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「 140文字の物語 」
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そろそろ人生の伴侶を見つけなければならない。
両親を安心させたいというのが悲願だった。
親友に恋人ができた、というのも大きいだろう。
恋人のいない私を立ちあがる。
婚活サイトに登録して、出会いを求めた。
パステルカラーの季節に素敵だなと思える人に巡り会えた。
上手くいきますように。
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「iotuは、無理に笑顔を作って最後の嘘をつきました。
それは歩き出すための嘘でした。
「君を、信じきることができなくてごめん」、と。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。」

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僕は、無理に笑顔を作って最後の嘘をついた。
それは歩き出すための嘘だった。
独りでも足を進めるための嘘だった。
たとえ隣に君がいなくても。
「君を、信じきることができなくてごめん」と言った。
何か事情があったのだろう。
君は僕をだまさない。
・・・まだ、泣いちゃだめだ。
笑顔で君を見る。
滅多に電話をかけてこない母から着信があった。
『帰ってこれる?』といった声が震えていた。
これから知りたくないことを知らされるのだと分かった。
できたら永遠に知りたくない。
『黒いスーツを持っているわよね』母も言葉にしたくないのだろう。
遠回しに告げる。
『分かった。休暇を申請する』
テレビで恋愛ドラマを見ていた時だった。
紆余曲折あった恋人たちが結婚式を挙げるシーンがあった。
フラワーシャワーを浴びて幸せそうに笑う新郎新婦。
「花びら綺麗だね」と君が言った。
次に予想される言葉は聞きたくない。
「トイレ」と俺は席を立つ。
『花嫁になりたい』と君は言うだろう。
ソファの上に並んで録画してあったドラマを見ていた時だった。
ふいに手がふれあった。
「冷たい」と君は言った。
「こんなに冷たくて、辛くない?」
「いや、別に」と俺は答えた。
君は上目遣いで見上げながら、俺の指先を両手で包む。
「まあ、手が冷たい人は心が温かいって言うもんね」と笑った。
「iotuは、感情を抑えながら最後の嘘をつきました。
それは相手を楽にするための嘘でした。
「世界で一番、大嫌い」、と。
本音は仕舞い込んだまま。」

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僕は、感情を抑えながら最後の嘘をつきました。
今までたくさんの嘘をついてきたけれども、もうここでおしまいだろう。
それは相手を楽にするための嘘だった。
「世界で一番、大嫌い」と。
本音は仕舞い込んだまま君に告げる。
この恋を終わらせるための嘘だった。
君を自由にするための言葉だった。
「一人で帰るの?」と思わず、俺は声をかけてしまった。
クラスメイトでも大人しい相手だった。
会話を交わしたことなんてなかった。
それなのに、教室を出て行こうとしたクラスメイトに訊いてしまった。
「いつも一人だから」と立ち去ろうとする。
その手首を掴んでしまった。
「一緒に帰らない?」
難攻不落と謳われた要塞だった。
四方を険しい山に囲まれて、道幅は狭い。
それが今、陥落しようとしている。
軍師は眩暈を感じながら、策を巡らせる。
とにかく城主と家族だけは逃げ延びてほしい。
けれども城主は『落ちるまでならそれまでよ。お前たちを残して退けん』と言う。
最後まで抵抗する。
『馬鹿じゃないの?愛してる。』

「君ふさわしくないと思うけど」とあなたは視線を逸らして言う。
「それでも、君のことが好きなんだ」弱々しく愛の告白を続けた。
馬鹿じゃないの?愛してる。
ずっとあなただけのことを見ていたのをようやく気がついたの?
こっちはずっと待ってたんだから。
「iotuは、穏やかに微笑んで最後の嘘をつきました。
それは現実逃避のための嘘でした。
「すぐに追いつくから、先に行ってて」、と。
こんな酷い嘘は、もう二度と吐けない。」

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僕は、穏やかに微笑んで最後の嘘をついた。
いや、最期の嘘かもしれない。
それは現実逃避のための嘘だった。
「すぐに追いつくから、先に行ってて」と。
君は不安げに僕を見つめる。
「大丈夫だよ」と僕は言った。
こんな酷い嘘は、もう二度と吐けない。
「さあ、華やかな乱舞を見せようか」と笑う。
青年は匂いつられて、目を覚ました。
ダイニングテーブルは少女が作った朝ご飯が並んでいた。
「今、起こしに行こうと思ったんですよ」少女は笑った。
「おはよう。いただきます」と席に着いた。
「焦がさずに卵焼き作れるようになったんだな」
「誉められると嬉しいのですが、素直に喜べません」
夜にとって、朝への待遇は不満だった。
綺麗に晴れて、星空で飾っても、あたたかい太陽が昇ってくる朝の方が好きだという。
冬至も過ぎ、夜が夜でいられる時間は、どんどん短くなっていく。
それなのに朝の方が好きだと言われてしまうとやるせない。
どうして人の子は、朝の方が好きなのだろうか。
目の前には陽光すら遮る高すぎる壁。
乗り越えなければならないと分かっていても、座りこんでいた。
ある程度の年齢になったら、自分のことは自分でしなければならない。
もう子どもと呼ばれる年齢ではないのだから。
あまりに高すぎる壁は絶望を呼び起こす。
眩暈を覚えながらそれでも立ちあがる。
「iotuは、何もかも悟ったような顔で最後の嘘をつきました。
それはどうしようもない嘘でした。
「君を、信じきることができなくてごめん」、と。
・・・うまく笑えたかな?」

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僕は、何もかも悟ったような顔をして最後の嘘をついた。
他にどんな顔をすればいいのだろう。
仕方がないと思うしかなかった。
それは、どうしようもない嘘だった。
「君を、信じきることができなくてごめん」と、僕は言った。
最初に裏切ったのはどっちの方だろうか。
僕は・・・うまく笑えたかな?
毎朝、『おはよう』のメールの他に文章が続く。
『今日も君だけを愛している』と写真付きのメールが送られてくる。
いつもの待ち合わせ場所で、あなたは手を振る。
愛されているのは嬉しいけれども、重すぎる。
贅沢な悩みかもしれないけれど。
「メール。私の前だけにしておいてね」と釘を刺す。
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