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「 140文字の物語 」
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どんなものでも十年続ければ形になるという。
物語を綴り始めて、当に十年を過ぎたけれども満足いくものは、未だできない。
誰かの心に伝わるものが書けたとは思えない。
それでも私は物語を生み出し続ける。
いつか誰かの救いになることを祈って。
つたない物語をネットで届け続ける。
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君が泣くから、今日も雨が降る。
人知れずに泣いたのかもしれないけれど、冷たい雨が僕の肩にふれる。
傘がいらないほどの小雨が降り続ける。
君の悲しみは絶えることはないようだ。
今すぐに会いに行くから、その時は青空が広がっていてほしい。
悲しみの渦に飲みこまれて脱出できないのは辛い。
意地悪だし、口も悪いし、私のことをからかうし。
そんなあなたのことを大嫌い、って言えないの。
大嫌いになれたら、どれぐらい楽になるだろう。
あなたがすることに一喜一憂することもない。
あなたへの想いは大嫌いの反対。
どうしてそんな気持ちを抱えこんでいるのか不思議だった。
わからない
寒さを忘れるほど綺麗な夜景だった。
食い入るように見ていると、あなたは微苦笑した。
あなたは歯切れ悪く、切り出した。
それは友達をやめてしまう言葉だった。
どうしてそんなこと言うのだろう。
せっかくの夜景も台無しだった。
男女の間には友情は成立しないのだろうか。
それを知らされた。
先ほどから雷鳴が連続して鳴っている。
君は小さくなって、耳をふさいでいた。
ひときわ大きな雷鳴の後、室内は真っ暗になった。
どうやらブレーカーが落ちたらしい。
この寒さだ。
エアコンが消えたままでは辛いだろう。
上着を羽織る。
慣れた我が家だ。
ブレーカーを上げる。
程なく電灯が瞬いた。
屋上への鍵が壊れているのは知っていた。
僕の良い休憩場所になっていた。
今日も教室を抜けて屋上へ来た。
先客がいたことに僕は驚いた。
しかも靴をそろえて、飛び降りんばかりの女子生徒がいた。
僕はダッシュしてその腰をつかむと安全な場所まで引き戻した。
そして優しく、両手を両手で包む。
-
生きている価値がないと思うのなら、死んでしまえばいいのに。
誰かに慰めてもらえると思っているのでしょう。
でも、みんな自分のことでいっぱいだから、そんな余裕はない。
そのことに気がついた時に本当の絶望はやってくる。
独りになるのが怖いのなら、お友達を大切に。
いつかは死ぬのだから
婚約者が貧相なドレスをまとった女性を連れてきた。
「婚約を解消してほしい」婚約者いや元・婚約者は言った。
身分ぐらいしか取り柄がなく、お綺麗な顔立ちをしている元・婚約者は家督を継ぐ意味を知っているのだろうか。
笑い飛ばしてしまいたかったのにできなかった。
女性は唇に笑みを刷く。
料理上手で笑顔を絶やさない母。
寡黙だけど真面目な父。
口煩いけど心配してくれる兄。
趣味が似通っていて話の合う姉。
絵に描いたような素敵な家族だ。
私は幸せだった。
高校受験をするために戸籍を見るまでは。
私だけ血が繋がっていなかった。
そして家族全員がそれを知っていた。
愕然とした。
「名前を教えてくれませんかねー」この手のことは何度も言われた。
「あなたが望むだけのお金を用意しますよ」
腰が低く、丁寧な口調で老紳士風の悪魔は、取りつくろうように笑った。
こちらは、ちょっと魔法をかじったことのある人間だ。
契約を交わす前に名前を教えるのは愚行だと知っている。
「性格ブス」と言われてカチンときた。
「見栄っ張り!」と言い返していた。
「お前みたいのと付き合えるのは俺だけだって気づけよ」と言葉を投げかけられた。
言い返そうとして、盛大な告白をされたことに気がついた。
遠慮がちに、両手をぎゅっと握る。
「じゃあ、一生面倒を見てね」と笑った。
どんな表情をしていても君が好きな気持ちは変わらない。
でも一番なのは笑顔の君が好きだ。
これ以上ないくらいに幸せに笑う君。
僕がくよくよしていても、その笑顔を見れば忘れてしまう。
君の笑顔は魔法だ。
君が笑えば僕も笑う。
悲しい時も、苦しい時も、君の笑顔を思い出せば乗り越えられる。
一生一緒にいる誓いを立てても、やがて別れの時が来る。
死が二人を分かつのだ。
どんなに回避したくてもできない。
それが人間というものだった。
だから、残す方はたくさんの想い出を作ろうとする。
二人が一緒にいたということは、かけがえのないことだと証明するように。
それでも涙に暮れる。
二人で初めて過ごす夜。
僕はできるだけ優しく、君をベッドの上におろした。
少し潤んだ瞳が僕を見つめる。
君は恥ずかしそうに、僕の指先に指を絡める。
僕の我慢の限界に到達した。
僕は君の唇を貪る。
固く結ばれた帯を手荒に解く。
早く君の肌にふれたい。
唇すら柔らかいのだ。
心地よいだろう。
「たまにはイチャイチャしませんか?」晩稲の恋人の耳元でささやく。
「もう充分、イチャイチャしているじゃないか」恋人は真っ赤になって言った。
「だから、もっとイチャイチャしちゃいませんか」恋人の手を取り恋人つなぎをする。
「たとえばキスとか」と提案する。
「他人の目があるだろう」
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