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「 140文字の物語 」
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初めて敵【同胞】を斬った感触を覚えている。
神剣・神楽を通して、おぞましいほどの快感が背筋を駆け上がった。
罪悪感はこれっぽっちも湧かなかった。
自分が正義の味方になったようで喜びすらあった。
だから、忘れてはいけない。
消し去った敵【同胞】の姿を。
いつまでも覚えておく。
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最初は加減が分からなくて、痛い思いをさせてしまった。
次は恐る恐る握った。
「そんなに気をつけなくていいんだよ」と笑われてしまった。
やがて、ちょうど良い加減で手を握れるようになった。
繋がっているということに安心感を覚える。
初めての恋だから大切にしたいと思った。
昨日から喧嘩をしている。
メールも電話も無視している。自分は悪くない。
だから、こちらから折れてなんかやらない。
そう決心しているのに、携帯電話をこまめにチェックしてしまう。
また携帯電話が鳴る。
誰からかかってきたかサブディスプレイで確認してしまう。
友達からだった。
一度目は急いでいてスルーした。
二度目も用事があって立ち寄れなかった。
今日で三度目。
古民家をそのまま活かしたカフェのドアを開いた。
「いらっしゃいませ」と年配の婦人が言った。
店内はオレンジ色のランプで照らされていて、ひっそりと建つ外観によく合っていた。
メニューを開く
「映画のチケットが余っているから行かない?」と誘われた。
映画のタイトルも見ずに了承してしまった。
最初はポップコーンを口に運びながらだらだらと見ていた。
そのうち手が止まり目が潤み始めた。
映画のクライマックスでは主人公に自己投影していた。
見終わってから策士だと思った
太陽の光に向かって咲くひまわりも今は項垂れている。
花芯には種がぎっしりと詰まっている。
見渡す限りのひまわり畑がまるで葬列のように見える。
真夏の時はあんなにも輝いていたのに。
その姿を知るだけに名残りの姿に胸につまる。
悲しんだところで花が朽ちていくのは変わらない。
今日、出会った女の子はとても可愛かった。
湯船に浸かりながら少年は思いを馳せる。
一目惚れといっても過言ではない。
そんなものが自分にやってくるとは思わなかった。
女の子の名前をそっと囁く。
特別な想いを込めて。
明日が早く来ないかなと少年は湯船に肩まで浸かりながら思った。
「はい、先生の分」子供が机の上にミカンを置いていった。
男性はミカンをしげしげと見てから、窓の外を見つめる。
外は追憶に相応しいかのように黄昏色に染まっていた。
ミカンを半分こした幼友達は元気にしているだろうか。
彼が住んでいる街はここからでは見られない。
遥か遠くを見る
冷静な話し合いがヒートアップして口論になった。
こうなるともう水掛け論のようなものだ。
どちらが正しいのかもわからなくなった。
少年の方が部屋を飛び出した。
言い過ぎたと思った少女はすぐさま後を追う。
公園のブランコに腰かけた少年を見つけ、少女は安堵した。
いつもの場所だ。
夏休みという響きには無限大な夢が詰まっていた。
何でもできるような気がしていたものだ。
普段できないことが体験できる。
それは夢に繋がっているかのように思えたのだ。
果てのない夢を抱えながら毎日を過ごしていた。
毎日が冒険の1頁目だった。
今は遠い夏の日
部屋に入ると熱い空気が肌を撫でた。
昼間の熱気が残っているようだった。
エアコンのリモコンを探す。
朝は涼しかったので、エアコンを入れていなかったのだ。
机の上に無造作に置かれたリモコンをクリックする。
すぐさま涼風が部屋を満たす。
荷物も置かずにその涼しさを堪能する。
魔女を育成する学校に通うことになった。
お祖母ちゃん譲りの魔力が暴走しないように、制御を勉強するらしい。
どんな学校なんだろう。
お母さんに手を握られながら、学校の正門をくぐった。
先輩たちはみんな箒にまたがり、空を自由に飛んでいた。
新米な私にお菓子の雨を降らせてくれた
彼女はある日、姿を消した。
家族が方々を探したが見つからなかった。
そうして一年が過ぎ、二年が過ぎていった。
彼女が消えたと聞いた時、奇妙なほど安心したものだった。
いつも何かから耐えるように、我慢していた印象が強いからだろうか。
彼女が自由になって良かったとさえ思った。
距離が開いても絆は変わらないと思っていた。
二人の関係は固く結ばれた物だと信じていた。
けれども現実は違った。
間遠くなっていく手紙がそれを知らせる。
文面ににじみ出てくる。
どうすることもできない事実に歯噛みする。
立ち止まっている暇はないというのに、手紙の返事を考える。
少女は夜の世界しか知らなかった。
日差しは少女にとって毒だからだ。
それ故に、太陽の存在を知らなかった。
それを哀れと思った少年は太陽の写真をたくさん撮った。
朝から晩まで撮り続けた。
現像したそれをアルバムに収め、少女に渡した。
少女はその気持ちが嬉しくてはにかんだ。
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