永遠を信じていた。
明日は今日の続きで、君が隣にいると思いこんでいた。
いつまでも一緒にいられるような気がしていた。
そんな楽観的な未来予想は裏切られた。
想像よりも、あっけなく別れはやってきた。
君は微笑みながら、最後の言葉を紡いだ。
僕の心はそれを受け止めきれなかった。
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君の願いを叶えてあげられる、僕でいたい。
どんな願い事も魔法使いのように叶えてあげたい。
お代は君の笑顔で充分だよ。
今日も悲しいことがあったね。
君は言いたいことを言えずに、言葉を飲みこんだ。
僕はそれを隣で見ていることしかできなかった。
だから僕は君の言葉を受け止めたい
美しい言葉とはどんなものでしょうか。
美しい婦人が詩人に尋ねた。
詩人は貴女の唇から紡ぎだされるものですよ、と答えた。
では、醜い言葉とはいったいどんなものでしょうか。
美しい婦人は問いを重ねた。
それは貴女の心から吐き出された言葉ですよ、と詩人は答えた。
美しい婦人は笑む
君が明日、いなくなるというなら、僕の世界は明日で終わる。
君は僕の存在意義そのものだ。
だから、君がいない世界なんて信じられない。
僕の世界は君だけために在る。
どうか、いなくなるなんて悲しいことを言わないでくれ。
君はいるだけで特別なんだ。
僕を生かし続けるのは君という光
部屋は真白な光で満たされていた。
窓から差し込む光が優しかった。
少女が上目遣いで、青年の指を折れんばかりに握る。
まるで怖いことでもあったかのように。
青年は微笑み、空いている手で少女の頭を撫でた。
少女の大きな瞳が揺れる。
繋いだ手から伝わるぬくもりは本物だった。
大掃除してたら納戸から花火の山が出てきた。
夜を待って、季節外れの花火大会をすることになった。
白く息が凝る中の花火大会は、寒かった。
花火の明かりで暖を取ることもできない。
風に揺れる蝋燭の火が心細かった。
最後は線香花火だった。
落とさずに最後まで見ることができなかった
鎖に巻かれた宝箱をムキになって開けようとした。
鍵がかかったそれは宝物が入っているだろう。
まだ誰も見たことのないような素晴らしい物が入っているはずだ。
そうでなければこんなにも頑丈に鎖を巻かないだろう。
どうしても中身が知りたい。
鍵を持っていないから余計にそう思う。
泣きたい時、不安になる時、傍にいてくれたね。
それだけで顔を上げられた。
明日を信じられた。
苦しい時、寂しい時、手を繋いでくれたね。
それだけで勇気が湧いてきた。
一緒にいてくれたことを深く感謝する。
言葉では言い尽くせないほどの喜びを伝えたい。
君は存在だけで特別なんだ。
結界が揺らいだ。
虹色をしたそれが解けた。
少女は走り出した。
神剣・神楽を手にした青年は満身創痍だった。
怪我は決して浅いものではなかった。
少女は泣きそうになりながら、腕に触れる。
神剣・神楽が怪我を治してくれるとはいっても、それは表面的なものだ。
心までは治してくれない
最初はささやかな意見の違いだった。
それが口論にまで発展した。
そして、お互いの意見を譲らなかったから黙りこんだ。
このままではいけない。
喧嘩を続けていたら、二人の関係は駄目になる。
それが分かったから、無理矢理、両手にしがみついた。
「ごめんね」と言葉を添えた。
真剣・神楽が律動した。
同胞が近くにいる証拠だった。
気配を殺して、辺りをうかがう。
それも、あちらも同じこと。
敵の姿は見えない。
嬉しそうな真剣・神楽にふれながら、この戦いが早く終わることを祈る。
結界の外では少女が待っている。
無事に帰って、少女の笑顔が見たいと思う。
いつか来る別れの前まで、一緒にいて欲しい。
一分一秒でも長く傍にいて欲しい。
君に出会ってから、ずいぶんと我が儘になった。
自分の変化に驚く。
君と過ごす毎日はキラキラと輝いているんだ。
だから、ずっと一緒にいよう。
必ず訪れる別れの前まで手を繋いでいこう。
離れたくないから
凍えるような冬が訪れた。
少女とは長い付き合いになった。
真剣・神楽を押し付けられて、ずいぶんな季節になった。
少女ごと守ると決めてから、思ったよりも長い時間を一緒にいる。
これからも同胞をほふるのだろう。
それに後悔せずにいられるのだろうか。
青年の心に迷いが生じた。
もし明日、僕の世界が終わるとして、君と変わらない日常を送りたいと思う。
僕の世界はいつだって君に彩られている。
だから、最後の鼓動まで君と過ごしたいと思う。
目を瞑るのは怖くない。
もし、明日で僕の世界が終わりなら、それはきっと幸せなことなのだろうと信じている。
サンタクロースがいない。
それを知ることが大人になるということだと思っていた。
サンタクロースになるのが大人になるということだという言葉に目から鱗が落ちた。
クリスマス嫌いの人の元にも、楽しみな人の元にも、今年もクリスマスがやってくる。
誰かのサンタクロースになりたい。