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「 140文字の物語 」
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同じ部活で同じ学年ともなれば、帰り道が別れるまで一緒に帰路する。
たとえ異性でも不思議なことはない。
最初は集団で学校の話をしながら、やがて散り散りになると話題もなくなる。
二人きりというのが変な緊張を生む。
「好きです」少年は言った。
少女は驚く。
「そう言って欲しいんでしょ?」
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探し物をしていたら、余った花火が出てきた。
独りで花火をするのも寂しかったので、お隣さんにも声をかけた。
幼馴染は二つ返事で、小さな花火大会を開催することになった。
水を張ったバケツを用意して蝋燭も用意した。
次々と火をつける。
夏の記憶が呼び出されてしんみりとした気分になった。
駅の改札口まで来てしまった。
大切にされているのは分かる。
でも無理やり奪って、今すぐに。
きっかけなんて些細な事。
恋の階段を上るのに必要なのは、ちょっとした勇気。
早く貴方だけのものにしてほしいの。
じゃないと不安になる。
友達じゃない。
恋人同士しかできないことをしてみたいの。
通勤ラッシュで電車は満員だった。
通い慣れた路線とはいえ、もう少し余裕があれば、と思ってしまう。
でもこの車両じゃなきゃ意味がない。
もうすぐ丸二年になる。
いつもの車両の窓の側。
少女は今日も鞄を抱えて立っていた。
サラサラとした髪にふれそうなほど近い。
そっと、指先を握り締める。
郵便受けも玄関も通り抜けてそれはひらりと舞いこんだ。
青年は縁側で普通に受け取った。
現実離れに慣れていく自分が怖くなる。
同胞からの戦闘の申し込みだった。
時間内に来なければ人間を一人ずつ殺していく、という物騒な文章が綴られていた。
そんなことはさせられない。
青年は立ち上がった
今年もあなたがいなくなった季節が巡ってきた。
庭に植えられた木々も花をつけ始めた。
最期の年、一緒に見ることはできなかった。
白い天井と定期的に鳴る機械たちに囲まれて、あなたの生は閉じた。
「さようなら」をする覚悟をさせてくれなかった。
だからか、あなたの後ろ姿しか思い出せない。
「お風呂沸いてしますから、先に入っていてくださいね」玄関で少女は言った。
青年は言われた通りに、脱衣所に向かう。
洗濯したてのタオルと着替え一式が揃っていた。
ありがたく湯船につからせてもらう。
奇妙な共同生活が始まってからの道のりを思い浮かべる。
ここまでやってくると離れがたい
インターフォンが鳴ったので、玄関の鍵を開ける。
少女は驚いて思考を停止した。
「今日は君の誕生日だろう?」青年は言った。
SNSでお祝いの言葉をたくさんもらったから、それで満足していた。
「君に似合う花を考えていたら、あれもこれもと思って」
両手いっぱいの花束を持った青年は微苦笑した
二人の間にある年齢差や身分差は煩わしい。
そんなもので恋の障害だとは思いたくはない。
どこまでも続く空のように境界性なんていらない。
恋している二人だけで世界は完結している。
外野がどうこういう問題ではない。
言われれば言われるほど恋の炎が燃え上がる。
二度と離れないように手を繋ぐ
PCゲームで知り合った。
優しい人で、ギルドでも中心人物だった。
レベル上げではないゲームの楽しみ方を教えてくれた。
ログインしている時はチャットをたくさんした。
仕事の用で近くに来ると聞いて案内をかって出た。
待ち合わせの場所にリアルでいた。
嬉しそうに、手のひらを触れ合わせる。
-
明日、君が来なくても大丈夫。
僕は独りでも行くよ。
離れがたくなってしまうから、君がいないほうが良いのかもしれない。
でも君は優しいから見送りに来てくれるだろう。
そして、二人して涙するのだろう。
サヨナラの言葉を飲みこみ最後には微笑みあうだろう。
君は小さくなっていく僕に手を振る
久しぶりに一緒の休日。
食事中なのに、彼はスマホをいじってばかりいる。
確かに彼は食べ終わって、暇なのかもしれないけれど。
まだ私は食事中だ。
それに二人きりなのにスマホに夢中なのはどうかと思う。
「LINE?相手は女の子?」棘がつく。
「まぁ、お前の方が可愛いのですが」彼は顔を上げる
いつの間に寝てしまったのだろう。
上体を起こすとぐらりと揺れた。
頭が痛く、胃が鉛のように重い。
テーブルの上は散乱していた。
干からびたおつまみとからの缶酎ハイ。
片付けなければと思って起き上がる。
窓からは眩しい日差しが届く。
眩暈と吐き気が加わる。
失恋したからといって呑みすぎた
君は「好き」って言われると、その人物のことを好きになってしまう。
そんな単純な思考回路の持ち主だ。
だから恋愛のトラブルは多かった。
「好き」をくれる人が一人の時は良いけれども、複数の場合は気にせず付き合う人数を増やす。
こんな君に恋した私が悪いんですが修羅場をくぐるのは辛い。
ずっと好きだった。
出会った瞬間、雷を打たれたかのように感じた。
よく話が合う異性からスタートした。
彼にはすでに付き合っていた彼女がいたから。
自分の入りこむチャンスをうかがった。
それは長い時間だった。
やがて彼は彼女の話をしなくなった。
柳が風になびくように彼がこちらを向いた。
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