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「 140文字の物語 」
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俺はソファの上でうつらうつらと微睡んでいた。
そこへ泣き顔で、妹が飛びこんできた。
俺は一瞬で目が覚めた。
「どうしたんだ?」幼子をあやすように妹の頭を一撫でする。
妹は俺の両手にしがみつく。
「どうすれば大人になれる?」涙を流しながら妹は尋ねる。
「お子様ランチには興味がないって」
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「iotuは、愚かだなと自分を笑いながら最後の嘘をつきました。
それは現実逃避のための嘘でした。
「今とても幸せだよ」、と。
・・・どうしようもないな。」

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僕は愚かだなと自分を笑いながら最後の嘘をついた。
それは現実逃避のための嘘だった。
「今とても幸せだよ」と。
悲しくて胸が破裂しそうなほどなのに。
君につく最後の嘘だからと笑顔で告げる。
・・・どうしようもないな。
これからも付き合っていく現実の前で、嘘で逃げ出そうとするなんて。
君を前にすると、緊張して、愛の言葉が思い浮かばない。
『好き』じゃ軽いかな。
『大好き』じゃ子どもっぽいかな。
『愛している』じゃ重たすぎるかな。
世界中にたった一人しかいない君に、ふさわしい愛の言葉は何だろう。
僕がぐるぐると考えていると、君が笑った。
そして、僕の頬にキスをした。
青年は、ぼんやりと過ごす日常に刺激が欲しかった。
もちろん同胞との戦いは、過激だったが。
普通の生活をしてみたくなったのだ。
スーツに袖を通して、履歴書を持つ。
まずは派遣からだろうか。
それともコンビニのバイトからだろうか。
いくら両親の遺してくれた保険金で一生過ごせるとしても。
『松』と『待つ』をかけた言葉遊びの便せんを見やる。
懐かしい筆跡で元気だと綴った文字が涙を滲ませる。
「嘘つき」と少女は零した。
この頃にはすでに末期だったという。
病室で書かれた手紙を火にくべる。
迷いなく真っ直ぐと煙になった。
これから独りで生きていくのだと思うと寂しかった。
僕の彼女はいわゆるツンデレだ。
とにかく素直じゃない。
なかなか慣れない野良猫のように。
血統書付きのお上品な猫のように。
そんなところも可愛いって思ってしまうほど、僕は彼女が好きだった。
「手を繋いで歩こうよ」と僕は手を差し伸べる。
彼女は嫌々ながらも、僕の手のひらに爪を立てる。
「内緒話をするように声を潜めて最後の嘘をつきました。
それは相手の幸福を祈る嘘でした。
「欲しい物のは手に入れたから、もういいんだ」、と。
・・・泣いたりしないよ。」

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僕は内緒話をするように声を潜めて最後の嘘をついた。
それは相手の幸福を祈る嘘だった。
「欲しい物は手に入れたから、もういいんだ」と。
その欲しい物の中には、君は入っていなかったけれども。
それ以外は、一緒になって集められたから、それでいいんだ。
・・・泣いたりしないよ。
僕は笑う。
『寒い』と理由でくっついていられるこの季節が好きだった。
僕は弱虫だから君に強く出られない。
いつでも君に振り回されている。
それでも、今日は決意したんだ。
コートの中のビロードの小箱が勇気を与える。
イルミネーションが綺麗な場所で僕は言う。
「一生分の君が欲しい」とプロポーズする。
木枯らしが吹く季節になった。
冷たく、強い風は、身も心も冷やす。
そう、恋心さえ。
葉が自然と枝から落ちるように、私の恋は終わりに向かおうとしている。
強い風が吹く度に散らないでと願う。
私にとって最後の恋にしたいから祈る。
でも季節は無惨にも、次の季節を用意している。
縋りつきたい。
郷愁をかきたてられる夕焼けだった。
沈んでいく太陽はある日を思い出させる。
それは君も同じだったらしく「綺麗だね」と呟いた。
安心して任せると思った。
「故郷の両親に渡してくれないか?」僕は白い封筒を君に差し出した。
「本気ですか?」と君は僕の目を見つめる。
「君にしか頼めない」
電車の座席に座れたもののあなたは、口を開こうとしなかった。
直前までしていた喧嘩のせいだ。
どちらもだんまりを決めこんでいては、解決することはないだろう。
だからといって自分から謝るのは癪に障る。
どちらが悪いというわけではない喧嘩だったから。
さりげなく、あなたの腕に爪を立てる。
書き心地を試してみる。
白い紙にすっとインクが伸びていく。
しかも、かすれもしなければ、にじみもしなかった。
「ボールペンも進化しているんだな」と思わず呟いた。
その言葉に部下が笑う。
「主任が知っているのは原始のボールペンだからじゃないんですか?」
「古い物も良い物だよ」
「iotuは、無理に笑顔を作って最後の嘘をつきました。
それは相手を守るための嘘でした。
「世界で一番、大嫌い」、と。
こんなことしか言えないなんて。」

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僕は無理に笑顔を作って嘘をついた。
それは相手を守るための嘘だった。
嘘じゃなければ、こんなことは言えない。
僕と君の距離は近すぎた。
「世界で一番、大嫌い」と。
こんなことしか言えないなんて。
もっと上手に嘘をつければいいのに。
とにかく、これが最後の嘘だ。
君に未練は残らないだろう。
君は僕を無視し続ける。
まるで空気のように、存在しているのが当たり前で、注目するほどのものでもないように。
喧嘩を吹っかけてきたのは君の方なのに。
僕がいなければ、何もできないことをいい加減思い知れば良いのに、と煮えくりかった気持ちを覚える。
いつまで君は我慢できるのだろうか。
少女はいつも2番だった。
1番は白金色の頭髪の少年のものだった。
これで少年が少しは嬉しそうな顔をしたら変わったかもしれない。
テスト結果を張り出された廊下ですれ違う。
少年は無表情だった。
まるで興味がないような顔をしていた。
少年は、1番になるのに慣れすぎてしまったのだろうか。
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