「iotuは、愛を囁くように優しく最後の嘘をつきました。
それは自分の幸せのための嘘でした。
「これ以上関わらないでくれ」、と。
本当の願いは、どうせ叶わないから。」
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僕は、愛を囁くように優しく最後の嘘をついた。
それは自分の幸せのための嘘だった。
「これ以上関わらないでくれ」と。君に告げた。
本当の願いは、どうせ叶わないから。
これ以上、君と一緒にいたらダメになる。
君に頼って、君の枷になるのだろう。
だから離れるのは今の内だ。
君に猶予を与える。
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世界というのは人と人が集まってできている。
そこには利害関係も含まれる。
魔王を倒した勇者一行を歓迎しながら、裏切らないように縛りつける。
世界は彼らを手放さない。
これからも使い勝手のいいカードのように酷使するだろう。
なんといっても勇者一行なのだから。
世界はいびつにできている。
これも仕事の内、と思って頭を垂れて愚痴を聞く。
人間関係はややこしい糸のよう。
誰が損すれば誰かが得をする。
どうやら貧乏くじを引いたようだった。
仕事歴は無駄に長いお局様の機嫌取りに、任されたようだった。
「さっきからスミマセンしか言わないわね」と言われた。
謝る以外思いつかない。
君宛のメールは苦労をしながら文章を考える。
君が不快にならないように。
君に覚えていてもらえるように。
そんなことを考えているから、いつもメールは遅れがちになる。
そんな僕のメールを君は待っていてくれる。
そのことを知って震えるほど嬉しくなった。
ますますメールを送るのが遅くなる。
桜が風に吹かれて舞い散る。
まだしっくりとこない制服姿で、二人で並んで歩いた。
君は桜に夢中で、僕は君に夢中だったけれども。
この道もやがて通い慣れるのだろうか。
君は僕の手のひらを握る。
なにか、物を入れたようだった。
恐る恐る、手のひらを開けると桜の花びらが一枚。
君は微笑んだ。
『恋の終わりは教えて。』
眠れぬ夜の他愛のない会話だった。
幼なじみは「恋の終わりは教えて。祝ってあげるから」と言った。
「それって酷くないか?ラブラブだから、そんな心配はこれぽっちもありませんよ」と俺が言った。
幼なじみは微苦笑を浮かべて「そっか」と小さく囁くように言った。
「iotuは、無意識に緊張しながら最後の嘘をつきました。
それは現状打破のための嘘でした。
「まだ一人で生きていける」、と。
・・・うまく笑えたかな?」
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僕は無意識に緊張しながら最後の嘘をついた。
それは現状打破のための嘘だった。
君に寄りかかって生きていくのは、何かが違った。
「まだ一人で生きていける」と、嘘をついた。
・・・うまく笑えたかな。
君には僕には構わずに自由な生き方をしてほしい。
そう思いながら、独りぼっち寂しかった。
天邪鬼の私を好きになってくれる人なんていなかった。
年頃になったのに崇拝者も一人いない。
このままオールドミスになるのかと思うと寂しい。
世話焼きのお隣さんが縁談を持ちこんだのは、そんな時だった。
庭を二人で散策する時にまたやってしまった。
「素直じゃないとこも可愛くてよろしい。」
両親も年老いた。
子どもたちも落ち着いた年齢になったから、一緒に暮らそうかと提案した。
けれども両親はうなずかない。
『迷惑をかけたくない。自分のことは自分でする』と言って聴かない。
家族なんだから遠慮はいらないと思うのだけれど。
歩けなくなってからでは遅い。
それなのに伝わらない。
コタツでミカンを剥いている時だった。
白い筋を丁寧に取って、口に放りこんだ瞬間だった。
「お前、英語のテスト結果だけは見せないよな」同じくコタツに入っていた兄が言った。
「そんなに成績が悪いのか?」と微睡みと現実の間で言った。
兄と違う壊滅的に悪い成績を見せた結果は聞きたくない。
暮れゆく夕日が美しい秋でした。
生まれて初めて恋の告白されました。
人を傷つけるのが怖くてお付き合いというものを始めることにしました。
「手、繋がないか?」と彼に言われて、思わず首を横に振ってしまいました。
「少しでいいから」と言われて、恐る恐る、両手を指先つつくと笑われました。
肉親を唐突に失った君が悲しくないはずがなかった。
親族の方が親切で、お葬式は任せっきりにできたのが救いだった。
何度か遊びに来た家だったのでお葬式に出ることにした。
「ありがとう」少し寂し気な笑顔を君は浮かべた。
「君の代わりに、泣かせてください」僕は用意してきた言葉を言った。
少女にとって外の世界は初めてのことばかりで楽しかった。
家でこもっているばかりではつまらないだろうと、青年は休みの度に提案する。
「どこか行きたいことはあるか?」青年は尋ねた。
「なら、海に行きたいです。波を見ていたんです」少女は目を輝かせて言った。
「分かった」と青年は頷く。
あなたが私の髪を撫でる。
心の中に嵐が起きたようにドキドキする。
そんな私の感情を無視して、あなたは私の髪にふれ続ける。
「綺麗な髪だね」あなたは満足気味に笑った。
「普通だよ」思わず私はつっけんどんな言い方になってしまった。
赤面したのがばれないかな。
あなたの優しさにくるまれて。
ふれそうでふれない手。
二人並んで歩くのは、いつまで続くのだろう。
君の手を握りたくてぎこちなく、自分の両手のひらを握る。
一度さわってしまえば二度と離したくなる。
だから、僕は我慢していたのに、君が片手にふれる。
僕は指を解き、君の手を繋ぐ。
「記念日だね」と満面な笑みで言った。