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「 140文字の物語 」
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花弁が散らないように甘く囁く。
勝手に咲いて、勝手に散る花だから、目を離せない。
二人の恋が永久になりますように、と二人の間に咲いた花に願いをかける。
それを君は滑稽だと笑うだろうか。
それとも、そんなことをしなくても大丈夫と微笑むだろうか。
僕にとっては大切なことなのだけれども。
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秘密の恋をするように、二人は路地裏に滑りこむ。
建物と建物の間にできた薄暗い空間は、二人にはお似合いだった。
君は遠慮がちに、僕の手のひらを自分の手のひらと触れ合わせる。
すると光が灯り紋章が浮かび上がった。
これから狂った敵を討伐するために、君を置いて僕は路地裏から飛び出した。
デートコースは初めてデートした時と同じだった。
今日は二人の大切な記念日でもないのに、どうしてだろうか、と考えを巡らす。
一つの結果になってお別れ前のカフェで俯いた。
「あのさ」とあなたは言った。
「分かってるから何も言わないで」と私が言った。
すると照れたように小箱を取り出した。
久しぶりのデートだというのに、あなたはずっと難しい顔をしている。
この日を楽しみにしていた私とは対照的な様子だった。
一緒にいられるだけで幸せ、と可愛らしく思っていた時期とは通り過ぎた。
私はもっと貪欲になってしまった。
どうすればあなたの顔に笑顔を呼び出せられるだろう、考えた。
少女の目の前には、戦で荒廃した大地が広がっていた。
かつては咲き誇った庭園も簒奪されて見る影もなかった。
ひとひらの風が少女の髪を揺らして、駆け抜けていった。
涙ぐみそうになり、少女は空を仰ぐ。
空の色だけは栄華を誇っていたかつてと変わらない。
この大地が復興することを少女は祈る。
君はぎこちなく、僕の指に触れる。
まるで期待するかのように、僕を見上げる。
困ったことになった、と思った。
厄介ごとを抱えこむのは、これ以上は御免だった。
それなのに指から伝わってきた熱に、訊いてしまうんだ。
「どうしたんだい?」と僕が溜息混じりに尋ねると、君の瞳は星のように輝く。
「iotuは、馬鹿みたいだと自分に呆れながら最後の嘘をつきました。
それは相手の笑顔のための嘘でした。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」、と。
・・・うまく笑えたかな?」

------

僕は、馬鹿みたいだと自分に呆れながら最後の嘘をついた。
それは相手の笑顔のための嘘だった。
まるで飛び切りの魔法をかけるように。
「くだらない毎日なんて、消えてしまえ」と君の頭を撫でた。
「何それ?」君はようやく笑う。
君と過ごす日々にくだらないことはない。
・・・うまく笑えたかな?
薄暗いバーの中で酒を呑む。
ウィスキーのロックを舐めるように吞む貴方はため息をついた。
「愛しているのなら、告白すればいいじゃない」と私は言った。
今までのように、と心の中で付け足した。
「愛なんて綺麗なものじゃない」と貴方は酔いが回ったような口調で呟く。
そんな貴方が意外だった。
「君が好きだ」というあなたの声でビックリして振り返った。
私の言葉を待たずに「出会った日から好きだった」と続ける。
その手には演劇の台本。
どうやら読みこみをするのに夢中らしい。
大きな独り言は迷惑だった。
ドキッとときめいた心を返してほしい。
相手役が羨ましいと端役の私は思った。
どこの業界をもテレワークだ。
とうとうこの日がやってきた。
「パソコン越しで、水晶占いですか?」と私はできるだけ冷たい声で拒絶する。
「斬新でしょ」オーナーが言った。
雑居ビルの一室で色んな占い師を集めていたオーナーの懐も厳しいようだ。
「直接、顔を見なければ占いなんてできません」
私と一緒なのに、あなたは他の女の子たちを見ている。
もっと可愛い女の子はいるものね。
私に縛られるのは窮屈かもしれない。
でも、あなたの恋人は私なんだよ。
私は目を逸らしつつ、あなたの指を握り締める。
するとあなたは私の耳元で「どんな女の子より、君が一番かわいいよ」と甘く囁いた。
「iotuは、内緒話をするように声を潜めて最後の嘘をつきました。
それは最初で最後の嘘でした。
「君が幸せなら、幸せだよ」、と。
これが本音なら、楽だったのに。」

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僕は、内緒話をするように声を潜めて最後の嘘をついた。
君の耳元で声を落として言うと、君はくすぐったそうに笑った。
最初で最後の嘘だった。
「君が幸せなら、幸せだよ」と僕は囁いた。
これが本音なら、楽だったのに。
僕は真実を胸にしまった。
この先、絶望の夜を何度乗り越えるのだろうか。
「僕だけを見つめるこの瞬間の君が好き」と僕が言うと、君は苦笑した。
「だったら、たくさん好きだね」と君は距離を縮める。
「いつでも見つめているもの」と息すら唇にふれるほどの近い距離。
けれどもキスをする勇気のない僕は、君との距離を開ける。
淡い恋心は、いつまでも淡いままでいい。
体育祭の準備は面倒だった。
縦割りで5クラスが各々、趣向をクラス応援合戦は見ごたえがあるため、近隣の住人たちを見学に来るぐらいだった。
白ランをまとい、クラスごとに決められた色の鉢巻をした応援団将は、生徒会から排出される。
アイドル並みに整った顔立ちの少年が荒々しい演武をする。
泡沫のような安心感だった。
子ども扱いするから『大丈夫だ』と思いこんでいた。
それは言い訳だったのだろう。
花火大会に誘われて、お母さんに浴衣を着つけてもらった。
あなたに大人に見てもらいたくて、色付きのリップクリームを唇に乗せた。
二人きりで花火を見ていると、あなたが唇を重ねる。
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