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「 140文字の物語 」
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私はパステルカラーの服を着ない。
明るい色は似合わない。
そういうものは妹の方が似合う。
小さい頃から「似合わないわね」と言われ続けたのが根源だった。
たまには可愛らしいワンピースを着てみたい、と思うのだけれど勇気が出ない。
大人になっても変わらなかった。
パステルカラーに胸が痛む。
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僕はなかなかサヨナラを言えずにいた。
夕方に染まっている君をいつまでも見ていたかった。
けれども君とサヨナラを言う別れ道まで歩いてしまった。
僕はアスファルトに影を縫いつけられたように立ち止まった。
君は僕の手を取ると力強く、両手を触れ合わせる。
「また明日」とぬくもりが言った。
「iotuは、痛みを堪えながら最後の嘘をつきました。
それは自分が楽になるための嘘でした。
「幸せなんて、どこにもないんだ」、と。
これが本音なら、楽だったのに。」

------

僕は心の痛みを耐えながら最後の嘘をついた。
それは自分が楽になるための嘘だった。
我ながら卑怯な嘘だった。
「幸せんなんて、どこにもないんだ」と。
それを聞いた君は「ここにあるよ」と真っ直ぐと言った。
嘘が本音なら、楽だったのに。
君の言う通りに幸せはここにあった。
君と僕の間に。
親友が呟くように「大嫌い、って言えないの」と零した。
それを耳にした私は片恋の相談だろうか、と思った。
「同じ苗字だから、夫婦だって言われても、嬉しくないの」親友は言った。
どうやら、からかってくる男子の方が好きなようだ。
ややこしくなってきたな、と私はイチゴオレを飲み切った。
また明日、会えるのだと分かっていても、あなたとの別れの瞬間は胸が痛かった。
『ずっと』をくりかえして、永遠に近い長さまで続くと知っていても。
あなたと『サヨナラ』をすると格別に哀しかった。
それはまるで落ちていく夕陽を見るようなものだった。
早く大人になって一緒に暮らしたい。
ベルトを締めると、腹にできた傷跡が痛む。
だらしない顔を少女には見せられない。
青年はいつも通り、ダイニングへ向かう。
ふすまを閉める前に神剣・神楽を一瞥する。
ずいぶんと慣れたものだと、遠くを見るように思った。
少女との共同生活はいつまで続くのだろうか。
仮初の平穏の中で思った。
「iotuは、大丈夫と自分に言い聞かせながら最後の嘘をつきました。
それは相手を守るための嘘でした。
「欲しい物のは手に入れたから、もういいんだ」、と。
決めたはずの覚悟が、揺れそうだな。」

------

僕は大丈夫と自分に言い聞かせながら嘘をついた。
それは相手を守るための嘘だった。
「欲しい物は手に入れたから、もういいんだ」と僕は微笑む。
「絶対?」君はいたいけな目で僕を見つめる。
決めたはずの覚悟が、揺れそうだな。
これで最後の嘘にするから、上手に騙されてもらえないだろうか。
僕らはスープの中で揺蕩うような時間を過ごしていた。
そこに氷を落としたのは誰だったのだろうか。
ずっと一緒に手を繋いでいられると思いこんでいた。
けれども、世界はそんなに優しくはなかったようだ。
僕らにとっての世界の終わりがやってくる。
君は僕が名前も知らない場所へと引っ越す。
あなたがどれだけ涙を零しても、私は選んだのです。
あなたの涙が優しい想い出に変わるといい、とこっそりと望みます。
過去を変えることはできません。
過ぎ去った時間は現在に変わっていくのです。
あなたの涙をそっと、私の手の甲で拭き取ります。
あなたには、いつでも笑っていてほしいから。
君が泣き顔で、僕の腕を折れんばかりに握る。
行くな、と無言で言うように大粒の涙を零す。
「君を泣かすのは、これで最後だと誓うよ」と僕はささやいた。
けれども、君は首を横に振り、腕を離してくれない。
君は薄々と気がついているのだろう。
『最後』の意味を。
だから、君は僕を引き止める。
ぼくたちは赤の他人だ。
たまたま人生ですれ違っただけの存在だ。
そんなぼくたちが恋をする理由はどこにあるのだろう。
簡単に惹かれたように、簡単に別れるのだろうか。
出会ったばかりなのに、別れのことばかり考えてしまう。
ぼくには恋は向いていない。
でも、きみが笑うとドキドキしてしまう。
金属製のコンパスで二枚の紙に、一つずつ円を描く。
そしてその紙を重ねる。
二つの円は交わった。
「分かるかね?」男性は言った。
「恋というものは、このようなものなのだ」と続ける。
机を挟んでその様子を眺めていた少女は首を傾げた。
「決して同一になることはできない、ということですか?」
妙に生温い冬だった。
季節通りに動いているのは天体だけだ。
こう暖かいと手を繋ぐきっかけがつかめない。
ふれそうでふれない手に苛々していた。
けれども君は軽々しく、僕の指先を折れんばかり握る。
痛いほど君の愛情を感じた。
勿論僕は振り解くようなことはしない。
同じぐらい強さで握り返す。
-
「あなたに恋したみたい。馬鹿らしいでしょ」と君が笑った。
どう答えていいか分からず、僕は黙ってしまった。
君はそれが答えだと思ったのか「今更、気がつくなんて本当に馬鹿みたい」と笑顔が微苦笑に変わった。
「僕はずっと君のことが好きだったから、馬鹿なのは僕の方だ」と僕は断言した。
粉々になってしまった輝きを飲みこむ。
かつては愛と呼ばれたものだ。
夜空で煌めいていた頃は美しかったが、地に落ちてしまえば光は失われる。
欠片を一つ拾い上げる。
それは愛なんて綺麗なものじゃない。
金平糖のように棘がある、かつての愛は甘く、たやすぐ噛み砕けるものになってしまった。
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