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「 140文字の物語 」
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挨拶の途中だというのに「この話は無意味だ」と切って捨てられた。
中途半端に頭を下げた私は、どうすればいいのだろうか。
いつもは履かないハイヒールのせいで足が痛む。
そこまで我慢を重ねたというのに、無意味だと言われた。
泣きだしそうだ。
すると、不意に体が浮いた。抱きあげられたのだ。
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目には見えないけれども、君と僕との境界線は引かれている。
君の手を繋ぎたい。君を抱きしめたい。そう願っていても、二人の間にある境界線が許してくれない。
この境界線は、どこまで続いているのだろうか。
地平の果てまであるのならば、僕は境界線を乗り越えて、君の隣に行く。
そう決意した。
君から首筋を撫でられると気持ちいい。
いつもは撫でてくれないのに、寂しいことがあったり、悲しいことがあったりすると撫でる。
都合の良い扱いだとは思ったけれども、君の哀しい顔を見るとつい喉を鳴らしてしまう。
いつまでも、笑っていてほしいと思うのだけれども。
今日の君は泣いていた。
夜空に瞬く星になりたかった。ハイヒールを履いて、輝く星に対抗しても、心が痛むばかりだ。
現実を見据えていなければならない。人は瞬く星になれないのだから。
どれだけ手を伸ばしても、一瞬の光には届かない。
自分には似合わないハイヒールを履いて背伸びをしても、現実は痛々しいぐらい鏡。
君の小言に厭きて、欠伸を噛み殺す朝。君から目をそらしつつ、自分の指先を折れんばかりに握る。
そうでもしていなければ、眠りの世界に逆戻りしそうだったからだ。
君の小言は、いつまで続くのだろうか。誰にも言えない愚痴の一部なんだから、困ったものだ。
そろそろ指先が痛くなってきたよ。
商店街のくじ引きの一等賞は一泊二日の旅行だった。一緒に行ってくれるような人もいない。
そんな風に困っていた時、幼馴染の君が笑った。
そう言えば一緒に、どこかへ行ったことがなかったな、と思い出す。
荷物を詰めて旅行へと出発した。
君は軽々しく、私の腕に触れる。恋人同士でもないのに。
「iotuは、夢を見るような気持ちで最後の嘘をつきました。
それは自分が楽になるための嘘でした。
「いなくなったりなんてしないよ」、と。
決めたはずの覚悟が、揺れそうだな。」

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僕は、夢を見るような気持ちで最後の嘘をついた。これが最後の嘘だと、実感がわかなかった。
それは自分が楽になるための嘘だった。君の手を取り「いなくなったりしないよ」とささやいた。
「本当に?」嬉しそうに君が言った。
決めたはずの覚悟が、揺れそうだな。
僕は君の涙を見るのだろうか。
子どもは大きなシャボン玉を作るのに夢中だった。
吐く息が強すぎるのだろう。シャボン玉はすぐに弾ける。空まで飛んでいくことはなかった。
懐かしくなって私は「シャボン玉」の歌を口ずさむ。大きな目がこちらを見つめていた。
「貸してごらん」と私は言う。そっと液を吹くと大きなシャボン玉。
髪にできた枝毛をハサミで切っていた。枝毛がさらに枝毛になっている毛もあった。
それをちょきんちょきんと切っていく。
ふいに音がしない秒針を見た。時間を盗むのもいいところだった。
これからは時間つぶしをする時は、枝毛切りをしようと思った。
私はハサミをしまって、電気を静かに消した。
出会いからして遠慮のない人だった。満面の笑みを浮かべながら、僕の指を折れんばかりに握る。
握手にしても、強すぎる握り方だった。
かといって、出会ったばかりの人に、力が強すぎると言えるほど、僕は図々しくはなかった。
握られた痛みに、作り笑いを浮かべて、堪えた。そんな出会いだった。
「iotuは、情けなく笑って最後の嘘をつきました。
それは切望のような嘘でした。
「すべて夢でも構わない」、と。
・・・どうしようもないな。」

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僕は、情けなく笑って最後の嘘をついた。それは切望のような嘘だった。
「すべて夢でも構わない」と君に向けて告げた。本当に情けがない。
君と過ごす現実の一つ一つが大切なのに、こんなことしか言えないなんて。
本当に・・・どうしようもないな。僕の情けない笑顔は崩れて、泣き顔になった。
僕は君の「大丈夫」が、大嫌いだ。いつでも無理をして、君は「大丈夫」と微笑んだ。
ちっとも「大丈夫」じゃないことは、鈍い僕にも分かっていた。
もっと頼ってほしかった。「辛いんだ」と打ち分けてほしかった。
君が無理をして大嫌いな「大丈夫」と言わせてしまうぐらい、僕には力がなかった。
今日で最後のお弁当が静かにテーブルの上に載っていた。今日、僕は卒業する。
もうこのお弁当は食べられないのだ、と思ったら哀しくなってきた。
何気ない日常に感謝する。毎朝、お弁当を用意するのは大変だっただろう。
それでも母は文句ひとつ言わなかった。
最後のお弁当を持って僕は家を出た。
ふいに君は遠くを見る。何を見ているのだろうか、と僕は目を瞬かせる。
君の口唇が「虹が出ている」と言った。「え、どこに?」と僕がキョロキョロとすると、君は指をさす。
確かにそこには虹の橋が架かっていた。幸運を呼びこむそれは儚かった。
君には遠い虹よりも、近くの僕を見てほしかった。
子供時代には分からなかった。君が「嫌だからやめて」と言った理由も分からなかった。
僕は無理矢理、君の指に指を絡める。まるでドラマの恋人同士がするように指を絡めた。
それが君には嫌だったなんて、知らなかった。
大人になって、優しく指と指を絡める。君は「嫌だ」なんて言わなかった。
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