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「 140文字の物語 」
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2025.09.16 Tue 17:06
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『「軽々しく、手のひらを指先でつつく」キーワードは「デート」』
人生初デートだから、勝手が良く分からない。
二人並んで歩いているけれども、手がふれそうでふれない距離にいる。
こういう時は、手ぐらい繋ぐものだよな、と思うけれども勇気が出ない。
すると君が軽々しく、僕の手のひらを指先でつつく。
まるで何かの合図のようだった。
僕はその指先を握った。
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2021.12.15 Wed 04:18
140文字の物語
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文中に『舌』を入れて【哀しい】をイメージした140文字作文を書いて下さい。
部屋の片隅でポロポロと泣いていたら、飼い猫が近寄ってきた。
私の手を一生懸命に舌で舐める。
それは慰めるような動作に思えて、小さな生き物が必死になっているように見えた。
本当は食事の時間になっても餌をくれない飼い主の様子を見に来ただけだと分かっていても。
とても哀しいと思えた。
2021.12.15 Wed 04:15
140文字の物語
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『瞳』と『髪』、登場人物が『脱力する』というお題でツイノベを書いてみて下さい。
君が長く伸ばしていた髪をバッサリと切った。
失恋でもしたのだろうか。
それとも心機一転をしたかったのだろうか。
君から答えを聞けずに、僕は瞳から視線を逸らした。
「好きになった人がショートカットの方が好きなんだって」と明るく君が言う。
その言葉に僕は脱力する。
考え過ぎだったらしい。
2021.12.15 Wed 04:14
140文字の物語
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最後の噓をつきました
「iotuは、どうしようもなく泣きたい気分で最後の嘘をつきました。
それは最初で最後の嘘でした。
「いなくなったりなんてしないよ」、と。
どうか嘘だと気づかないで。」
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僕は、どうしようもなく泣きたい気分で最後の嘘をついた。
それは最初で最後の嘘だった。
大切な人を亡くした君に声をかける。
「僕はいなくなったりなんてしないよ」と大嘘をついた。
近い将来、僕の生命も尽きる日が来るだろう。
どうかそれまでは嘘だと気づかないで。
涙を振りきって、僕は笑う。
2021.12.15 Wed 04:11
140文字の物語
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『世界は彼らを手放さない』
僕は一番大切なものをもって逃げ出した。
繋いだ手、よろけそうになる歩み、息切れする肩。
まるで悪夢を見るように、村が燃やされていく。
異端な彼らをあぶりだすように。
村へと戻ろうとする君の手を握りしめる。
世界は彼らを手放さない、ことを知っていたからだ。
捕まって、世界へと繋がれる。
2021.12.15 Wed 04:11
140文字の物語
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文中に『遠回り』を入れて【解って欲しい】をイメージした140文字作文を書いて下さい。
いつも遠回りをして君と帰っていた。
途中で別れる君は知らなかっただろう。
一秒でも長く、一瞬でも長く、誰かと一緒にいたかった。
家に帰っても独りぼっちだったから、それぐらいなら遠回りをしたかった。
その気持ちを君にも解って欲しい、と思っていた。
同情でも良かった、傾けてくれるなら。
2021.12.15 Wed 04:10
140文字の物語
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『空色』と『邂逅』、登場人物が『問いかける』というお題でツイノベを書いてみて下さい。
この邂逅は運命が用意したものだったのか、天に向かって問いかける。
馬を並べて遠乗りに出かけた友だった。
イチジクの実を分けて食べあった友だった。
なのに、剣を抜き、お互いの首にあてるような関係になってしまった。
それはまるで太陽が沈みゆく空色のようだった。
答えは返ってこない。
2021.12.15 Wed 04:09
140文字の物語
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『「堂々と、両手のひらを握り締める」キーワードは「酔っぱらい」』
