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「 140文字の物語 」
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携帯電話の液晶画面を見つめる。
そこには彼からの最後のメールが映っている。
日付は一年以上前のものだ。
未だに消せずにいる。
遠距離恋愛だったから、たくさんメールを交した。
その一つ一つが宝物で、すべて保護している。
どんどん間遠くなっていくメールに恋の終わりを感じた。
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気がつけば君と出会ってから一年、経っていた。君
と共にある時間はあっという間に過ぎていく。
君は新鮮な驚きをもたらしてくれる。
いつの間に用意したのだろうか。
同じ時を刻めるようにとペアの腕時計をプレゼントされた。
「これなら仕事の邪魔にならないでしょ?」と君は笑った。
学習机に向かう背に少女はすり寄る。
少年の手は止まらなかった。
教科書をめくりながら、ノートをまとめている。
せっかく一緒にいるのに、つまらない。
二人きりの部屋なんだから、もっとやるべきことがあるんじゃないかと少女は思った。
少年の背に耳をあてて規則正しい鼓動の音を聞く
彼にはたくさんの彼女がいる。
とっかえひっかえしているのも知っている。
浮気性の彼は熱が長続きしないのも知っている。
そんな彼を憎めないのは、彼女がモニターの外に出てこないから。
三次元の彼女は私だけだ。
三次元でもとっかえひっかえするかと思っていたけど、意外に純情だ。
ひとつ、君が生まれてきてくれたこと。
ふたつ、僕と出会ってくれたこと。
みっつ、僕のことを好きになってくれたこと。
よっつ、僕と一緒に過ごしてくれたこと。
いつつ、僕と永遠を誓ってくれたこと。
ほら、簡単に片手が埋まってしまった。
君と過ごす日々は新鮮で驚きに満ちている。
開け放たれた窓から風が入りこむ。
少女の黒髪を揺らしながら、風は旋回していく。
艶やかな髪に触れてみたいと欲望が湧き起る。
風が羨ましいと思った。
自然に少女の髪に触れていく。
少年の心は欲望に揺れ動く。
どうしても触れたくなって、手を伸ばしかける。
指を握りこんで耐える。
敵【同胞】との戦いは圧倒的に夜が多い。
それに早朝が続く。
連戦となれば寝不足にもなるものだ。
神剣・神楽はそんな主の気持ちを知らずに、殺し合いを愉しんでいる。
寝ぼけ眼で中途半端に伸びた髪をヘアゴムで結ぶ。
まだ夜の領分に青年は家を後にした。
神剣・神楽の鞘を握り締める。
勝気な少女の双眸に陰が落ちる。
ここは結果こそがすべての世界だ。
どんなに努力しても結果がついてこなければ意味がない。
廊下に貼り出された順位表の2番目に名前があった。
誇れる成績だとは思えない。
この学園に入学してから1番目に名前があったことはない。
少女は眦を拭った。
首筋に貼られた絆創膏。
「虫に刺されただけだよ」と笑う彼女。
街路樹が葉を落とす頃に、虫に刺されることなんてあるのだろうか。
絆創膏の下にはキスマークが潜んでいるのではないだろうか。
自分以外の誰かがつけた所有の証。
臆病だから「絆創膏を剥がしてみてよ」とは言えなかった。
水面に花びらが浮かんでいた。
小さな花びらは微かな風にも揺れる。
今にも沈んでしまいそうな危うさがあった。
少年は花びらを拾い上げる。
水滴が少年の指先を濡らした。
撫でるように滴るそれを少年は手巾で拭き取る。
花びらから優しく水気を拭うと、読み止しの本に挟みこんだ。
今日も一日が終わろうとしていた。
空は染まり、少年と少女を照らす。
夕焼け空を瞳に写しながら、家までの道を歩く。
心地良い風が吹き、雲を流していく。
陽が沈むまであとわずか。
曖昧な時間の中、少年と少女は黙りっきり。
お互いの足音に耳を澄ましている。
永遠を感じる時間だった。
夜、眠る前に思うことがある。
どうか、明日が今日の続きでありますようにと。
大好きなあの人と一緒にいられる未来でありますようにと。
神様というものがいるなら、それに願いを呟く。
明日のことなんて分からないから、少しだけ不安になる。
目を瞑るのが怖い。
先ほどから少女は迂回をしてばかりいる。
近道を避けて、あえて遠回りの道を選んでいる。
舗装された道を歩きながら、少年は首をひねる。
やがてゴールにたどり着く。
少女の家が見えた。
「また、明日ね」がっかりした表情の少女に少年は気がつく。
一秒でも長く一緒にいたかったのだと。
少女は眼前に広がる景色に気をとられている。
青年はそれを優しい目で見守っていた。
海に来るのは、もう何度目か。
せがまれたわけじゃないけれど、青年は少女を海に連れてきた。
ふいに風が吹き、少女の長い髪をさらっていった。
飛んでいく帽子を青年はキャッチする。
少女は笑った。
にやにやした顔で上司が私のデスクに近づいてきた。
悪い予感しかしなかった。
「何ですか?」とりあえず尋ねるだけ尋ねてみる。
「今日このあと用事があるかな?」上司が言う。
予感は的中。
仕事が追加された。
今日は定時に帰れると思っていたのに。
上司の顔を殴ったら気持ち良いだろう
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