忍者ブログ
「 140文字の物語 」
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

妹が高熱を出した。
両親は共働きで、夜遅くなるまで帰ってこない。
ぼんやりとした目で、咳をする妹を病院に連れて行く。
待合室の中で、しっかりしなきゃと、自分に活を入れる。
妹は「お姉ちゃん」と私の袖を握り締める。
「大丈夫だよ」と妹の頭を撫でる。
早く治って欲しいと思う。
PR
彼はいつだって待ち合わせの時間に来ない。
駅前の時計台の下で待ちながらイライラする。
ごめんねと笑いながら、今日も遅れてやってきた。
寒空の中、待たされる側の気持ちににもなってほしい。
それでも手渡されたココアの温かさに許してしまう。
次は時間通りにきてね、と言ってしまう
砂糖を煮詰めた甘さの君に今日も救われる。
君の優しさに心が癒される。
甘やかさないで、と思う反面でそのままでいて欲しいと思ってしまう。
君の優しさには中毒性がある。
一度ふれてしまうと抜け出せなくなってしまう。
その甘さを舌のうえに乗せる。
甘すぎて虫歯になりそうだった。
君の瞳はからからに乾いていた。
泣き方を忘れてしまったようだった。
だからそんな君のかわりに、泣いてあげる。
辛い時は泣いてもいいんだよ。
苦しい時は泣いてもいいんだよ。
僕の前では強がらなくてもいいんだよ。
君は不思議そうな顔をして僕を見つめる。
僕は失った物の大きさに泣く
どうか君よ、綺麗なままでいて。
世界には苦しみや悲しみであふれている。
君の柔らかな心を傷つけるものがたくさんある。
醜い世界の中で輝いて欲しい。
僕の心は嫉妬まみれだから、君の澄んだ瞳が痛く感じる。
そのままの心で大人になって欲しい。
君は僕の希望だから煌いていて欲しい。
今日、君に悲しいことが訪れた。
それなのに君は涙を無理矢理、飲みこんだ。
作り笑いを浮かべながら、平気な振りをしてみせた。
そんな君を僕は守りたいと思った。
今日あった悲しいことを全部僕のせいにしていいよ。
それで君が我慢しなくてすむなら。
素直に泣くことができるなら。
どんどん嫉妬深くなる。
僕以外を見ないで。
僕以外に笑顔を見せないで。
僕以外と話さないで。
君を雁字搦めにしてしまう。
そんな僕を許す君がいけない。
どこまでも自由な君が好きなのに、縛りつけてしまう。
何て醜い自分なんだろう。
みっともない僕を優しい君は受け入れてくれる。
合鍵を手渡された時はとても嬉しかった。
二人の距離が縮まったような気がした。
けれども現実は違った。
脱ぎ捨てられた服を洗濯機に放りこむ。
埃まみれのカーペットに掃除機をかける。
これではまるで家政婦だ。
今晩の献立を考えながら、ノルマをこなしていく。
甘い生活は遠そうだ。
背に翼があれば良いのに。
そうしたら悲しむ君の元へ飛んでいける。
けれども僕の背には翼がないからこうして文章を書いている。
君が涙の海で溺れ死なないように。
少しでも辛さが薄れますように。
僕の思いよ。
光の速さで飛んでいけ。
もう作り笑いを浮かべないように
-
「さよなら」なんて寂しいことを言わなくてもいいじゃない。
これが今生の別れのような顔をしなくてもいいじゃない。
僕が君が独り歩く道を照らす星になるよ。
溜息が白く凝る夜だって君を追いかけるよ。
そんなに足元ばかりを見て歩かないで。
君を暖めることができなくても傍にいるよ。
-
笑ってお別れしましょう。
次がなくても笑ってお別れしましょう。
これが最後になるとしても。
思い出す時、笑顔のあなたであるように。
笑顔の私であるように。
悲しいことは何ひとつないはずです。
真新しい未来が輝きながら待っているのです。
今までも何度もくりかえしてきたはずです。
初めて恋に落ちました。
世界は彼中心に回っています。
思いが強すぎて眠れぬ夜もありました。
声をかけられただけで、舞い上がるほど嬉しくなりました。
彼が他の女性と仲良くしていると胸が痛みました。
初めてばかりの経験が続きます。
いつの日か、想いを告げる日が来るのでしょうか。
今朝、郵便受けに舞いこんだ封書を喫茶店で開く。
懐かしい友達からの手紙だった。
最後に会ったのは、いつだっただろうか。
手書きの文字を追いながらそんなことを思う。
昔は頻繁に会っていたから、間遠くなると寂しい。
手紙は忙しい近況を綴るものだった。
返事を書くべくペンを握る。
夜空を見上げたら、星が流れた。
3回おまじないを唱える前に、星は消えた。
隣に君がいたのなら、笑いあえただろう。
遠く離れた君は、元気にやっているのだろうか。
辛いことや苦しいことはないだろうか。
笑顔を忘れないでいてくれるだろうか。
独りぼっちで彷徨っていないだろうか。
-
今日はなんでもない日。
記念日でもない日。
誕生日でもなければ、初めて会った日でもない。
それなのに、輝いて見えるのはどうしてだろう。
君が僕の隣で笑っているだけで、特別な日になるんだ。
どんなに深い夜も、君と出会う朝が来ると思うと乗り越えられる。
君はそのままでいてくれ。
PREV ← HOME → NEXT
忍者ブログ [PR]
 △ページの先頭へ
Templated by TABLE ENOCH