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「 140文字の物語 」
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君は不幸自慢をする。
生まれてきて、どれだけ辛い人生を歩んできたか。
そんなことばかりを言う。
そんな君とは、幸せになれないから離れると決めた。
君は必死になって、僕にすがりつこうとする。
でも僕はこれ以上、君を幸せにしてあげられないから。
どうか他の人と幸せになって欲しい
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「好き」って言ったら、「好き」って返ってきた。
「嫌い」と言ったら、困ったような笑顔で「それでも好きだよ」と返ってきた。
どうしたら嫌われることができるのだろう。
いつでも「好き」を返してくれる彼。
鎖で繋がれているようで、窮屈さを覚えることがある。
「好き」が重い。
昔、世界は暗闇でできていたそうだ。
太陽も月もない世界で人々は暮らしていたそうだ。
それを哀れと思った若い神様は、世界の半分を照らすように光を盗み出したそうだ。
この柔らかな日差しは若い神様のおかげでもたらされたものだ。
奢ってはいけないよ。
また暗闇になるかもしれない。
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君は優しすぎるから、今日もまた雨が降る。
僕は涙の止め方が分からないから、ただ見つめる。
君は誰にも頼らずに、独りで頑張ろうとする。
傷だらけになったハートを守る方法はないのか、と僕は考える。
一緒にいるだけでは君を救うことが出来ない。
僕は自分の無力さに嫌気がさす。
ちょっと制服のスカートの丈を短くする。
靴下をくしゅくしゅと短くする。
流行のリュックサックを背負う。
みんなと同じ格好をする。
個性なんてない。
それなのに可愛いって褒められる。
世界で一番、可愛いって言われる。
みんなと同じなのに、彼の眼からは違って見えるようだった。
たいした怪我じゃなかった。
少年は保健室に向かった。
部屋には常連の少女がベッドで横たわっていた。
また貧血を起こしたのだろう。
クラスも名前も知らない少女だが顔見知り程度になっていた。
少年を見ると少女は起き上がり救急箱を取り出した。
手馴れた様子で手当てをしてくれた。
一生の忠誠を誓い剣を捧げた。
まさかこんな苦労をさせられるとは思わなかった。
今日も主の姿を探し、城中を走る。
体のいいお目付け役にさせられている。
主は一所に留まってはくれない。
王族に相応しくないぐらいだ。
護衛役をおいてふらふらと出歩くこともしばしば。
そこも魅力だが。
僕と君は友だち同士。
二人でいることが長くなってきた。
どちらかに恋人が出来るまで、続くのだろう。
いつまでも一緒にいるから、勘違いしたんだ。
居心地の良い関係を崩しても伝えたかったんだ。
知ってたよ、君の答えは。
僕は軽率な一言で、一生続くかもしれない友情を失ったんだ。
まるで魔法の言葉のようだった。
愛してる愛してる、愛していたかった。
気がつけば君を縛りつけていた。
誰よりも自由が似合う君だから、魔法の言葉はこれでおしまい。
いつまでも一緒にいたかった。
でも「さよなら」だ。
二人で過ごした時間は想い出という言葉の中で永遠に煌いている。
いつの頃からだろう。
駅までの短い道のりを相合傘で帰るようになったのは。
クラスメイトは雨の予報があっても、傘を持ってこない。
雨に濡れて帰る姿を何度、目撃しただろうか。
あまりに頻繁だったから傘に入るか尋ねてしまった。
それ以来、雨の日の約束になった。
今日も雨だといい。
「今日も星空は見えないみたいだ」と残念そうに少年は言う。
空は分厚い雲が覆っていた。
灰色の空は世界をモノクロームに引きずりこむ。
最後に星空を見たのはいつだったか。
この季節特有の天気といえばそれまでだけれど。
スッキリしない空を見上げて溜息をつく。
明日の空はどうだろう
冷たい雨が降るように君は涙する。
頬に伝うそれを拭いもせずに、真っ直ぐとこちらを見つめる。
微かな希望にすがりつくような視線に僕は何も言えなくなる。
こんなとき、言葉は無力だ。
安心させるのは簡単だ。
けれども何を言っても嘘になる。
言葉を紡ぐ代わりに小さな体を抱きしめる。
恋しちゃいけない。
誰が決めたんだろう。
想うだけは自由だと自分に言い聞かせる。
君は僕以外のもの。
出会うのが遅すぎた。
仲の良い友だちごっこは、正直ツラい。
愚痴という名ののろけを聞かされながら思う。
「好きな人いないの?」そんな問いに「いないよ」君が好きで、嘘をついた。
少女が力強く、少年の指を折れんばかりに握る。
そしていれば、離れ離れにならないというように。
いつでも別れの言葉を告げるのは苦手だ。
それでも少年はサヨナラを告げる。
やっぱり少女の瞳が涙で潤む。
繋いだままの手に透明な水滴が落ちる。
少年は「もう少しだけですよ」と言った。
君のことが好きになってから、僕の世界は変わった。
自分だけの世界が、君中心に回ることになった。
この気持ちは君にどこまで届いてる? 
どんなに言葉にしても、胸の奥にともった火は伝えきれない。
大切で大好きな君に毎日、会える喜び。
それがどれだけ幸福のことなのか僕は知った。
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