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「 140文字の物語 」
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ダブルサイズのベッドに緊張した。
とうとう来るべき日がきたのだと思っていた。
けれども、容赦なく酒を呑まされた新郎は、寝室に入るなり眠りにとりつかれた。
がっかりするのと、安堵する気持ちがないまぜになる。
遠慮がちに、腕を触れ合わせる。
あたたかい体温に眠りに落ちていきそうだった
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僕が君のそばにいるのは、君が飛きり破天荒だからだ。
何が起こるか分からない。
次から次へと退屈させないトラブルメーカーだからだ。
誰よりもそばにいて、手を貸すのは楽しいことだった。
君はその度に謝るけれども僕は感謝したいくらいだ。
退屈は人を殺す。
息根が止まらないほど障害はくる。
「ここはいいよね。人が来なくて」学校の屋上で君は笑った。
「そうだね」僕も同意した。
「それで中間テストの結果はどうだった?」君の言葉に胸を張る。
「追試はゼロだよ」
「やったじゃん」
軽々しく、手のひらを触れ合わせる。
ハイタッチだ。
景気の良い音がした。
「教えたかいがあったよ」
-
優しさだけで抱きしめて。
全身傷だらけで、とても疲れているの。
揺り籠のように、波のように揺らして。
あなただけしかできないことよ。
希望の光が見つかるまで、傍に寄り添っていて欲しいの。
わがままかもしれないけれど、こんなことを言えるのはあなただけなのよ。
だから、私を救い上げて。
「好き好き大好き、愛している」呟きながら、花びらをちぎっていく。
隣で本を読んでいた幼馴染が顔をあげる。
「嫌い、はないんだ」幼馴染は不思議そうに言った。
「だって、嫌いに当たったら悲しいでしょ」と私は言った。
「それじゃあ、花占いにならなくない?」幼馴染は納得できないようだ。
清々しい朝がきた。
朝日がオレンジ色の空を連れてきた。
スマホで写真を撮ると、グループLINEに貼りつける。
そしてスタンプを押す。
気持ちよく目覚められた朝は、それだけでラッキーだ。
一日のスタートを心地よく始められたのだから。
制服に着替えると階段を下りる。
美味しそうな匂いがする。
今日中に終わらせなければならない案件のためにパソコンに向かっていた。
先ほどから寒気がしているが帰るわけにはいかない。
いくら新入社員とはいえ、先輩たちの足を引っ張っている。
隣の打鍵音が止んだ。
先輩が立ちあがる。
しばらくすると温かいお茶をデスクに乗せられた。
「熱があるな」
「寒いね」と言った息が白く凝った。
返事は返ってこなかった。
そっと、手のひらを指先をつつく。
すると指先を握り締められた。
聞こえていないのかと思った。
ちゃんと聞こえていた。
それで返事がなかったのは不満だった。
横顔をちらりと覗く。
耳まで赤かった。
寒さのせいではないと思いたい。
ねぇ、寒さを言い訳にして、もう少しくっついていようよ。
君とぬくもりを分かち合いたいんだ。
君の柔らかな肌越しに伝わってくる体温は心地よいんだ。
女の子はその辺にたくさんいる。
声をかければ応じてくれるかもしれない。
でも僕は君がいいんだ。
だからさ、もう少し素直になってくれないか
神剣・神楽は使い手の生命を削るのだろうか。
それとも痛みに麻痺していくのだろうか。
どちらにしろありがたくない話だった。
誰にも話してはいけない。
墓場まで持っていく。
同胞たちが二つの勢力に分かれて戦うのも、終わりが見えない。
そんな中、離脱すればどうなるか分かりやすいぐらいだ。
太陽は全天の王者だ。
公平に降り注がれる日差しは眩しすぎる。
か細く生命を繋ぐ者にとっては毒になることもある。
移ろう季節の中でイレギュラーな日差しから、君をかばう。
自然が残されている公園で、君はやっと一息をつく。
白い肌には汗が流れていた。
自動販売機で麦茶を買うと、手渡した。
路地裏で見つけたその子はまだ小さく、やせていた。
早急に保護が必要だった。
怯えるその子を抱きしめて病院に駆けこんだ。
もう少し遅ければ死んでいた。ラッキーだねと医師に言われた。
しばらく入院が必要だとも言われた。
それから月日が経つ。
その猫は嬉しそうに、両手のひらに爪を立てる。
揺れているレースのカーテンを見て、窓を開けっぱなしで寝たことに気がつく。
差しこむ朝日は憎たらしいほど輝いていた。
頭痛がして、胸やけをしている状況では窓を閉めるという行動すら難儀だった。
昨夜、呑みすぎたのだろう。
久しぶりに呑んだから、適量が分からなかった。
清々しさがない。
君から手紙がきた。
薔薇が咲き誇っている便箋は、秋薔薇のシーズンにふさわしいものだった。
僕もレターセットを取り出して返信をしたためる。
君は元気にやっているようだ。
君がいなくて寂しいと書きかけて修正テープでごまかす。
近況を知らせる便りを書くと立ちあがる。
手紙を出す準備をする
君は僕を路地裏に引っ張りこんだ。
軽々しく、僕の腕に指を絡める。
大通りでは人目があってできないことだ。
「大好きよ」君はささやくように言った。
薄暗い路地裏にふさわしい陰のあるような言い方だった。
だから僕も「愛している」と君の耳元で呟いた。
どうしたって陽光のある所じゃできない
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