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「 140文字の物語 」
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最近『眠い』が口癖の彼。
仕事が追い込みで忙しいのは理解しているつもり。
負担にならないようにメールの回数を減らした。
勿論、デートなんて夢のまた夢だ。
休日はぐっすり眠りたいだろうから、我儘は言わない。
その分、友達と遊んでいるけれど。
胸の奥の柔らかな部分がチクリ痛む。
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中途半端に伸びた髪をヘアゴムで結ぶ。
ゴミ袋を持って、収集場所に置いてくる。
独りだった時は馴染みのないゴミが袋いっぱい詰まっている。
それが当たり前になっている自分に嘲る。
また独りになる時が来るのだろう。
その時、自分は耐えられるのだろうか。
少女が特別になりつつある。
学校の屋上は天文学部の貸切だった。
下校の時間は過ぎている。
顧問の先生がいるから許可が下りた。
望遠鏡で流星群を観察する。
長袖のジャケットをまくり上げて、望遠鏡を覗く。
毎年のことだが観察には悪天候過ぎた。
去年もそうだったようなと思い出す。
今年はいくつ見られるだろう。
魔術を使い、箒にまたがって空を行く。
今日はお花見だ。
恋人と二人きりの格別な夜だった。
地上から見るのとはまた違った趣がある。
咲き乱れる花たちに触れそうで触れない距離を保つ。
恋人が速度を落として近寄ってきた。
それに合わせるように速度を落とす。
「二人きりだね」と囁く。
面倒事は嫌いだったはずだ。
独りで生きてきた。
これからも誰とも係わらずに生きていくものだと思った。
それが少女が現れてからどうだ。
面倒事に率先して巻き込まれている。
中途半端に伸びた髪をヘアゴムで結ぶ。
それから神剣・神楽を手にする。
明日を守るために今日も戦いに赴く。
雑木林を仰ぎながら歩いていた。
魔法の杖にするための枝を探していた。
適当に拾った枝で造った物は、暴走して使い物にならなかった。
前回の教訓から真摯に枝ぶりを見る。
痛手を受けるのは一回で充分だ。
クラス中に笑われて恥ずかしい体験は二度と繰り返したくはない。
真剣に木を仰ぐ
夕暮れの街を散策していた。
初めて来た土地なのに、どこか懐かしい感じがした。
流れのまま歩いていたら袋小路に出会ってしまった。
とりあえず引き返そうと振り向くと小さな人影があった。
「待って。私を連れ出して」と人影の顔は逆光で見えない。
にたりと笑ったような気がする。
誰でも小指の先に赤い糸が結ばれているらしい。
糸は誰かの小指まで続いているらしい。
みんなの目には写らないけれども、確かにそれは存在している。
運命の相手だ。
切っても切れない糸をぐるぐる巻きにして、辿っていけば永遠の愛を誓う相手に出会える。
どんな人だろう。
会いたくなる
天気予報が外れた。
にわか雨の中、駅まで無我夢中で走った。
コンビニで傘を買うお金は持ち合わせていない。
鞄を頭に乗せてひたすら走った。
幸い小粒の雨だったからそれほど濡れずに駅前まで辿り着いた。
雲が切れ、太陽が復活したのを感じて振り返る。
美しい虹が架かっていた。
岩を削って造られた牢獄は空気が淀んでいた。
男は慎重に足を運ぶ。
心拍数が上がっていく。
ようやく牢獄に到達する。
蝋人形のような肌をした娘が閉じ込められていた。
こちらを見ると娘はにたりと笑んだ。
その途端、空気がどよめいた。
錠前を外す。
娘は「忘れないで」と出る様子はない
神剣・神楽を鞘に納める。
途端に疲労感が襲ってくる。
柄を掴み、よろけそうな体を立て直す。
痛みが多すぎてどれが原因か分からない。
それでも青年は笑顔を作る。
少女が走り寄ってくる。
胸元に飛びこんでくる。
「大丈夫ですか?」涙まじりに少女が問う。
「大丈夫だ」青年は言い切った
暑い日だった。
涼を求めて木陰に身を寄せると先客がいた。
「あまり近づかない方がいい」先客である青年は伝える。
少女がなお不思議そうな顔をしていると、青年は手首を見せた。
ジャリと鎖が鳴る。
手枷が嵌められているのだ。
誰がこんな酷いことをしたのだろうか。
「自業自得さ」
この千年は永遠とも思える時間だった。
今日でそれが終わる。
愛しい娘の元に行ける。
千年の時は無常だった。
それは天界においても同じこと。
急ぎ足で娘の元に向かった。
今度こそ手放さないと心の中で誓う。
娘はこちらを見ると怯えたように「こないで」と言う。
それが千年の結末だ。
噂は尾ひれがつくものだ。
本当のことを教えてはくれない。
解っていてもついつい噂話に耳を傾けてしまう。
本当は知りたくないのに。
憧れの先輩にまた新しい彼女ができたらしい。
何日持つか賭け話になっている。
先輩が素敵だから、女子が放って置かないのも知っている。
私は耳を塞いだ
トタン屋根を弾く音が止んだ。
雨が上がった。
私はカメラを持って家の外に出る。
ちょうど良く太陽が出て、条件は揃っていた。
大きな虹が架かっていた。
ファインダー越しにそれを見る。
虹の橋が消える前にシャッターを何回も切る。
後でサイトに投稿しようと思った。
裸眼で改めて見る。
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