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「 140文字の物語 」
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深海の世界が載っている図鑑をパラパラとめくっていた。見たことのない世界に思いをはせる。
そしている内に心を重ねる。人魚姫になったように、深海の世界を自由に泳いでいるようだった。
人の身では決してできないことなのに。それでも憧れたし、羨ましいと思った。溜息が零れる。
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「もう、私のこと嫌いになっちゃった?」と彼氏に問いかけた。返事は返ってこなかった。
まるで静寂に落ちた時間が答えのような気がした。彼氏は無言だった。
言い訳をするでもなく、弁解をするでもなく。沈黙を保った。それが私には悔しかった。
まるで無視されたようで、嫌だった。
iotuは、少しだけ震える声で最後の嘘をつきました。
それは現実逃避のための嘘でした。
「君が居なくても何も変わらないさ」、と。
決めたはずの覚悟が、揺れそうだな。

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俺は、少しだけ震える声で最後の噓をついた。それは現実逃避のための噓だった。
「君が居なくても何も変わらないさ」と俺は言った。「ちゃんと、ご飯を食べてくださいね」と君は言う。
「もう、そんな子どもじゃない」断言すると君の顔が緩んだ。決めたはずの覚悟が、揺れそうだな。
拾ってください、と言わんばかりに道に落ちていた。
ハート形の葉は、まるで乙女のように赤く染まっていた。男は一つ摘み上げた。
枯れた香りの葉は終わりを伝えるようだった。赤いのが忌々しい。面倒なことになったな。
そう思いながら、男は一つ一つハート型の葉を拾い集めていく。
iotuは、祈るような気持ちで最後の嘘をつきました。
それは傷をいやすための嘘でした。
「君にもらったものは全部返す」、と。
嘘だと言えたら、どんなに。

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僕は、祈るような気持ちで最後の噓をついた。それは傷をいやすための嘘だった。
心はちぎれて、満身創痍だった。「君にもらったものは全部返す」と僕は告げた。
どんな想い出も宝物のようで心のアルバムにしまってある。
泣き出しそうな君に嘘だと言えたら、どんなに楽になるだろう。
少年は少女の気を引きたくて、いたずらをする。そんな少年に少女は泣きながら帰ってきた。
保護者は怒り顔で、少年の指先を握り締める。
「痛いでしょう?この子はもっと痛かったんだよ。分かる?」保護者は言った。
「もう二度と関わらないでくれる?」と強気な保護者の言葉に泣く。
「この花が枯れたとき、お別れだね」と少女は言った。花壇に水をやりながら寂しそうに笑った。
少年は言葉が出なかった。少女との別れは辛いものだった。
けれども必ずやってくる別れを変えることができるほど大人ではなかった。少年は拳をぎゅっと握る。
少女を抱きしめるかわりに。
その生き物は新緑色の肌をしていた。肌の色が違うというだけで、人々から石を投げられた。
それでも新緑色の肌の生き物は祈る。悲鳴をあげながら神に祈った。
肌の色がみんなと同じようになるように、切に祈った。息絶えるまで、悲鳴をあげながら神に祈る。
石を投げた人々の安寧を。
壁にぶち当たった。それまでは平坦な道を歩いているだけだった。そこに突如現れた壁に、僕は途惑った。
見上げてみれば、僕の身長をゆうに超える壁だった。こんな壁を超えることができるのだろうか。
すべてを投げ出して、今まで歩いてきた道を戻ってもいいだろうか。絶望しかない。
iotuは、愛を囁くように優しく最後の嘘をつきました。
それは自分の幸せのための嘘でした。
「君が居なくても何も変わらないさ」、と。
だってもう、仕方がないだろう?

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僕は、愛を囁くように優しく最後の噓をついた。それは自分の幸せのための嘘だった。
「君が居なくても何も変わらないさ」と残酷な嘘をついた。君が居ても居なくても僕の心は変わらない。
それを君に気づかさせるわけにはいかない。だってもう、仕方がないだろう?それが運命だから。
「恒例の罰ゲーム」と少年が大きな箱を取り出した。「くじを引いてもらうよ」と楽し気に言う。
「何だって私がこんなことに付き合わなきゃいけないの?」と少女は言った。
「まあまあ」と少年は差し出す。『目を逸らしつつ、両手のひらを軽く握る』くじに書いてある。
「容易いわね」
昼寝をする君を鉛筆でデッサンする。この世で一番、美しいものだ。この世で一番、平和な姿だった。
机に突っ伏して眠る君は、どんな夢を見ているのだろうか。その夢の世界に入りたい。
そう思いながら鉛筆を動かす。君よ、美しい夢を見ているだろうか。僕は、それを願い続けている。
「ねぇねぇ、朝日が昇ってきたよ」と傍らのぬくもりが言う。正直、もう少し眠っていたかった。
「あと5分だけ寝かして」と言った。「何を言ってるか、分からないよ」と揺する。
仕方がないから、目をこすりながら半身を起こした。「おはよう」と君は笑った。僕はあくびをかみ殺す。
iotuは、夢を見るような気持ちで最後の嘘をつきました。
それは相手を楽にするための嘘でした。
「いなくなったりなんてしないよ」、と。
こんなことしか言えないなんて。

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僕は、夢を見るような気持ちで最後の噓をついた。一睡の儚い嘘だった。
それは相手を楽にするための嘘だった。
「僕はいなくなったりしないよ」と、そうだったらいいなと思いながら思い嘘をついた。
「約束よ」と君は真剣な表情を浮かべた。「約束だ」こんなことしか言えないなんて。
初めてのデート先が公園だったのは、健全なのだろう。
親子連れや老夫婦が日差しを浴びて、穏やかに過ごしていた。私はもっと刺激的なデートを期待していた。
公園デートなんて陳腐すぎる。ベンチに座って他愛のない話をする。
それが物足りなくてぎこちなく、手のひらに爪を立てる。
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