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「 140文字の物語 」
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「iotuは、どうしようもなく泣きたい気分で最後の嘘をつきました。
それは自分が楽になるための嘘でした。
「寂しくなんてないよ。大丈夫」、と。
・・・泣いたりしないよ。」

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僕は、どうしようもなく泣きたい気分で最後の嘘をついた。
それは自分が楽になるための嘘だった。
「寂しくないよ。大丈夫」と。
これが君への最後の嘘だったから・・・泣いたりしないよ。
泣くのは君が立ち去ってからだ。
強がりでもいいだろう。
それで二人が楽になるのだったら。
本当は寂しい。
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人数合わせの合コンだった。
所詮は引き立て役だった。
静かに烏龍茶を飲んでいた。
自分には場違いだなとひしひしと感じていた。
「そろそろ終電なので」と私は立ちあがった。
すると「お持ち帰りさせてくれる?」と一番人気の男子が言った。
女子の間にざわめきが起こる。
初めてのことで赤面する。
仕方ないと諦めてしまったことがある。
手を伸ばせば、叶う夢だったかもしれない。
すべてを投げ打つべば、手に入った現実だったかもしれない。
それでも、僕は微苦笑を浮かべて、眺めているだけだった。
そのままな姿でいてほしいから。ねじ曲がってはほしくなったから。
不思議なほど僕は諦めた。
眼光鋭く見つめる空は、いまだ暁だった。
まだ明けきれない空をあなたは真っ直ぐと見つめる。
その姿は冷酷で、孤高だった。
私には真似ができないと打ちのめされる。
夜がしみじみと明けていく。
冷たい風にさらされて、あなたは朝を待つ。
絶好の天体ショーをあなたは真っ直ぐと見つめ続ける。
壊れやすい硝子のような君にふれるのは勇気が必要だった。
それでも、君とぬくもりを分かち合いたいと思ってしまった。
僕は優しく、君の指を両手で包む。
透明な硝子のような冷たい体温だった。
僕があたためてあげようと思った手だった。
君が凍えてしまわないように。
君は恥ずかしそうだった。
「iotuは、祈るような気持ちで最後の嘘をつきました。
それは本音とは真逆の嘘でした。
「君を、信じきることができなくてごめん」、と。
・・・泣いたりしないよ。」

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僕は、祈るような気持ちで最後の嘘をついた。
それは本音とは真逆の嘘だった。
「君を、信じきることができなくてごめん」と。
今でも君のことを信じている。
君が僕を裏切るようなことはしないと信じている。
でも、君の目が動揺していた。
それが答えだった。
こんなことで・・・泣いたりしないよ。
天秤にかけたら九十九人が選ぶだろう。
この世界を救うために、愛する人の手を離すだろう。
簡単な引き算だ。
それを後悔しながら生きていくのだろう。
でもたった一人、愛する人の手を握る人物がいた。
それだけで天秤が容易に揺れる。
それを見て選択が間違っていることを知った。
気づけなかった。
「見てください」と少女は青年にカメラを見せる。
どこから見つけたのだろう。
「一枚、撮ってもいいですか?」少女が問う。
こちとら寝起きばかり。
寝癖がついた髪にパジャマ姿だ。
「着替えてくる」と青年は立ちあがる。
だらしない格好が残ったら恥ずかしすぎる。
それこそ笑い話になってしまう。
これから先、あなたと一緒にいられない未来があることに気がついた。
繋ごうとしていた手が遠かった。
私は泣きそうになりながら、自分の両手のひらを握る。
そんな悲しい明日を思い描いていると、あなたの方から手を繋いでくれた。
「何かあった?」あなたは優しく問うから、私は首を横に振った。
成人の儀を終えてほっと安堵した。
空には三日月が輝いていて心を乱す。
これからゆっくりと過ごしていけばいいのだと思ってみるけれども、別れた友のことを考えてしまう。
もっと話せばよかったと後悔をする。
もう二度と会うことはないのだから。
私達は夢を追いかけて別々の道を歩む。
「iotuは、少しだけ震える声で最後の嘘をつきました。
それは相手の幸福を祈る嘘でした。
「君が居なくても何も変わらないさ」、と。
・・・うまく笑えたかな?」

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僕は、少しだけ震える声で最後の嘘をついた。
それは相手の幸福を祈る嘘だった。
「君が居なくても何も変わらないさ」と。
・・・うまく笑えたかな?
君は僕なんかと一緒にいない方が幸福になる。
これで君と僕の縁は切れるだろう。
最後の嘘は胸に突き刺さる。
それでも、僕は笑顔を崩さなかった。
外は極寒の世界。
家は灼熱の世界。
いささか効きすぎたエアコンに汗をかく。
「アイス食べたい」と家に上がった君が言う。
先ほどまで寒さに凍えていたとは思えない姿だった。
僕は冷凍庫からアイスを取り出す。
「ありがとう」と微笑む君の首筋にキスをした。
すっかり暑さにやられた理性だった。
君の視線はいつだって未来を見ていた。
君の声はいつだって夢を語っていた。
僕はその隣で、君を見つめていた。
君が小さな町を出る日がやってきた。
僕はいつものように微笑んで、君を見送る。
いつだって隣にいた存在がいなくなるのは寂しかった。
それでも夢を叶えるために一歩を踏み出した君。
その女性は世界を支える女神の化身だと言った。
信じられなくてスマホのカメラで撮った。
僕はその結果を見て、スマホを握りしめる。
撮影したフォトにはおどろおどろしい姿が映っていたからだ。
肉眼で見た女神の化身は、眩いほど美しいのに。
これはどちらが真実なのだろうか。
僕は息を飲んだ。
せっかくの修学旅行だというのにバスに酔った。
自由時間は、あちこちと回る予定だった。
それなのに世界が上下したように目が回っていた。
「そろそろ集合時間だけど、立てる?」同じ班の班長だった男子が尋ねた。
楽しみだったろうに、付き合わせてしまった。
私は遠慮がちに、指にしがみつく。
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