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「 140文字の物語 」
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「好きだよ」と心の中で、何回つぶやいたことだろう。
「私たち、ずっと友だちでいようね」と君が言う。
卑怯だ。
ほらまたそうやって笑うから、何も言えなくなる。
いつまでも友達というボーダーラインを越えられずにいる。
僕は君に初めて会った時から好きなのに。
「そうだね」僕は言う
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「あなたにそれだけ思われていた。きっと幸せだったんでしょう」慰めの言葉も尽きてきた。
少女の涙は止まることを忘れたように流れ続ける。
小さな箱に収められた骨だけになった物を大切そうに抱えている。
「泣かないでください。きっとあなたの笑顔が好きだったと思いますよ」と言う
君は「もう一つ、ちょうだい」と言う。
本当に欲しくて言っているわけじゃないことを僕は知っている。
口実が欲しいだけだと気がついている。
でも、そんな君のおねだりに僕は応える。
「これ以上、食べると太るぞ」と忠告と一緒に菓子を分け与える。
「ありがとう」と君は屈託なく笑う。
ずっと一人だった。
それを辛いとも、寂しいとも思わなかった。
君に逢うまでは。
「これからは二人だね」と僕は指輪を渡しながら言った。
君は、はにかむ。
返事には充分だった。
家族ができるということは幸せなことなのだ、と知った。
一人だったら気がつかなかっただろう。
君に感謝を。
裏切り者の始末という任務が下された。
かつては背中を預けて共に闘った相手だった。
どうしてこうなる前に、相談をしてくれなかったのか。
それだけの関係だったのだろうか。
これが最後の仕事になるだろう。
そう分かっているのが辛かった。
これを期に引退するつもりだ。
闘いはごめんだ
君が思い出になっていく。
記憶に残るさまざまな日常が今は、ただ哀しい。
これから何度でも、今日という日を思い出すだろう。
君は笑顔のまま別れの言葉を告げる。
僕はそんな君を引き止めないように、さりげなく、両手のひらを握る。
そうしなければ、君の荷物を奪ってしまいそうだった
総大将の首級を討ち取った。
褒められると嬉しいのですが、素直には喜べません。
戦場に出ればそれなりの覚悟を持っているけれども、慣れることができない。
兵士一人一人に家族があって、友がいる。
どうしても人を殺すことには抵抗感がある。
だから主君からの褒め言葉を複雑に受け止め
幸せになんて、なってやらない。
幸福になってやる。
これ以上ないぐらいの幸福になれるのは、君がいるからだ。
いつの日か、白い服に身を包み、祭壇の前で永遠を誓おう。
初めて逢った時から運命を感じている。
君は驚くかもしれないけれど、誰にも譲る気はない。
だから覚悟をしていてね
初めての恋は無惨にも砕け散った。
妹にしか見えない、と言われたのは優しさだろうか。
遠ざかる彼にしがみついた。
それでもかまわないから一緒にいたい、と告げた。
彼は困ったように微笑んだ。]
これ以上、何を言っても無駄なのだ。
湯船に浸かりながら、このまま溺れ死にたいと思った。
女の子は甘い物でできているという。
その中でも、君は断然だろう。
砂糖を煮詰めた甘さの君には、辟易する。
いつでも見通しが甘い。
後先考えずに行動するからいつも僕が尻拭いをする羽目になる。
学習能力というものが欠如しているのか同じことをくりかえす。
ほらまた捨て猫を見ている。
あまりにも君が大切だから、僕は臆病になった。
君を傷つけないように、言葉を選ぶ。
君に優しくしたいから、態度で示す。
こんなにも君だけを想っているのに、僕の気持ちを君は知らない。
それでもいいほど、君のことが好きになってしまった。
君の隣にいられれば良いと思ってしまうほど
先ほどから手をこすり合わせている君。
寒そうに指先に息を吹きかけている。
「そんなに寒い?」僕が訊くと、君は頷いた。
僕は堂々と、君の指を軽く握る。
ひんやりとした冷たさと柔らかな感触に僕の心臓は跳ねた。
「ね、冷たいでしょ?」と君は困ったように微笑んだ。
僕は強く指を握る
今生の別れだと思うと自然と涙が溢れてきた。
たくさんの分岐点を経て、今に辿りついた。
これ以外の選択肢もあっただろう。
後悔しないといえば嘘になる。
時の砂時計を逆さまにしてやり直せればどんなに良いだろう。
悲しみが胸を締めつける。
どうかお幸せにと祈る
「放って置いてくれないか。どうせ遊びだろう」と貴方は苦しそうに言った。
だから私は貴方の手を握った。
「貴方の全てが愛おしいの」貴方の心に届くように、目線をあわす。
投げやりになった双眸に、一瞬の途惑いが浮かんだ。
「大好きよ。貴方が自分自身が嫌いでも」真っ直ぐ伝える。
-
今日も君に嘘をつかせてしまった。
「大丈夫だよ」ちっとも大丈夫じゃない顔をして君は言った。
「心配してくれて、ありがとう」君は謝辞を口にする。
その姿が儚すぎて不安になった。
からからに乾いた瞳が僕を見つめて笑う。
強がりを言う君を僕は、抱きしめることすらできなかった。
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