謎解きは得意だった。
どんなロジックも看破できた。
そんな俺を見て幼馴染はスマホにロックをかけた。
覗かれないように、気にしてのことだろう。
どんなパスワードも俺の前では児戯に等しい。
置き去りになっていたスマホを手に取る。
俺の誕生日を入力してみた。
音楽が鳴り開錠された。
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流れた音楽はエルガーの『愛の挨拶』のオルゴール。
俺は赤面してしまった。
こんなにも分かりやすい愛情表現はあるのだろうか。
スマホのロックを開錠したことを後悔した。
このことが幼馴染にバレてたら、どんな顔をするのだろう。
「お待たせ」と幼馴染は化粧室から戻ってきた。
そして赤面した。
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