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「 140文字の物語 」
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別れの季節がやってきた。
新しい出会いが待っている。
そう分かっていても、この時期は感傷的になる。
学校にくれば、毎日のように顔を合わせることができた。
けれども、卒業したらそういうわけにはいかない。
もう会うのも困難になるのかと思うと胸が苦しくなった。
一生別れたくない人だからか
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自分なんかがさわったら壊れてしまうのではないか。
そんな不安があった白い指先だった。
手を繋ぐのも怖くて躊躇していた。
「手を繋いで帰ろう」と君は言った。
だから僕は勇気を奮ってそっと、指を軽く握る。
君は嬉しそうに笑った。
まだ過去にするのには、身近な記憶だった。
何度も思い出す。
質屋に脇差しが持ちこまれた。
眼鏡越しにそれを見る。
鞘から引き出すと見事な文様が彫られていた。
「こちらを手放しても良いのですか?」質屋の主人は尋ねた。
「もうこれぐらいしかない」持ち主は言った。
「さようですか」質屋の主人はそろばんを弾いた。
額を見せると持ち主は打ちのめされる
青年は困っていた。
少女は怒り顔で、青年の指先をぎゅっと握る。
言葉は発しない。
戦いが終わってから、少女は口をきかない。
どうしたものだろうか、寝ぐせのついた髪をかき混ぜる。
「私は怒ってるんです」ようやく少女は口を開いた。
「真剣・神楽は万能ではないんですよ」それが理由なのか。
がっつりと守りを固めた要塞のようなハートだった。
独りでも生きていくと誓っていた。
もう誰も信じない。
裏切られるのは御免だった。
それなのに、ここにきてハートが揺れ動く。
本当にそんな寂しい人生でいいのか、と。
誰かとあたたかな家庭を築いて、時には愚痴を言って、時には笑いあう。
屋上は風が強かった。
ここから飛び降りれれば楽になるのだろうか。
涙は枯れはてて、朝が来るのが怖かった。
居場所はどこにもなかった。
フェンスを乗り越えようとした瞬間、来客があった。
クラスメイトの男子だ。
手を差し出してきた。
恐る恐る、両手のひらに触れる。
温かかった。
生きている。
物足りない日々を送っていた。
今が、幸せでないというわけではないのに。
満たされない。
何が悪いのだろうか。
胸の中にぽっかりと穴が開いたように、隙間風が通る。
『幸せ』と『幸福』の違いだろうか。
あなたがどれほど甘いささやきをくれても空虚だった。
どうすればいいのだろうか、と考える
ダイエット。
好きな物を好きなだけ食べていたい。
けれども体重計はきっちりとした数字を叩き出してくる。
これ以上、太ったら健康にも良くないだろう。
分かっていたけれども、美味しそうなケーキに視線を注いでしまう。
食べたい食べたいと心が言う。
それでもダイエット中だ。
泣く泣く諦めた。
お別れの言葉なんて聞きたくない。
前々から予感はしていた。
何より視線が雄弁だった。
いつの頃からだろう。
恋する相手じゃなくなったのは。
空気のように当たり前いる関係になってしまった。
おしまいは簡単にやってきた。
ゴミ袋に恋人の物を詰めて収集所に向かう。
雲の狭間から光がさしていた
「もう口なんて聞いてあげないんだから」少女は言った。
思い通りにいかなくて癇癪を起こすのは、いつものことだった。
少年はさりげなく、少女の両手を指先になぞる。
「何するの!」少女が怒鳴った。
「口を聞かないんじゃなかったのか?」少年はクスクス笑う。
少女は俯く。
「俺も悪かったよ」
君の輪郭が霞んで見えた。
一生懸命に手を伸ばしてみたけれども届かない。
それが寂しくて声をかける。
ありったけの大きな声で君の名前を呼んだ。
そこで目が覚めた。
どうやら夢を見ていたようだ。
それもそのはず。
君と僕の関係はただの同級生。
君は手が届かない高嶺の花。
分かっていたはずだ。
好きになったら最後だと分かっていた。
破滅が待っている。
だから、毎朝すれ違う時は会釈ですましていた。
言葉を交わしてみたいと思ったことは何度もあった。
いや、すれ違う度に思っていた。
今日も懐中時計を見て、自然を装ってすれ違う。
にこやかな表情をして会釈してくれたから、胸が痛む。
彼のことは好き、時々不安。
私なんて冴えない女が彼女でいいのか、不安になる。
その度に「私のこと、好き?」と試すようなことを訊いてしまう。
彼は「きみじゃなければ意味がないよ」と安心させてくれる。
でも、その安心は一過性だ。
すぐさま不安がやってくる。
好きになるというのは難しい。
映画館デートの前日はきちんと寝るべきだ。
シアターが暗くなると同時に眠りの世界に誘われた。
エンドロールまでぐっすりと眠ってしまった。
おかげで寝不足は解消されたが、内容の方はさっぱり覚えていない。
彼女も不満そうな顔をする。
デートしたといえるのだろうか。
珈琲を飲みながら思う。
葬儀の色は白と決まっていた。
だから、みな一様に白い衣をまとっていた。
また英雄をひとり、黄泉の国に送り出す。
大げさなぐらいに、みなは悲しむ。
この国がまだ小国だった頃から活躍してくれた英雄だからだ。
苦労をかけて、平穏な世界になろうとしている所を見ることがない。
それが悲しい。
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