いつもよりもピッチが速く呑んでいく君が心配だった。
まるで中毒になったように酒を吞んでいく。
1時間後には立派な酔っぱらいができていた。
時計を見ると、終電が近かった。
「そろそろ帰らないか?」と俺が言うと君は堂々と、俺の両手のひらを握り締める。
「最後まで付き合えよ」と君は言う。
2021.12.15 Wed 04:09
140文字の物語
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文中に『居眠り』を入れて【気持ちいい】をイメージした140文字作文を書いて下さい。
昼休みを挟んだ古典の授業は、どうしてこんなに眠くなるのだろう。
窓際の席だということもあるのかもしれない。
こっくりこっくりと船をこいでしまう。
クラスの半分は居眠りをしているだろう。
先生の朗読の声が耳に気持ちいい。
テストになれば後悔をするのを分かっていながら微睡みに身を任す。
2021.12.15 Wed 04:05
140文字の物語
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『ひとひら』と『英語』、登場人物が『抵抗する』というお題でツイノベを書いてみて下さい。
ひとひらの風が流れていった。
目には見えないけれども、確かに通り過ぎていった。
「綺麗だね」と私は目の青い友人に声をかけた。
「英語で」と友人は流暢な日本語で言った。
「日本語だからこそいいんだよ」と私は抵抗する。
「英語も喋れるようになれば、世界が広がるよ」友人はにっこりと笑う。
2021.12.15 Wed 04:05
140文字の物語
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最後の噓をつきました
「iotuは、無理に笑顔を作って最後の嘘をつきました。
それはどうしようもない嘘でした。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」、と。
いっそ笑い飛ばしておくれよ。」
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僕は、無理に笑顔を作って最後の嘘をついた。
それはどうしようもない嘘だった。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」と言った。
毎日をきちんと過ごしていれば、くだらないことなんて一つもないことは分かっている。
それでも言わずにはいられなかった。
君よ、いっそ笑い飛ばしておくれよ。
2021.11.29 Mon 18:40
140文字の物語
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『今日も星空は見えないみたいだ』
天体観測が似合う季節になったのに、曇り続きだった。
僕は君にLINEを送る。
『今日も星空は見えないみたいだ』とスタンプと共に送る。
すぐさま泣き顔のスタンプが返ってきた。
寒い外にい続ければ風邪をひく。
僕はあたたかい家に戻った。
いつになったら星空は見えるのだろうか。
コートを脱いだ。
2021.11.29 Mon 18:40
140文字の物語
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文中に『水面』を入れて【感謝】をイメージした140文字作文を書いて下さい。
巫女姫は神に感謝しながら、水鏡を覗く。
真っ平らな水面には未来が映る。
国王から、次の戦の勝敗を観て欲しいと頼まれたのだ。
国運を賭けた戦いになりそうだった。
負けるわけにはいかない。
それぐらい巫女姫にも分かった。
三倍の兵力をもって敵は攻めてくる。
それでも地の利はこちらにあった。
2021.11.29 Mon 18:39
140文字の物語
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『枝』と『夜風』、登場人物が『滲ませる』というお題でツイノベを書いてみて下さい。
君と出会ったのは、夜風が枝をきしませるような夜だった。
冷たい風に吹かれた君は「眠れないの?」と尋ねてきた。
それはこちらの台詞だった。
だから問い返したら、君は仄かに笑顔を滲ませる。
「月が見たかったの」と内緒話をするように、声を潜めて言った。
夜空を仰ぐと欠けた月が存在した。
2021.11.29 Mon 18:38
140文字の物語
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『「軽々しく、手のひらを指先でつつく」キーワードは「困った」』
授業中だというのに、君は軽々しく、僕の手のひらを指先でつつく。
いくら退屈な授業とはいえ、先生にバレたらどうなることやら。
僕は困った事態になったと、ためいきを噛み殺す。
隣の机に座っている君を見ると、悪戯な光を宿した視線と出会う。
僕が困惑するのを完璧に楽しんでいるのが分かる。
2021.11.29 Mon 18:38
140文字の物語
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