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「 140文字の物語 」
「簡単にキスしちゃダメよ」とお母さんが何度も言う。
なんでもキスには魔法がこもっているから、らしい。
だからキスをされないように気をつけていた。
それなのに、唇を奪われた。
心臓が飛び跳ねた。
お母さんの言いつけを守れなかった。
強引にキスされたのに、相手が気になってしょうがない。
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夜風が身に染みる季節になった。
水仕事が苦になる。
それでも、嫌いだからやらないというわけにはいかない。
面倒だと思いながら水仕事をこなす。
すべてを終わらせて、居間に戻る。
じっと手元を見る。
洗剤でカサカサになった手はお世辞にも綺麗だとは言えなかった。
思わずためいきが零れた。
君は僕の所有物だ。
それがみんなに分かるようにしたい。
いっそ首輪をつけてしまいたい。
犬や猫のように、首輪をつけた君は可愛いだろう。
僕はジュエリーショップをめぐった。
君にふさわしい首輪を見つけるために。
無邪気な君は嬉しそうにネックレスを受け取った。
僕はひとまず満足を覚えた。
僕に優しくしないでほしい。
君は誰にでも優しいから、ただの親切だと分かっている。
けれども、優しくされると恋と、錯覚してしまいそう。
僕のことを好きなんじゃないかと自惚れてしまう。
だから、僕には冷たいぐらいでちょうどいい。
君は僕に恋なんてしないだろう。
一方的な想いは迷惑だろう
今年は最高のクリスマスを迎えられそうだった。
生まれた歳=恋人がいない歴の更新がストップされたのだ。
産まれて初めてできた恋人を大切にしたい。
あわよくば手すら繋げない現状を打破したい。
気の早い話だが、クリスマスプレゼントは何がいいのか、雑貨屋を周る日々だ。
満ちた気分だった。
蝉時雨とも、灼くような光とも、流れる汗とも無縁の部屋だった。
幼馴染みはソファの上で寝息をたてていた。
母親から持たされた西瓜が重かった。
極力、足音を立てずに幼馴染みに近寄る。
幸せな夢を見ているのか、頬が緩んでいた。
仕方なく、指を指先でつつく。
幼馴染みが起きる気配はなかった
隣の席の彼女はずっと窓の外を見ていた。
そんな彼女の視線の先が気になった。
きっと好きな人を見ているのだろう。
僕の想いは封じこめて僕は黒板を見る。
学生の本分は勉強だ。
そう言い聞かせて僕はノートの片隅に彼女の横顔を描いていた。
彼女が照れ屋だと知ることはずっと先だった
-
こんな僕でも愛してくれてありがとう。
僕と君の「愛」のカタチは違ったけれども、それでも嬉しかった。
君が見ている世界で、息を吸って吐いていることが、たまらなく嬉しかった。
いつかやってくる別れの日も笑顔で迎えられる。
全てにサヨナラする日に君がいてくれる。
そんな幸福があるのが。
夕闇に紛れて招待状が届いた。
このところ平穏無事な生活を送っていたので、緊張した。
中途半端に伸びた髪をヘアゴムで結ぶ。
神剣・神楽を片手に部屋に出る。
神剣・神楽は微かに律動している。
部屋を出ると、すでに支度済みの少女が立っていた。
無言で頷き合う。
張られた結界の中で妖刀を抜く
「ずっと前から言いたいことがあったんだ」少年は切り出した。
少女は不思議そうに少年を見る。
「君の「大丈夫」が、大嫌い。ちっとも大丈夫じゃない」少年が言う。
「他になんて言えばいいの?」少女は微苦笑を浮かべた。
「一人で抱え込まないでよ。二人でいる意味がなくなる」と少年は呟いた
-
君の幸福を願っている。
ちょっと切ない幸せではなく、全き真円のような幸福を。
それが僕にできる最大限のこと。
僕では君を幸福にはできないから。
僕の知らない誰かと世界中が羨むぐらいの幸福を手に入れてほしい。
かけがえのない君だから僕は微笑んでその背中を押すんだ。
幸福の方に向かって
-
「サヨナラ」と言ったら、君が振り返った。
大きく目を見開いた後、笑顔に浮かべた。
顔中のパーツをすべて使った満面の笑み。
「うん。また明日」弾んだ声が言う。
甘い香りが髪からした。
シャンプーの匂いだろうか。
鼓動が早くなるのが分かった。
体中が君に向かって『好き』と言っている。
坂道の先に学校はある。
入学したての頃は、長い坂道に辟易したものだ。
慣れとは恐ろしいもので、そんな坂道も苦ではなくなった。
むしろ坂道の間にすれ違うクラスメイトと挨拶するような余裕が生まれた。
スマホを片手に坂道を歩く。
そろそろマナーモードにしておかないと、先生に没収される。
さっきからスマホをいじってばかり。
久しぶりのデートなのに。
いったい誰とLineしているの?
私よりも大切な相手?
空気が悪くなるから言わないけれど、置いてきぼりにされたようで寂しい。
ほんの少しの、嫉妬は恋のスパイスになると聞くけれど、そんなことがなくても私はあなたに夢中なの。
-
あなたが微笑んでくれるから世界が美しく見える。
あと何回あなたの微笑みを見れるのだろうか。
そんなことを考えてしまう。
残された時間はあまりに短く一緒にいられる時間は少ない。
あなたが私の前から消える日が来ることに怯えている。
また世界は灰色に染まるのだろうか。
そんなことを考える
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