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「 140文字の物語 」
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君がここにいなくても、君との思い出は消えたりしないから。
君を思い描けるよ。
君が僕の前から消える日が来ることは、ずっと前から知っていた。
だから、たくさん思い出を作った。
君がいない孤独を乗り越えられるように。
だから「大丈夫だよ」と強がりを言えるんだ。
笑って、お別れをしよう。
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何千回目の願い。
何万回目の祈り。
神様、どうかお願いです。
この祈りが届きますように。
諦めきれない心の底にあるものが訴えるのです。
それはささやかなもので、それは我儘なものです。
とても大事なものだと胸を張って言えるものです。
だから何千回も願うのです。
だから何万回も祈るのです。
二人の間には、たくさんの想い出があった。
出会ってからこれまで。
どれも胸の中で輝いている。
それなのに君は僕を置いて、遠くに行ってしまう。
忘れて、なんて残酷だね。
君がいたから僕は生きてこれた。
それを全て消去しろというのか。
だから僕は君の言葉を無視することに決めた。
忘れない。
教科書を立てて、勉強するふりして覗く。
隣の彼女は丁寧な文字で板書している。
こちらの視線に気がつくことはないだろう。
それが少し安心で、少し寂しい。
真面目な彼女の横顔を見つめながら、ノートの片隅に落書きをする。
ノートに増えてきた落書きには正面顔はない。
それが僕と彼女の距離。
星がキラキラ瞬く夜空だった。
星の一つが落ちてきた。
「今日はめでたい日。お嬢さんのお手を拝借」と星が言う。
「一本締めでお願いします」と言われたものだから合図に合わせて柏手を打つ。
それからハッとする。
スマホを見ると、起床時間の5分前。
あれは夢だったのか。
そう思うと残念だ。
ついていないと思った。
修学旅行の班決めで親友と別れた。
しかも、いつも煩い男子と一緒。
他の女の子たちは喜んでいたけど。
距離を開けて、とぼとぼとついていく。
うつむきがちに歩く。
すると男子の一人が堂々と、指先を握り締める。
ビックリして言葉が出ない。
「はぐれそうだから」と言う。
自分よりも幼い少女のお頭を撫でる。
「子ども扱いしないでください!」少女は抗議する。
それに青年は微笑んだ。
「俺から見れば、まだ子どもだよ」青年は言った。
少女は膨れっ面をする。
他愛のない日常だった。
それが尊く、ずっと続けばいいと青年は思った。
少女と二人、日差しを浴びながら。
学校には一つや二つ伝説がある。
そのうちの一つに、校庭にある木に願い事を書くと必ず叶うというものがあった。
卒業式に迎えるある日、その木を眺めた。
色んな筆跡でささやかな願い事が書いてあった。
そのうちの一つに見覚えのある文字があった。
眼鏡をかけてよく見る。
忘れないと思った。
泣きたい時はお風呂に入るといい、と聞いた。
誰にも見られずに泣きたかったので、湯船に浸かる。
気分が晴れるように入浴剤を入れた。
鮮やかに染まった湯船を見ていたら気が落ち着く。
泣き顔で、両手を軽く握る。
水のようにつかめないそれは自由なようで良かった。
いつの間にか涙は止まった。
どんな私がお好みで?
あなたが望むような女性を演じてみせる。
可愛い女の子が好き?それともリードしてくれるような大人女性が好き?
あなたが望むままに姿を変えましょう。
何より大好きなあなたのためですから。
苦痛はありません。
「ありのままの私が好き?」ずいぶんと変わり者のようですね
彼は察しが悪い。
どうして、私が怒っているのか気がつかない。
ただ機械人形のように謝るばかりだ。
そろそろ、私のことを分かってくれてもいいと思う。
謝れば許してもらえる。
そんな甘さがないことを気づいていくれてもいいと思う。
まるでかみ合わない歯車のようだと感じた。
どこが違うのだ。
優しい風が吹き木の葉がかすれあう。
その音が波のように聞こえた。
少女と二人で海へ行ったのはいつのことだっただろうか。
「波の音みたいですね」少女は言った。
同じことを考えていたことを知って嬉しかった。
「また海が見たいです」少女ははにかむ。
青年が提案しようとしたことを少女が言う。
真っ赤に染まるものなんだ?
モミジの葉。カラスウリ。リンゴ。夕焼け。
少女は遠慮がちに、少年の手のひらをぎゅっと握る。
真っ赤に染まるものなんだ?
二人の頬。
少女の見間違えなければ、少年の頬は真っ赤に染まった。
それを見た少女の頬も真っ赤に染まった。
繋いだ手は振りほどかずに帰る。
僕を傷つけるのも、僕を喜ばせるのも。
君だけがいい、君しかいらない。
君の冷たさ、君の優しさ。
そんなもの全てを手に入れたい。
あの日、出会ったのは『運命』ということにしておきたい。
僕の人生に彩りを洗えてくれた君だから、喪えばまた灰色に戻るだろう。
生きている間は僕の傍にいて。
蒼穹を白い鳥が渡っていた。
快晴だったから色の対比が美しかった。
ふと国語の授業で習った和歌を思い出す。
白鳥は空の青さも、海の青さに染まらない。
それは哀しいことではない。というものだった。
作者の名前は度忘れしてしまったが心に残る和歌だった。
実物を見てみると、なるほどと思う。
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