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「 140文字の物語 」
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騎士として立てた誓いを破る。
罪に手を染める。
政略的に嫁ぐはずの王女を抱きかかえ逃亡する。
故郷まで追手がかかるだろうから、国を出て蛮族たちが住む土地まで逃げる。
見知らぬ地で暮らすのは想像以上に大変だろう。
けれども王女が人質のように嫁ぐ姿を見ていられなかったのだから仕方ない
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どれだけ一緒にいても埋められない距離。
最初から引かれている境界線。
どんなに想っても想いかえしてもらえない時間。
離れ離れになることを知っている始まり。
季節が移ろうようにやがてきた別れの瞬間。
どれも遠い記憶になってしまう。
そうなる前にできることはあったのだろうか。
-
いつの日か出会う人が笑顔でいられるように。
そんなことを想いながら小指の先を見つめる。
長い長い赤い糸が長々伸びている。
どこまで続いているのだろう。
好奇心で手繰りながら歩いていったけれども、出会えなかった。
糸が絡んで解くのに手間取っているうちに、糸の先が伸びていったからだ。
ほんの少し勇気を出してくれてもいいんじゃない?
さっきから、ぶつかり合う手を感じながら思った。
初めての恋人だから何もかもが新鮮だった。
学校じゃなくて休日にデートするのもドキドキする。
「人が多いね。はぐれちゃわないように」手を繋ぐ口実。
頬が赤いのも気のせいってことしてあげる
最初は好奇心からだった。
ゲームのつもりだった。
特別好きだったわけではない。
テストの点数をつけるように決めた。
笑顔で返事をもらった時は、すこしの罪悪感があった。
僕の隣で君が笑う度に心が傾いていった。
やがて君なしでは退屈な時間を覚えるようになった。
君がいない時間がもどかしい
寒さを無視して歩く。
少しでも早く目的地に着きたい。
冷たい風が肌を斬るようだった。
吐く息すら白く凝る。
一歩ずつ目的地に近づいているはずだ。
それなのに朦朧とした頭では、まだ遠くにあるような気がしている。
一歩がひどく重い。
疲労が限界に達しようとしている。
それでも前を向いて歩く
さりげない愛を君に届けられたらどんな素敵だろう。
鳥が空を飛ぶように。
魚が水の中で泳ぐように。
僕の愛が自然と君に寄り添えられる。
そんな世界があったら、とても素晴らしいだろう。
百の嘘と千の偽りを重ねずに、君に愛を囁きたい。
いつまでも手を離さずに堅く結ばれたらときめくだろう。
-
二人の時間が重なっていた。
それがどれほど貴重な時間だったのか。
失って初めて気がついた。
もう二度と重ならない時間。
僕と君は別々の道を歩いていく。
一緒に笑うことも、一緒に泣くこともない。
永遠の別れだと知ってから僕は隣を探してしまうよ。
今度こそ一緒に歩いてくれる人を見つけるよ
お揃いで買ったマグカップ。
洗い物をしていて手から滑り落ちた。
シンクの中で綺麗に割れた。
涙が零れてきた。
キッチンでめそめそ泣いていたら、彼がやってきた。
泣く私を抱きしめてくれた。
状況が分かったのだろう。
「長いこと使っていたから、寿命だったんだろう」責めずに言う。
悲しかった
洗濯物を干し終わって、部屋に戻った。
すると彼はソファで眠っていた。
遠慮かちに、彼の腕を指先でなぞる。
毎夜、抱きしめられている腕は太く逞しい。
昨夜のことを思い出して赤面した。
今夜もこの腕に抱きしめられるのだろうか。
そんなことを考えていると、彼は目覚めた。
つい視線を逸らした
音もなく降り続ける雨が僕と君の嘘を優しく包むようだった。
真実はどこにもなかった。
嘘の上に嘘を重ねていただけだった。
だから簡単に僕と君の関係は崩れ落ちる。
それでも良かった。
ほんの一時、見た夢が美しかったから不満はない。
雨が上がるまで一緒にいよう
君はひとつの恋を終わらせてきた。
短く切られて髪が心の傷を表すようだった。
僕と一緒に食事をする君は明るく振舞っていた。
幼馴染みという立場が気安いのだろう。
何かあると一緒に食事をとる。
独りでは辛い時間の間、僕は君を独占する。
本当は一生、独占していたい。
でもその言葉は言わない
黄緑色のカーテンが色あせてきた。
ネットの通販で似たような感じのカーテンを見つけた。
そういえば君と暮らしていた時も、こうやって探したような気がする。
僕は追憶する。
感傷が同じようなカーテンを選ばせようとする。
それではいけないと意識を変える。
結局、違う色のカーテンを購入した。
閃光が辺りを薙いだ。
青年は反射的に少女をかばう。
腕の中の少女は何が起こったのかわからないようだった。
ただならぬことが起きていることがあった。
それだけは理解しているようで小さな体が震えていた。
青年は少女を抱き上げると安全地帯まで走り出した。
一刻も早くこの場から離れなければ
もっと私のことを見て欲しい。
あなたの一番心臓に悪い存在になりたい。
いつでもハラハラドキドキして欲しい。
私のことを心配で眠れぬ夜があればいい。
特別な存在になりたい。
いつまでも安心できる友達なんかでいたくない。
意識して欲しいと思うのは贅沢なのかな。
もっと好きになって欲しい。
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