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「 140文字の物語 」
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2025.09.19 Fri 19:49
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『「泣き顔で、両手のひらを折れんばかりに握る」キーワードは「危機一髪」』
言ってはいけないことを言ってしまうところだった。
感情のままに、致命的な言葉を吐いてしまうところだった。
私は泣き顔で、自分の両手のひらを折れんばかり握る。
言わずにすんだ言葉を飲みこむ代わりに、涙を流す。
誰にも知られてはいけない、そんな言葉を言わずにすんで良かった、と思う。
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2021.07.31 Sat 07:25
140文字の物語
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最後の噓をつきました
「iotuは、ぎゅっと手を握り締めながら最後の嘘をつきました。
それは切望のような嘘でした。
「欲しい物のは手に入れたから、もういいんだ」、と。
だってもう、仕方がないだろう?」
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僕は、ぎゅっと手を握り締めながら最後の嘘をついた。
それは切望のような嘘だった。
「欲しい物は手に入れたから、もういいんだ」と、物分かりの良さそうな笑顔を浮かべて言った。
だってもう、仕方がないだろう?
手に入れたい物は、欲しい欲しいとねだっても手に入れることはできないのだから。
2021.07.31 Sat 07:22
140文字の物語
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『僕が、君を幸せにしたい』
暗い過去を持つ君は、何に対しても臆病だった。
例えば、それが楽しいことであろうとも。
いつもと違うというだけで、うつむいてしまう。
このままの関係を維持した方が君にとっては気が楽だろう。
けれども僕が、君に幸せにしたいと思ってしまった。
その変化が君にとっては、苦痛になるとしても。
2021.07.31 Sat 07:21
140文字の物語
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文中に『透明』を入れて【夢中】をイメージした140文字作文を書いて下さい。
君は透明な水に夢中だった。
買い替えたばかりのスマホで、何枚も写真を撮る。
すでに飽きていた僕はそんな君の姿をぼんやりと眺めていた。
澄んだ水音に耳を傾けて、どこでも見られる水の流れに、欠伸を噛み殺した。
君はまだ透明な水に夢中なようだ。
早く次の見どころに行きたい、と僕は思った。
2021.07.31 Sat 07:20
140文字の物語
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『薔薇』と『眼鏡』、登場人物が『見る』というお題でツイノベを書いてみて下さい。
とうとう眼鏡が必要なほど、視力が落ちた。
渋々と眼鏡を購入したら、視界がクリアになった。
今まで見ていたものは何だったのか、そう思えるほどの変化だった。
眼鏡をかけて、夏薔薇を見る。
花弁がぼんやりとせずに、はっきりと数を数えることができた。
もっと早く購入するすればよかった。
2021.07.31 Sat 07:20
140文字の物語
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『「優しく、腕に触れる」キーワードは「学校」』
学校の文化祭の後夜祭で踊るダンスの練習が始まった。
あなたは優しく、私の腕に触れる。
まるで壊れものに触るみたいに、慎重に手に触れる。
普段から少々お転婆な私相手にがっちりと相手をするのに、意外な一面を見ているようだった。
いつもと違ったシチュエーションに照れているのだろうか。
2021.07.31 Sat 07:19
140文字の物語
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『もう一度、あの夏で』
もう一度、あの夏で出会いましょう。
蝉時雨の中、ラムネ瓶を飲みながら、汗する夏で再会しましょう。
きっと私とあなた懐かしい気持ちになるでしょう。
もう一度だけ、あの夏をやり直しましょう。
最低だった別れまで時間を巻き戻し、喜びだけがあふれていた夏まで、向日葵のように戻しましょう。
2021.07.31 Sat 07:14
140文字の物語
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文中に『海』を入れて【嬉しい】をイメージした140文字作文を書いて下さい。
