続けている。
お家デートはのんびりできるかもしれないが、気を抜きすぎることが増える。
流れているDVDだって借りると決めたのは彼なのに
生まれて初めてできた彼氏は優しい人です。
毎日、送り迎えをしてくれるし、メールもまめに返してくれる。
この前、初デートをしたのだけれど、私のペースに合わせてくれました。
今日も一緒です。
玄関で小箱を差し出されました。
プレゼントです。
開けると欲しかった物が入っていました
夜が更けた頃、襖を開ける音がした。
うつらうつらとしていた青年は瞬時に目を覚ます。
起き上がると、一番下の弟がいた。
「ごめんなさい」弟が言う。
青年はそれだけで用件を把握した。
手を差し出せば、恐る恐る、指先をぎゅっと握ってくる。
独りで暗い廊下を歩くのは怖いものだ。
白金の頭髪の少年はいつものように仰ぐ。
そこには定期テストの結果が貼り出されていた。
自分の名前は一番目に書かれている。
満点を取ったのだから当たり前だ。
二番目に書かれた名前も馴染み深いものだった。
いつも挑むような目で見てくる少女の名前。
今回も燃えるような目をしていた
後夜祭では男女がペアになってダンスを踊ることになっている。
自由参加だが、たいていの生徒が参加する。
そんな時間があるなら、単語のひとつも覚えていたいと思うのだが、相手がいない寂しい奴だとは思われたくはない。
白金色の頭髪の少年にはすでにペアがいるようだ。
急がなくては
「どこにしまっちゃったのかなぁ」独り言を言いながら部屋の中を荒し、いや片づける。
お気に入りの青のネックレスが見つからない。
「この辺かなぁ」肩に当たってCDの山が雪崩れる。
目の前に現れたCDに気を取られる。
「懐かしい。こんなところにあったんだ」と一枚、取り上げる。
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