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「 140文字の物語 」
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学生時代から付き合っていた恋人と別れた。
あれほどの熱量で愛しあっていたのに。
別れるのはあっさりとしたものだった。
長すぎる春は終焉を迎えた。
愚痴を聞かせていた友達は「本当に泣きたいの?」と尋ねた。
目は乾いていた。
苦痛になるのはまだ先のことだろうか。
今は別れに怒りを感じる。
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毎日の「おはよう」と「おやすみ」のメール。
君は面倒に思っていることを知っている。
それでも何度もお願いをした。
君がこの世界にいて、僕の恋人だと安心したいんだ。
僕のことを少しでも好きなら続けてほしい。
それは切なる願いだ。
5分もみたない時間で僕は幸せになる。
我が儘だと解ってる
読書中なのだがなかなか本を読み進められない。
原因は分かっている。
暇をもて余している幼なじみ存在だ。
今日あったことを話しかけてくる。
曖昧に相槌を打つのも限界だ。
僕は立ち上がりミカンを持ってきた。
幼なじみの前に置く。
「好きなだけ食べていいよ」僕は兵糧作戦で幼なじみを黙らせる
こういうことはスマートに。
自然に。
それでも勇気が必要だ。
それを悟られないように、つばを飲みこむ。
僕はさりげなく、自分の手のひらをぎゅっと握る。
よし、大丈夫だ。
星空に夢中になっている君の顎をつかむ。
君の唇に自分の唇を重ねる。
ガンガンと心臓は高鳴っている。
君は目を瞬かせる。
束縛は日ごとに厳しくなっていく。
それを君は律義に守る。
君が好きで好きでたまらないのだ。
僕以外の人物と喋っているのをも嫌だった。
そこまで禁止にすると君が離れていってしまう気がするから言わないけれども。
僕を許す君がいけない。
独占欲の塊のようになってしまう。
これは愛じゃない。
目が覚めたら、起床予定時刻を30分過ぎていた。
完全な寝坊だ。
どうして起こしてくれなかったんだ、と恨んだところで気がつく。
君はもうここにはいないのだ。
毎日起こしてくれた君は、昨日この部屋を出ていった。
ネクタイの柄を選んでくれる君はいない。
これからは一人でやっていくんだ。
童話を読んでいると、自然と涙が零れる。
食べる物がなくなった兄妹が木の根を噛む描写が辛い。
それでも両親が見つけてくれると信じている。
その無垢さが心を苦しくする。
ハッピーエンドで終わるのだろうか。
読み手に問うような童話がこの本には多い。
兄妹は両親に会わないほうがいいのかも。
信号が青に変わった。
待っていた歩行者たちが横断歩道を渡り始める。
そこへ信号無視をした車がやってきた。
ほんの一瞬だった。
僕は君を引っ張った。
危機一髪だ。
君は車にぶつかることなく助かった。
君は泣き顔で、僕の両手に指を絡める。
「怖かった」通り過ぎていった車を見ながら君は言った
季節が大きく変わろうとしている。
この国は季節の移り替わるのに雨が降る。
一雨ごとに四季が巡っていく。
帰宅途中に雨が降り出した。
今日も星空は見えないみたいだ。
それがたまらなく寂しい。
君の元へ繋がる空が雨が降るのは、まるで涙みたいだと感じた。
音もなく降る様子がそっくりだった。
友達は黙々とスマホをいじっている。
いわゆるソシャゲーをしているのだ。
ご飯を食べ終わって食後の珈琲を飲んでいる最中でも指は忙しいそうに動いている。
「楽しい?」ふと疑問を持って尋ねると、画面を見せてくれた。
「シナリオが良いの!ついついハマちゃった」と友達は嬉々として言う。
階段を下りていくと台所は薄暗かった。
いつもなら少女が朝ごはんの準備をしている頃だ。
棚を開けてインスタント麺を取り出す。
沸騰した湯に麺を投入すると、キッチンタイマーのボタンを押す。
独りで暮らしていた時と同じ朝ごはんだ。
ドタバタを少女が駆けこむ。
「ありがとう」感謝を伝える。
平年並みの気温が寒いと思った。
例年よりも暑い日が続いたからだ。
衣替えをするのも遅くなった。
慌てて幼なじみと衣料店に飛びこんだ。
店内は空調が利いていて暑いぐらいだ。
それに騙されてはいけない。
暖かい流行の服を買わなければ。
「行くよ!」無理矢理、幼なじみの指先をぎゅっと握る。
僕がどんなに落ちこんでも、僕がどれだけ泣きたくなっても。
元気になれる君限定の魔法の言葉がある。
君だけにしか使えない。
君だから意味がある。
そんな言葉を囁いてほしいんだ。
恥ずかしがり屋な君が伝えてくれる「大好き」という言葉は魔法だ。
僕に立ちあがる勇気をくれる。
だから囁いて。
無事にただの友達からカップルに昇格した。
お互いに想いあっていたのは奇跡ともいえる。
それなのに君はそっけない。
友達だった頃を変わった個所があるのだろうか。
もっと恋人らしいことをしたいと願っても、ひらりとかわされる。
それじゃあ告白した意味がない。
忙しいで片づけないでほしい。
出逢った頃はまだ半袖で過ごせた。
季節は移ろいコートが似合うぐらい寒い季節になった。
それだけ二人の間に時間が流れた。
それなのに二人の関係は進歩していないような気がする。
君は僕からはぐれないようにぎこちなく、腕を握る。
「寒くない?」と訊いてコートの中にお招きしたいと思う。
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