忍者ブログ
「 140文字の物語 」
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

面倒事に巻きこまれたと思った。
少女と出会って日常が非日常に侵食された。
神剣・神楽を手にして戦うことにはいまだ慣れないでいる。
少女を守るという大義名分がなければ、放り出していたことだろう。
青年は今日も神剣・神楽を手に終わらない夜に身を差し出す。
全てを終わらすために
PR
君はため息ばかりをこぼしている。
すっかりぬるくなった紅茶を銀のスプーンでかき混ぜながら。
今日も嫌なことがあったと愚痴ばかりを口の端に乗せる。
あーあ、なんて可哀想な君。
メーテルリンクの童話劇の結末を知らないはずがないのに。
僕は珈琲をすすりながら君の話を聴く。
ずっと一緒にいるお約束。
左手の薬指で光る宝石が肯定する。
娘は嬉しそうに、彼の指を両手で包む。
「ありがとう。とっても嬉しい」心の底から浮かび上がる想いを言葉にする。
彼は照れたように、視線を逸らす。
「返却は不可だからな。後悔しても知らないぞ」と彼はぶっきらぼうに言う
昨日の身体測定で少女よりも身長が上回っていることが判明した。
少年は記録表を見ながら上機嫌だった。
幼い頃から何かと比べられてきたから、一つでも勝っているものがあると嬉しい。
これからはどんどん差が広がっていくのだと思うと唇がほころぶ。
記録表を大切に引き出しに仕舞った
漆黒な闇夜がやってくる。
静かに下りるとばりは昼の喧騒とは正反対だった。
空には煌く星たちが瞬いている。
月のない夜だから、その輝きが増して見えた。
それを怖いと思う人々がいることが疑問だった。
夜はどこまでも自由にしてくれる。
空想は果てなく広がっていく。
それが楽しかった
ホームで何本の電車を見送ったことだろう。
次を逃したら、終わりだ。
別れの時間は刻々と過ぎていった。
話すこともなくなり、二人の間には沈黙が落ちる。
大きな瞳が不安で揺らいでいた。
かける言葉を見つからず無言になる。
発車のベルが鳴った。
別れの言葉も約束の言葉も言えなかった
彼女に責任があるとしたら、美しい容姿を持っていることだろう。
傾国と言われれば納得できるほど、不幸にも美しかった。
男たちは砂糖にたかる蟻のように彼女の周りに集まった。
彼女の内面を見ようともしなかった。
彼女がどれほど努力しても、その美しさを褒めたたえるだけだった。
一緒に食事中なのに、テーブルの上に置かれた携帯電話。
時折、鳴動する。
すると携帯電話をいじりだす君。
僕よりも携帯電話をしてきた他人の方が大事なのか。
そんなことを思ってしまう。
ほんの少しの、嫉妬を食後のコーヒーに溶かす。
目の前に君がいるのだから、充分だと思わなければ
いつでも後回しにされる。
彼の中で私の優先順位は低い。
それが分かっているから、悲しい。
何のために付き合っているのだろう。
ブランド物のバッグを持ち歩くのと一緒だろうか。
「疲れているんだ」が口癖の彼。
わがままを言いそうになって、そっと両手を握り締める。
私は口を閉ざした
友達以上恋人未満。
宙ぶらりんの二人の関係。
嫌われていないことは分かっている。
けれども二人の間にある絆は恋なのだろうか。
ある日、横からかっさわれてしまうのではないか。
そんな恐怖を感じる。
もう黙っていることに疲れてしまったんだ。
「好きだ」と伝えたら表情が凍った。
青年は煌々と照る月を見ながら、神剣・神楽を握っていた。
自分で選んだ道ながら、決心が揺らぎそうになる。
最近、終わりないのない戦いに迷いが生じることがある。
少女を守りたいと思う反面、同胞殺しを続けることに意味を見出せなくなっていた。
早くピリオドを打ちたいと思うのだ。
わざと遠回りした帰り道。
君といつまでも一緒にいたかったから。
手すらつなげずに並んで歩いた。
君にとって僕はどんな存在なんだろう。
ふいに落ちた沈黙の中、考えてしまう。
足音を聞きながら緊張でドキドキした。
君の家の前で言葉をかけようとして、何も思い浮かばず黙ってしまう。
花よりも団子。とは、よく言ったものだ。
花見に来たはずの少女の両手は食べ物で埋まっている。
屋台を制覇しそうな勢いで食べている。
空は曇で、いまいちパッとしない天気だった。
けれども楽しそうな少女を見ていると、これはこれで良かったのかもしれないと思えてくるのが不思
議だ。
光の速さで想いを伝えることができる時代になった。
けれどもその分、伝える想いが軽くなったような気がする。
落ち込む君に、電話やメールだけでは足りない。
隣に座って慰めたいと思った。
文面だけでは限界がある。
涙をこらえているのかもしれない。
光の速度では分からない。
二人きりで出かけるのは、初めてだった。
途切れがちになる会話を一生懸命に繋ぐ。
ドキドキしてまともに顔を見れない。
手と手がふれそうでふれない距離。
あっという間に時は過ぎ別れの時間になった。
勇気を振り絞って手を伸ばす。
ぎこちなく、指をぎゅっと握る。
振り払われなかった。
PREV ← HOME → NEXT
忍者ブログ [PR]
 △ページの先頭へ
Templated by TABLE ENOCH