生まれ育った地域にこれといった不満はない。一点を除いては。
それは電車に揺られないと海も山も見られない関東平野だということ。
そのせいか海を見るとテンションが上がる。
旅行先でも海を見ると、砂浜まで近寄りたくなる。
どこまでも続く水平線に落ちていく夕陽なんて最高のロケーションだ。
2021.07.31 Sat 07:13
140文字の物語
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『大地』と『世界』、登場人物が『立ちあがる』というお題でツイノベを書いてみて下さい。
私は何もない大地に転んだ。
膝から転んだから、大きな怪我はなかったけれども、肌がすり向けた。
消毒しなければと、立ちあがる。
こんなおっちょこちょいをする大人は世界広しといえども、限られてくるのでは。
恥ずかしい気持ちでいっぱいだった。
誰にも見られない朝早い時間で良かったと思う。
2021.07.31 Sat 07:13
140文字の物語
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『「さりげなく、両手に指を絡める」キーワードは「記念日」』
今日は結婚記念日。
いつもは残業してくる夫も、今日は定時で返ってきた。
それだけでも嬉しいのに、ショートケーキと小さな花束を持って帰ってきた。
共働きなのに、いつも私が家事をしているからそのお礼に。
私は恋人同士だった頃のように、さりげなく、夫の両手に指を絡める。
夫ははにかんだ。
2021.07.31 Sat 07:12
140文字の物語
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最後の噓をつきました
「iotuは、愛を囁くように優しく最後の嘘をつきました。
それは相手の幸福を祈る嘘でした。
「これ以上関わらないでくれ」、と。
・・・うまく笑えたかな?」
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僕は、愛を囁くように優しく最後の嘘をついた。
それは相手の幸福を祈る嘘だった。
せめて最後の嘘で君が泣かなければいい。
そのためにできるだけ優しく、できるだけ甘く。
「これ以上関わらないでくれ」と。
なんて冷たい言葉だろう。
声の調子と内容がちぐはぐだった。
・・・うまく笑えたかな?
2021.07.31 Sat 07:09
140文字の物語
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『愛してる愛してる、愛していたかった』
君のことを愛してる愛してる、愛していたかった。
恋が始まったばかりの情熱で、愛し続けたかった。
けれども、始まりがあるように終わりがあるのは仕方がないことなのかもしれない。
愛という名の灯火はずいぶんと小さくなってしまった。
強風が吹けば消えてしまうことだろう。
一夏の恋のようだ。
2021.07.31 Sat 07:08
140文字の物語
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文中に『地面』を入れて【解って欲しい】をイメージした140文字作文を書いて下さい。
通勤路を歩いている最中に、スマホが律動した。
LINEだろうか。
不思議に思いながら指紋認証をして、ホーム画面を見る。
母親からのLINEだった。
『あんたの誕生日に荷物を送っておいたから』とスタンプも顔文字もないそっけない文面が表示されていた。
カンカン照りの中地面にぽたりと滴が落ちた。
2021.07.31 Sat 07:08
140文字の物語
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『雲』と『外』、登場人物が『仰ぐ』というお題でツイノベを書いてみて下さい。
外に出て夜空を仰ぐ。
少し欠けた月が見えるはずだったが、雲のせいで見ることはできなかった。
せっかく外に出たのだから、コンビニで飲み物でも買おうかと歩き出した。
すると徐々に雲が流れていった。
燦燦と輝くコンビニの看板が見える頃には、月を見ることができた。
不思議な気分になった。
2021.07.31 Sat 07:06
140文字の物語
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『「泣きそうになりながら、両手のひらを握る」キーワードは「お風呂」』
お風呂で湯船に浸かったのは何か月ぶりだろうか。
いつも忙しくてシャワーですましてしまう。
それなのに入浴剤を入れて、肩まで湯船に沈む。
泣きそうになりながら、色のついた湯の中で両手のひらを握る。
本当は泣きたかった。
けれども独りきりになっても、泣くことができなかった。
それが辛い。
2021.07.31 Sat 07:06
140文字の物語
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