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「 140文字の物語 」
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寝不足でぼんやりとしていたせいか、階段を踏み外した。
怪我はたいしたことはなかったれども、しばらくはベッドから離れられない。
少女は分厚い本を寝床でめくる。
こうしている間にも白金の頭髪の少年に差をつけられてしまう。
遅れをとらないように、寸暇を惜しんで勉強をする。
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別れの瞬間、涙が零れ落ちそうになった。
未来に向かって歩き出した少年の背は大きかった。
振り返ることもないだろうから、泣けばよかった。
作り笑いを浮かべて、その背を見送った。
物分りの良い振りをしたことを今更になって後悔していた。
本当は引き止めたかったんだと気がついた。
この花が枯れたとき、恋が終わるのだろうか。
毎朝、欠かさず水をやる。
可愛らしいピンクの花は、自分の部屋とは不釣合いだった。
誕生祝のプレゼントだったがどんな意味で贈ってくれたのだろうか。
サボテンすら枯らすということは知っているはずだ。
枯れると同時に遠ざかる気だろうか
僕は君の「大丈夫」が、大嫌い。
全然、余裕のない顔して、君は微笑む。
悲しみや苦しみは分かち合うと決めたのに。
君は独りで抱えこんでいる。
君の「大丈夫」はあてにならない。
愚痴を聞くことぐらいしかできないけれど、僕の前では飾らないでいて欲しい。
僕はそんなに頼りない?
心が切なさでいっぱいになるような夕暮れだった。
紅色に染まっていた。
会話が途切れて、二人並んで歩く靴音だけが響いていた。
太陽が沈みいくのが悲しかった。
少女は「それじゃあ」と別れの言葉を紡ぐ。
少年は無理矢理、少女の指を握り締める。
別れ難かったから行動に移してしまった
棘だらけの黄色の薔薇。
棘多くて触れない。
そんな花が君に似合う花だ。
綺麗に咲いているのに、手折ろうとするのを拒む。
君を手に入れようとするには、たくさんの代償を支払わなければならない。
痛みを知らずには僕の物にはならない。
そう言ったら、君はいつものように笑うだろうか。
明日死ぬんだってさ、怖くないよ。
死は平等にやってくるものだ。
どんな金持ちも、どんな偉い人でも、死だけは公平だ。
大きな鎌を持った死神は困惑したような顔をした。
「未練はないんですか?」と尋ねてきた。
後悔のない毎日を送ってきた。
だから明日死ぬと分かっても恐怖はなかった
デートの待ち合わせ。
いつも君は僕よりも早く着いている。
僕を見つけると嬉しそうに笑顔になる。
この瞬間の君が好き。
会えない時間の分だけ。
これから一緒にいられる時間のぶんだけ。
好きなんだ。
僕は小走りになって君の元へ駆け寄る。
僕はどんどん君に夢中になっていくのが分かる。
戦いの終着は見えない。
ジリジリと圧されているような気がする。
神剣・神楽だけは楽しそうだった。
毎夜のように、外を出る。
不安げな表情の少女を連れて夜の街へ向かう。
無事に帰ってくると無言の約束をする。
泣き出しそうな少女にできる精一杯な強がりだった。
必ず生きて帰る。
スイッチを入れたように、恋に落ちた。
今まで意識したことがなかった。
仲の良い友だちだと思っていた。
一度、入ってしまった明かりは簡単に消すことができない。
今までのように仲良しの友だちではいられない。
どうしてもっと早く気づけなかったんだろう。
後悔ばかりが脳裏を回る。
今日は久しぶりのデート。
それなのに彼はきょろきょろと余所見ばかり。
話したいことはたくさんあるのに、生返事。
せっかくのデートなのに、悲しくなっていく。
さっきから可愛い女の子を見ている。
私は優しく、彼の腕に触れる。
ようやく、こっちを見てくれた。
彼は私の頭を撫でる。
自慢じゃないが、恋人が途切れたことがない。
二股三股は当然。
バレンタインデーはチョコレートを持ち帰るのが大変だ。
どんな女性も口説き落とせなかったことはなかった。
そう、君と出会うまで。
君だけが振り向いてくれない。
追いかける側に回ったのは初めてだから、勝手に途惑う。
君の涙が止まらないのも。
君の孤独が埋まらないのも。
君のためいきが零れるのも。
全部僕のせいにしていいよ。
辛い思いをしているのに無理矢理、笑おうとしている。
そんな君を見るぐらいなら、僕が悪かったことにしていいよ。
君には幸福でいて欲しいんだ。
だから我慢しないで欲しい。
風鈴に描かれた金魚は独りで寂しくないのだろうか。
風に揺れては鳴る風鈴を見ながら思った。
硝子特有の高い音色が悲鳴のように聞こえた。
透明な水に泳ぐ金魚は、どこへも行けない。
窓際で佇むだけだ。
強い南風が吹き渡り、風鈴を激しく揺する。
金魚を連れ出そうとするかのようだった
マグカップ片手にパソコンの前に座る。
スカイプ中に離席したことを謝罪する。
メカニカルキーボードの打鍵音がBGMになる。
返事がなかなか返ってこない。
コーヒーをすする。
「好きです」と唐突な言葉がモニターに表示された。
震える心を落ち着かせるために、マグカップを傾ける。
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