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「 140文字の物語 」
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あなたという鎖に繋ぎ止められた私。
自分から望んで囚われた。
退屈晴らしに本をめくってみるけれども、少しもページが進まない。
今頃、あなたは恋人と仲良くしている、と思うと目が霞む。
あなたからの連絡を待って一日が過ぎていく。
目には映らない鎖にがんじがらめにされて身動きができない。
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二人だけで旅行に出た。
僕たちはどんな関係に見られているのだろう。
兄妹?友だち?恋人?
そのどれもが当てはまらない。
二人の関係に新しい一歩を踏み出すために、僕は目を逸らしつつ、君の指先を握り締める。
君は驚いたように僕を見つめた。
けれども、僕の手を振り払うことはしなかった。
「iotuは、目をそらしながら最後の嘘をつきました。
それは現状打破のための嘘でした。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」、と。
本音は仕舞い込んだまま。」

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僕は、君から目をそらしながら最後の嘘をついた。
それは現状打破のための嘘だった。
僕の心は堂々巡り。
それを解消するために嘘をついた。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」と情けないぐらいに小さく呟いた。
本当は寂しくてたまらないのに。
本音は仕舞い込んだまま、君のために笑顔を浮かべる。
君はスマホの液晶画面をまじまじと見ていた。
先日リリースされたばかりのソシャゲだ。
飽きっぽい君が課金までして遊んでいるのだ。
僕も興味が湧いてきた。
「それって面白い?」と僕が尋ねると「乙女ゲーだよ」と君が苦笑した。
そして液晶画面に視線を戻す。
君が面白いなら面白いに決まってる。
君が傍にいなくなってから孤独を感じるようになった。
君は今も流れ星を追いかけているのだろうか。
僕の心に引っかかる。
もう遠い約束だ。
君宛の手紙は積み重なって、零れ落ちるぐらいだ。
『君がいない』と言うだけで簡単に孤独になる僕の心。
君の代わりに、僕も流れ星を夜空に追いかけるよ。
「お留守番よろしくね」と母は働きに出かけた。
最後まで不安そうにしていた。
「大丈夫だよ」と僕は胸を張った。
それから一時間、弟が目覚めた。
母がいないことに気がついた弟はわんわん泣きだした。
それに僕は困った。
仕方なく、僕は弟の指先に触れる。
弟の好きな特撮のヒーローのように言う。
「iotuは、小さく笑って最後の嘘をつきました。
それはどうしようもない嘘でした。
「すぐに追いつくから、先に行ってて」、と。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。」

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僕は、小さく笑って最後の嘘をついた。
それはどうしようもない嘘だった。
「すぐに追いつくから、先に行ってて」と笑顔のまま言った。
そんなことができるはずないのに、最期の嘘になることが分かっていてついた。
君の背が小さくなっていく。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。
見えなくなるまでは。
幼少の頃は、光の速さで伝わるメールがすごい発明だと思った。
スマホを手にする頃には、思い出の一つになってしまったけれども。
怒らしてしまった恋人に送るメールの文面を考える。
さっきから少しも文字数は増えず、心が痛がる。
悪かったのは自分の方だと分かっているが謝ることができない。
「そろそろ帰るぞ」と俺は立ち上がろうとした。
けれどもバランスを崩した。
「あと一杯だけ」と泣き顔で、同僚が指先にしがみつく。
「そう言って、さっきから呑んでないじゃないか」と俺は言った。
「もう少し一緒にいてくれてもいいじゃないか」と酔っぱらいは駄々をこねる。
「あと一杯だけだ」
「iotuは、さりげなさを装って最後の嘘をつきました。
それは切望のような嘘でした。
「君の記憶から消し去ってくれていいよ」、と。
嘘だと言えたら、どんなに。」

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僕は、さりげなさを装って最後の嘘をついた。
それは切望のような嘘だった。
別れを見送りに来た自分にとっては、ふさわしいのかもしれない。
「君の記憶から消し去ってくれていいよ」と新しい生活に飛びこんでいく君に言った。
これが嘘だと言えたら、どんなにいいだろうか。
それでも生きていく。
感染症も治まってきたので、お礼参りに二人で神社に向かった。
無言でお願い事をする。
今年、受験生の二人にとっては重要なことだった。
「なんてお願い事をしたんだ?」気になって訊いてみた。
「ランクを落としても同じ大学に行けますように」と答えが返ってきた。
なんて物騒な願い事だろう。
少女はテレビを流しながら、作り置きの晩ご飯を食べていた。
食べるというよりも、咀嚼していると言った方が近いだろう。
母が忙しい中、栄養バランスを考えて作ってくれたものだ。
愛がこもっているのは忘れない。
けれども、一人で食べる晩ご飯は味気のないものだった。
テレビがノイズに感じた。
「iotuは、何もかも悟ったような顔で最後の嘘をつきました。
それは最初で最後の嘘でした。
「幸せなんて、どこにもないんだ」、と。
決めたはずの覚悟が、揺れそうだな。」

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僕は、何もかも悟ったような顔で最後の嘘をついた。
何も分かっていないのに、分かったふりをしていた。
それは最初で最後の嘘だった。
「幸せなんて、どこにもないんだ」と僕は期待をどぶに捨てるように言った。
「ここにあるよ」と君は微笑んで僕と手を繋ぐ。
決めたはずの覚悟が、揺れそうだな。
「僕は不幸体質だからね。好きになると危ないよ」と少年が言った。
同じ年頃の少女は首を傾げる。
少年は満面の笑みを浮かべながら、少女の腕を握りしめる。
抱き寄せるように引っ張った先に、スピード違反のトラックが通り過ぎていく。
少女の長い髪がそれにふれあう。
「ね、危険だろ?」と言う。
「iotuは、冷静であるよう心がけつつ最後の嘘をつきました。
それは現実逃避のための嘘でした。
「もう、迷わないよ」、と。
決めたはずの覚悟が、揺れそうだな。」

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僕は、冷静であるように心がけつつ最後の嘘をついた。
それは現実逃避のための噓だった。
今の状況はあまり芳しくない。
余裕なんてものはなかった。
それでも君の前では強くありたかった。
「もう、迷わないよ」と僕と告げた。
君の視線が痛かった。決めたはずの覚悟が、揺れそうだな。
僕は笑った。
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