忍者ブログ
「 140文字の物語 」
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

-
君の知らない君を知っているよ。
君は窓辺で外の景色を眺めている。
その横顔を僕はよく覚えている。
だって、君が好きだったから。
君の視線の先は僕ではないことは残念だったけど。
それでも、君の傍で君を見つめていられることは幸福なことだった。
季節が巡っても、僕の気持ちは変わらない。
PR
僕の告白に、頷いてくれるだけでいい。
そうしたら、僕らは最強に両思いになれる。
君が僕のことを好きなのは、ずっと前から知っている。
それも、ただの好きではなく特別だということも気がついている。
だから、僕の気持ちを受け止めてくれるだけでいい。
世界中を探しても君以上の存在はいない
祭りの終わりは寂しかった。
屋台巡りもしたし、花火も見た。
いつもとは違う浴衣姿の恋人にドキドキもした。
ぽつりぽつりと灯る街灯の中、二人は手を繋いで歩いていた。
もうすぐ家についてしまう。
どんなに『おやすみなさい』の挨拶を重ねても慣れることはできない。
もう少し一緒にいたかった
泣いてしまえるならいっそ、楽だっただろう。
悲しみは押し寄せてきている。
それなのに、目は乾いたままだ。
死の間際に「泣かないでください」と言われたせいだろうか。
言葉に縛られる。
『呪い』と言っても過言ではないだろう。
幸せそうな微笑みを浮かべたまま、死んでいった。
後を追いたい。
目の前にこんなに可愛い女の子がいるというのに。
貴方の視線はスマホの画面に注がれている。
二人で一緒にいる意味ないじゃない。
そんなにタイムラインが気になるのなら、独りの時に確認すればいいでしょ。
すると、私と一緒の時ぐらいしかツイッターができない、と言い訳をする。
つまらないな
彼は先代から長々と仕えてくれた忠臣だった。
竜が雲を突き破って昇天するように、彼の生命も喪われた。
屋台骨が一本折れたかのように、この国にとって痛手だった。
先代から位を譲り受けたばかりの青年は、和睦の書簡に判を押す。
墨で戦をやめることをしたためる。
これで仮初の平和が手に入る
「私、悪くないもん」と断言した。
「俺だって悪くない」とそっぽを向いたまま彼が言う。
共通の友達がしびれを切らした。
「喧嘩両成敗」無理矢理、私たちの指先を触れ合わせる。
「どっちも悪かった。ほらゴメンナサイは?」友達は言った。
同じタイミングで二人は謝った。
それが滑稽だった。
可愛い阿子。
母の願いを忘れないでほしい。
貴方の全てが愛おしいの。
私の元へとやってきてくれた。
その時から愛しているわ。
人生は平坦な道ではないから時に迷うことがあるでしょう。
そんな時でも、傍にいて支えてあげたい。
この世の苦しみから遠ざけてしまいたい。
幸せな笑顔を浮かべていて
古今東西、人は恋に落ちる。
喜びを運んででくる恋。
苦しみを引きずる恋。
幸せにしてくれる恋。
悲しみを連れてくる恋。
それこそ、星の数ほどある物語。
僕と君の出会いも、その中ではありふれたものだろう。
それなのに大切な宝物のように感じるんだ。
繋いだ手を離したくないと強く思うぐらい。
夜風に当たりながら星空の美しさを堪能していた。
この時期は空気が澄んでいて、星が落ちてくるように綺麗だった。
どう言葉で表現すればいいのか分からずに悩む。
平凡な賛辞しか出てこない。
素直に『美しい』といえばいいのだろうか。
輝く星をダイヤモンドに譬えた歌は素晴らしいと思った。
春は出会いと別れの季節。
あと何年一緒にいられるのだろうか。
淡い色の桜を見ながら、少しだけ感傷的になった。
桜が散る頃に出会った二人だから、桜を見ると切なくなった。
そんな話をしようとしたら、隣は大欠伸。
思わず怒り顔で、腕に爪を立てる。
「ゴメン」と謝られたので「こちらこそ」
穏やかな表情で眠りについた愛猫を撫で続ける。
家に迎えた時から分かっていたことだった。
猫の寿命は人間よりも短い。
あっという間に駆け抜けてしまった生命を未練がましく触れ続ける。
もう喉を鳴らして喜んでくれることはないと知っていても。
「きっと幸せだったんでしょう」と母が言う。
暖房のきいた部屋で氷菓を食べる。
なんて贅沢なんだろう。
暑い夏に食べる氷菓とはまた別の味だった。
食べ終わるのがもったいない、と思ってしまう。
こんな贅沢をして良いのだろうか。
匙ですくって氷菓を口に入れる。
舌の上で溶けていく感触が気持ちがいい。
お代わりしたくなるが、明日の分だ
毎朝読んでいる新聞に変化があるような気がした。
話題にしてはいけない記事を避けているような感じがした。
まるで世界は平和のように取り繕っているようだった。
印刷された新聞を睨む。
取り合上げるべき記事は他にもあるような気がした。
仮初の平和の中にいる違和感に最後まで読む気が失せた
些細なことで口論になってしまった。
我慢比べは君の勝ち。
無言でいるのに辛くて僕は「ゴメン」と謝った。
すると、気まずそうに「ごめんなさい」と君は言った。
それから嬉しそうに、君は指先で僕の指先をつつく。
心がくすぐったくなって、僕は君の指先を握り締める。
仲直りができて良かった。
PREV ← HOME → NEXT
忍者ブログ [PR]
 △ページの先頭へ
Templated by TABLE ENOCH