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「 140文字の物語 」
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僕の世界は君ででできていて、他には何もいらないんだ。
僕にとっては君が唯一無二の光。
暗闇が続く世界を照らしてくれる。
その光を見て僕は今日も生きることを頑張ろうと思える。
だから君よ、いつまでも僕と一緒にいてほしい。
ささやかなお願いだ。
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「iotuは、感情を抑えながら最後の嘘をつきました。
それは自分が楽になるための嘘でした。
「欲しい物のは手に入れたから、もういいんだ」、と。
もう、覚悟は決めたんだ。」

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僕は、感情を抑えながら最後の嘘をついた。
それは自分が楽になるための嘘だった。
もうこれ以上、君に振り回されたくない。
「欲しい者は手に入れたから、もういいんだ」と。
もう、覚悟は決めたんだ。
一番欲しかった君の心が手に入らなかったけれどもそれでいいんだ。
せめて笑顔でお別れしよう。
明確に交わした約束ではない。
気がつけば、そうなっていただけだった。
雨の日の約束は、必ず相合傘で寄り道をして帰る。
傘を持っていくのは僕の役目だった。
それを損とは思わないのが、不思議なことだった。
寄り添ってささやかなことを話しあう。
傘の中で君の声が綺麗に聞こえるのはどうして。
蝶はさなぎの間、ドロドロに溶けるという。
そこからじっくりと美しい姿に変わるという。
さなぎから脱げた蝶は一シーズンもたずに消える儚い命だったけれども。
飼育箱で羽化が始まった。
アゲハ蝶は半透明の姿から色鮮やかな羽に染まる。
美しい姿を眺めて、自分もこんな風になれたらいいと思う。
パソコンの使い方も分からなかった昔。
ネットサーフィンができればよかった。
それが今や根性を出して、パソコンの修理屋さんになった。
電話一本でどこまでも出張する。
ダブルクリックも分からない相手に懇切丁寧に説明をする。
今日も仕事が入った。
ずいぶんと自分は変わった、と遠くを見る。
僕たちは校内一のバカップルと噂だった。
そんなことが気にならないぐらい僕は君のことが好きだった。
同じぐらい君も僕のことが好きだったら嬉しい。
今朝も同じ時刻の電車に乗って堂々と、両手のひらを触れ合わせる。
パチンと景気の良い音が鳴って、僕たちは笑いあった。
幸せをすぐ傍にある。
「iotuは、情けなく笑って最後の嘘をつきました。
それはたぶん最低の嘘でした。
「これ以上関わらないでくれ」、と。
君は何も知らないままでいて。」

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僕は、情けなく笑って最後の嘘をついた。
それはたぶん最低の嘘だった。
優しい君に対して言うような嘘ではなかった。
「これ以上関わらないでくれ」と。
君は何も知らないままでいて。
僕が抱える苦しみも、コーヒーのような苦みも、気がつかないでくれ。
これ以上、優しい君を傷つけたくないんだ。
少女がぐずぐずと泣いていると、少年はぺろりと白い頬を舐めた。
少女は目を大きく見開く。
「塩辛いね」と悪気もなく少年は言った。
「どうして、そんなことをするの?」嗚咽混じりに少女は問う。
「君の涙の味を確かめたかったんだ」と少年はけろりと笑う。
少女には全く理解できない行動だった。
一度でいいからパフェを独り占めしたい、と思っていた。
甘いものは好きだが、大量に食べられる自信がなかったから、避けていた。
でも、今日は誕生日。
どんなことを許されるはずの日。
食べ切れなかったら幼なじみに押しつけよう。
念願が叶う。
大粒の苺が乗ったパフェがテーブルに運ばれてきた。
湯船に浸かっていると、大海を思い起こす。
バスソルトが青いから余計に、そう感じるのだろう。
けれども、あたたかい湯船は、大海の前では霞む。
自由な日々が戻ってきたら、もう一度車を飛ばして大海を見に行きたいと思う。
それまでは湯船という小さい海で我慢だ。
浴槽でためいきが一つ零れた。
ふらりと少女は車道に向かう。
反対側からは自動車が走ってきていた。
それに少女は気がついていない。
少年はそっと、少女の腕を両手で包むように白線の内側に引き寄せる。
危機一髪。
少女も車も気づかないまま、すれ違っていった。
「どうしたの?」少女が問う。
「何でもないよ」と少年は言う。
「iotuは、祈るような気持ちで最後の嘘をつきました。
それは切望のような嘘でした。
「絶対にあきらめたりしないよ」、と。
こんなことしか言えないなんて。」

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僕は、祈るような気持ちで最後の嘘をついた。
それは切望のような嘘だった。
すがりつくような、あきらめきれないような言葉を紡いだ。
「絶対にあきらめたりしないよ」と。
君のことをすでにあきらめはじめているのに。
こんなことしか言えないなんて。
君への最後の嘘にしては往生際が悪すぎる。
寒さを言い訳にして、手を握り締めた。
実際、手袋をしていない君の手は氷のように冷たかった。
まるで雪女の手を握っているように凍える。
それでも君と手を繋いでいられることは嬉しくて、コートのポケットに誘った。
君も同じ気持ちだったのだろうか。
君の白い陶器のような肌が朱色に染まった。
『嘘をついてはいけない』それが父の教えだった。
『どんなことにも真面目に頑張りなさい』それが母の教えだった。
僕は両親の教えを守った。
初めて恋に落ちた時も、それを守った。
左手の薬指が輝く君でも。
結果は惨憺としたものだった。
恋に破れた僕は慰めてくれる人間もなく、涙を飲みこんだ。
君は日差しの中にいる。
僕は暗闇の中にいる。
君がいる世界が恋しくて、僕は暗闇から抜け出そうとする。
どんなにあがいても暗闇から抜け出すことができなかった。
いつの頃から、その行為に没頭するようになった。
暗闇の中で光る星々を無視して。
太陽が照らす日差しを恋しく思う。
君がいるから。
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