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「 140文字の物語 」
放課後の誰もいない教室でキスをした。
初めてのキスはほんの一瞬、ふれただけのものだった。
それなのに柔らかな感触と肌がふれあったという事実に、心臓がドキドキした。
目を開けると、間近に顔があった。
それが余計に鼓動を早くする。
恋人同士のキスはこんなに心躍るものだと知った。
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離れがたかった。
それでも違う道を歩いていくと決めた。
僕は優しく、君の指先を両手で包む。
何度もつないだ手を離すのは、身を引き裂かれるように辛かった。
それなのに君は微笑んだ。
何もかもを知った表情だった。
だから、僕も微笑むことができた。
再会の予定すらなかったけれども、笑えた。
「恋人になりたいだけなんですけど、どうしたらなれますか?」と唐突に問いかけられた。
「君は誰?」僕は尋ね返した。
初対面のはずの人物だ。
いくら人の顔を覚えるのが苦手でも、それぐらいは分かる。
「初めまして。電車の中では毎日、顔を合わせていますが。それで恋人にしてくれますか?」
自由を手に入れたのに、なんだか少し寂しい。
君と会うことはもうないけれど、それが感傷的にさせているのだろうか。
君と過ごした日々は、無駄ではなかった。
そう思いたかったのかもしれない。
あれだけ束縛されて窮屈さを感じていたのに。
それが懐かしく思うんだ。
やっと欲しかった物なのに。
この気持ちは君にどこまで届いている?
確認しなきゃ不安になる。
僕が君を好きで、君も僕が好き。
それを何度も確かめ合ったけど、怖くなる。
僕が一方的に君を好きなのかもしれないと。
僕の気持ちが重すぎて、いつか君を押しつぶしてしまうかもしれない。
君は一生一度の人だと分かったから。
オムレツはふわふわの卵に覆われていて美味しかった。
自分で作るとぼそぼそとした食感のものが出来上がる。
同じ材料を作っているのに、この差は何なんだろう。
青年は少女の作ったオムレツを食べながら思う。
神剣・神楽を押しつけられた時は想像もしてみなかった。
少女との日常を守ると誓う。
海は生命の根源だ。
寄せては返す波にはしゃぐ少女をしり目に、青年は落ちていた枝を拾う。
青年は浜辺に線を引く。
少女とは違う世界に属しているように。
まるで境界線だった。生命は終焉を迎えると、灰になり、煙になり、雲になり、雨になり海に還る。
それが青年には恐ろしいのかもしれない。
-
君と過ごす春夏秋冬は特別なものでした。
かけがえのない、とはこういう時に使うのでしょうか。
共にあれた時間は幸福の詰め合わせボックスをもらっていたようでした。
どんな記憶も君がいました。
それはとてつもないほどの幸運だということを今になって知りました。
宝物として取っておきます。
出会いは別れの始まりと言う。
いつかは終わりが来るのだろうと覚悟していた。
一日一日を大切にしてきた。
笑顔でお別れが言えるように準備していた。
いつまでも一緒にいられるわけじゃないと知っていた。
それでもこんな終わり方なんて、望んでない。
もっと希望に満ちたサヨナラを願っていた。
今時、門限がある家はどれぐらいあるのだろう。
寄り道せずに帰る子供はどれぐらいいるのだろう。
課題にチェックを入れられる家庭はどれぐらいあるのだろう。
携帯電話の履歴を確認される子供はどれぐらいいるのだろう。
私の両親はめんぐくさいひとたち。
一つ一つをチェックする。
自由が欲しい
もっと素直になってよ。
君が僕のことを好きなのは、とっくのとうに知っているんだ。
僕の告白に頷いてよ。
そうしたら、僕ら最強の両思いだ。
何もかも捨てて、誰も知らない街で暮らそうよ。
身分や肌の色なんて関係ないよ。
二人の想いが通じ合っているだけで充分だ。
後悔する暇なんて与えないよ
よくある政略結婚だった。
見目麗しい乙女は同じぐらいの階級の青年と婚約した。
青年は乙女に気に入られるように、花束を持ってご機嫌伺いに行った。
乙女は花を一輪、花束から抜くと花びらをむしった。
無惨にも美しい花は絨毯に散った。
明確に乙女はこの婚姻を拒絶する。
意思の証明だった。
僕と君は幼馴染み。
幼稚園の頃から一緒のお隣さん。
何をするのも一緒でどこへ行くのも一緒だった。
「好きな人ができたの」君はこっそりと打ちあけてくれた。
だから、僕も「協力するよ」と言った。
「本当?ありがとう」君の笑顔が眩しかった。
君が好きで、嘘をついた。
本当は邪魔をしたいのに
梅雨前の公園は活気づいていた。
楽し気な家族連れの中、輪から外れてベンチに座る少女に目が行った。
するとが満面の笑みを浮かべながら、腕を折れんばかり握られた。
「今は誰とデートしているのかな?」
「ごめん。そういうつもりはなかった」
久しぶりのデートだ。
彼女の機嫌を損ねたくない。
いつも可愛い可愛いと褒めてくれるけど、可愛い以上の言葉ってないの?
いつまでもお子様ランチ扱い。
もう結婚できる年齢なのよ。
妹のようなものって、不自然な関係になってきているの。
それを貴方は気がついている?
他にも好きだって言ってくれる人がいるのよ。
貴方だけの妹じゃないのよ
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