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「 140文字の物語 」
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現在、葉桜になった樹を見上げる。
今年は立て込んでいて花見に行けなかった。
それを少女は責めたりしなかった。
だからこそ、余計に青年は気に病んだ。
桜を見るなら、来年まで我慢しなければならない。
桜が咲く頃、再び共にいられるのだろうか。
それが気になって眩しい新緑を見上げる
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部室のドアに鍵を差し込み回す。
ガチャリと音を立てて、鍵がかかった。
不審に思いながら、もう一度ドアノブを回す。
鍵がかかってないということは先客がいるということだ。
誰だろうと思いながら、部室に入る。
同級生が机に突っ伏して居眠りをしていた。
無防備な姿に驚きながら近づく
デートの終わり。
家の門の前で「忘れ物」と彼が言った。
何のことだろうと思っていると唇を掠め取られた。
不意打ちのキスに、思わず赤面した。
「おやすみ」と彼は平然とした顔で言った。
「おやすみなさい」とどうにか返す。
指先で唇をなぞる。
夜風に当たりながら、その余韻を楽しむ。
遠ざかる少年に少女は精一杯、手を振った。
涙で顔はぐちゃぐちゃになっているだろう。
それでもホームの端で見送った。
やがて電車の姿は見えなくなり、ホームに人がまばらになる。
残されたロケットペンダントに指を滑らせる。
別れたばかりの少年が微笑んでいた。
少女はまた泣き出した
メールの着信音で目が覚めた。
「おはよう」という短い文章と共に、青空の写真が添付されていた。
眠い目をこすりながらベッドから降りる。
カーテンを開けば、眩しいぐらいの朝日が飛び込んでくる。
真白な光を浴びながらメールに返信する。
こうした短いやり取りが嬉しい。
気分も晴れる
テレビを見ている大きな背中に抱きついた。
耳を澄ませば、とくんとくんと自分とは違う鼓動が聞こえてくる。
「ねえ、遊んで」とせがんでみたけれども、広い背中は無視をする。
どうでもいいことを流しているテレビのほうが重要みたい。
ちょっぴりヤキモチを焼く。
こんなにも好きなのに
それは周波のようにやってくる。
自分の力ではどうにもできない。
嵐が通り過ぎていくのをじっと待っているしかない。
時間が解決してくれる。
経験から分かっている。
だから、動揺しながらも耐えられる。
早く安心したいと願いながら、布団の中で縮こまったいる。
目をぎゅっとつむる。
鏡に問いかける。
「世界で一番キレイなのは誰?」魔法の鏡ではないから言葉は返ってこない。
その代わり化粧をした私が微笑んでいる。
誰よりもキレイだと言われるように、今日も紅をひく。
暗示をかけるように誓いを立てる。
今日も一日笑顔が素敵だと言われますように。
そっと心の中で
今日も残業だった。
終電間際の電車に揺られながら、帰ってきた。
肉体的も精神的にもギリギリだ。
煌々と輝くコンビニに吸い寄せられるように入店した。
24時間年中無休で開いていてくれるのは助かる。
遅すぎる晩ご飯を買うために店内を巡る。
自分へのご褒美だとプリンを籠に入れる。
夜更かししても怒られない。
好きな物だけ食べても怒られない。
自由を手に入れた。
けれども、ぽっかりと穴が空いたような気がする。
電気のついていない部屋に帰る。
コンビニで買った弁当を広げながら、TVをつける。
今日も暗いニュースが流れている。
夢に描いた一人暮らしだったのに
夜風に当たりながら散歩をしていた。
一等明るく輝く星は火星だろうか。
夜空に投射された映像はキラキラと輝いていた。
体を動かせば眠れるだろうと高をくくっていたが、より目が冴えてしまった。
眠気はやってこない。
満天の星空の下、眠れない体を持て余しながら、孤独な散歩を続ける
花薔薇が咲く庭園で佇む青年。
その面には苦悩が張りついていた。
甘い香りがする中で青年は一歩も動けないでいた。
乙女をを泣かせずにどう告げればいいのだろうか。
それが分からずに時間だけが無為に過ぎていく。
乙女がにこやかな笑顔を浮かべてやってきた。
青年の脳裏に誘惑が囁く。
一日の終わりに缶ビールを開ける。
今日も一日ご苦労様、と自分へのご褒美だ。
ほろ苦い味が口に広がり、爽快に喉を通り越す。
コンビニで買ったお惣菜をつつきながら、缶ビールを味わう。
至福の時だ。
そのうち酔いが回ってくる。
明日も今日の続きだといいな、とほろ酔い気分で思った。
今日は久しぶりのデート。
楽しみすぎて、なかなか寝つけなかった。
遠足前の子供のように寝不足だった。
洋服は昨日のうちから選んである。
リビングに降りると良い匂いがした。
手際よく母が朝食を作っていた。
コーヒーメーカーからカップ一杯、コーヒーを注ぐ。
眠気も吹き飛ぶ味がした
見る物すべてが珍しいのだろう。
少女は落ち着きなく道を歩いていく。
ここが観光地ではなく、地元なら放っておいた。
はぐれそうになったのも一度や二度じゃない。
少女が人並みに紛れ込むと見つけられなくなる。
青年は無理矢理、少女の指先を握る。
少女は驚いたようにこちらを見た。
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