忍者ブログ
「 140文字の物語 」
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

蜜色の髪が春風になびていて揺れる。
それはキラキラとしていて思わず手を伸ばしたくなる。
そんなことをしたら驚かれるに決まっている。
だから、この想いは秘密だ。
蜂蜜よりも甘い誘惑に負けないように、手をぎゅっと握り締める。
僕と君は友達同士。
決して、恋人同士にはなれない。
PR
別れてほしい、と長年付き合った彼から言われた。
他に好きな女の子ができてしまったそうだ。
浮気しないで正直に言ってきたのが彼らしかった。
彼のことが好きだったから未練はあった。
想い出の中だけでも素敵な女性でいたかった。
「幸せになるのが条件よ」と笑って別れた。
似合わないくせにね
僕は君の上澄みだけを知っている。
透明で澄んでいる。
君の心の底は砂砂利だろうか。
胸の内は濁っているのだろうか。
悪口を言い、人の優劣をつける。
そんな君は見たくない。
お花畑と言われても、いつでもにこにこ笑っている君がいい。
ごく普通の人間のように穢れている君を知りたくない。
こんな幸せで良いのだろうか。
いつか喪われるための幸せだろうか。
罪を重ねた僕を罰するための幸せだろうか。
君には決しては言えない罪を犯した。
一つではなく、何度も。
それは許されないことだと思った。
正直に君を話せば離れていくだろう。
想像だけで、僕は涙を流す。
幸せすぎて苦しい。
いつまでも一緒にいたい。
寂しい時は傍にいてほしい。
わがままばかりで、君の気持ちを考えていない。
そんな自分は地面に埋めてしまいたい。
それなのに、君は僕のわがままを叶えてくれる。
今も隣にいてくれる。
僕は目を逸らしつつ、君の腕を指先でなぞる。
夢ではないかと確認してしまう。
いくつも恋を重ねていった。
彼女になりたいと思う女子生徒は両手の指を折っても足りない。
そんな中、共通点を見つけた。
手間のかかる子ほど可愛い。
簡単に恋に堕ちる女子生徒はつまらない。
我が儘を言って、こちらを振り回すぐらいの女子生徒と恋をするのは楽しい。
それに気がついてしまった
いけないことをしているという自覚はあった。
恋は段階を踏んでいかないと成就しない。
まだ『好き』だとも『愛している』とも伝えていない。
このまま都合の良い女になってしまうのだろうか。
たった一杯の過ちで。
寂しさに負けたのだ。
温もりを分かち合いたい、そう思ってしまったのだ。
少年は本を読むのに没頭する。
それぐらいしかできることはない。
それが少女には面白くないようだった。
移り変わる雲の形を、これは綿菓子だ、これは大きな鳥だと伝えてくる。
つられるように少年も空を見上げる。
他愛のない時間を追憶する時がくるのだろうか。
少女に嬉しそうに名前を呼ばれた
僕は君に口移しの愛を伝える。
君の柔らかな唇はいつまでもふれていたかった。
でも、それは愛じゃない。
欲望だ。
ふれるだけのキスをして離れる。
「愛しているよ」と君の耳元にささやく。
君は僕の服をぎゅっと握る。
君の寂しさはすっかり溶けたようだ。
悲しい顔をして微笑む君はもういない。
もうすぐ試験結果が出る。
魔法使いの卵として勉学を励んだ。
ただの人間に戻るか、魔法使いになれるか。
審判にかけられる。
少女は震える。
在学中、優秀な魔法使いの卵として過ごせてはいなかった。
どちらかというと劣等生だった。
少年は少女の手を握る。
「大丈夫」と言った言葉が魔法だった。
少女は生まれてこの方、人間というものを見たことがなかった。
飢饉のあった年に生まれてばかりの少女を鬼への供物として差し出されたからだ。
鬼は少女を慈しむ。
まるで人間の方が血も涙もないようだった。
赤と黒の衣をまとった鬼の帰りを少女は待つ。
鬼は人里に帰そうとするが少女は頑なだ。
「もういいかい?」
「まあだだよ!」鬼の声に答える。
隠れるのに適した路地裏に二人して入りこむ。
少年は嬉しそうに、少女の両手を触れ合わせる。
小さく音がした。
二人はごみ箱の裏に身を隠す。
「もういいかい?」鬼の声に「もういいよ」と返した。
鬼は路地裏を通り過ぎて公園の方に向かった
あなたのことは好き、時々不安。
私みたいな野暮な女の子が隣を歩いていていいのだろうか。
そんなことを思ってしまう。
一朝一夕で垢抜けた女の子になれるはずがない。
あなたの隣にふさわしいように、少しずつ努力をしている。
成果ははかばかしくないけれども。
それを知ったら笑うんだろうな。
飲み会に誘っても欠席するはずだ。
彼女は烏龍茶を頼もうとしていたのに、一杯目は酒だろうと強引に決めた。
バーと違って居酒屋のカクテルだ。
そんなに度数は高くないだろう。
彼女はファジーネーブルを選び、乾杯の音頭にのる。
一口飲んで顔を赤く染める。
グラスを空ける頃には酔っぱらいだ。
浄化のために置いた透明な結晶は、見る見る黒くなってしまった。
強い穢れがこの地にある証拠だった。
新しい結晶を置くが、結果は同じだった。
どうしたものかと頭を抱える。
穢れを祓うのには、まず結界が必要だった。
少年はハッとする。
黒くなった結晶を集め、火をつける。
浄化の一つの方法だ
PREV ← HOME → NEXT
忍者ブログ [PR]
 △ページの先頭へ
Templated by TABLE ENOCH