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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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空色の靴下を履くあなたに恋をした。それが仮初の姿であっても。
あなたは人間の姿をしているけれども、その背中に翼があることを知っている。
世を忍ぶ仮の姿に一目で恋に落ちた。あなたとだったら、一緒に天国へ行けるかもしれない。
お揃いの空色の靴下で。夢だとしても見せてよ。
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「そばにいさせてほしいのです」と見知らぬ他人が言ってきた。ぞくぞくするほど気持ち悪いと感じた。
どんな言葉を言えば、お引き取り願えるだろうか。
「電車の中で、本を読むあなたが好きなんです」と他人は言葉を続ける。
今日の帰りから乗る電車の路線を変更しなければと思った。
iotuは、夢を見るような気持ちで最後の嘘をつきました。
それは悪あがきのような嘘でした。
「君が居なくても何も変わらないさ」、と。
いっそ笑い飛ばしておくれよ。

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僕は、夢を見るような気持ちで最後の噓をついた。夢といっても幸せな夢ばかりじゃない。
おどろおどろしく誰かを呪うような悪夢かもしれない。それは悪あがきのような嘘だった。
それには違いがなかった。「君が居なくても何も変わらないさ」と言った。いっそ笑い飛ばしておくれよ。
学校の屋上の壁に夢を書くと必ず叶う。そんなジンクスがあった。
だからか屋上の壁には無数のひっかき傷のような言葉を書いてあった。
ただ風雨にさらされる場所だけあって全ての文字を読めるわけじゃない。
いたずら心を起こして、折れ釘で壁に向かった。夢、それが分からなくなる。
怒っている君が可愛くって、僕は思わず君の頭を撫でる。
君は「子ども扱いしないでください!」とさらに怒った。何が不満なのだろうか。
子どもでいられる時期は短い。それを利用しない手はない。
そう考えるほど、僕も大人の社会に染まってしまったのだろう。君の純粋さが愛おしい。
かつての賑わいを取り戻したように、人々で溢れていた。
日帰り旅行という軽い気持ちだったのは、失敗しただろうか。どこも混雑していて、楽しめない。
そして、青年はため息をついた。歩幅が違い、この人混みだ。先ほどから少女を見失う。
青年は仕方なく、少女の指先を握り締める。
母は山茶花よりも椿が好きだった。
ドレスのように花弁が散っていく山茶花よりも、首ごと落ちる椿の花が潔い。
そうなんども、繰り返し言っていた。だから花に疎い私でも山茶花と椿の違いを知っていた。
蕾が膨らんできた椿を写真に収め、母に見せる日を思い浮かべる。喜ぶだろうか。
毎日、昇る朝陽はどうしてもこんなに、希望をもたらす光なのだろうか。
どんな夜でも明けると言わんばかりの太陽は、真冬であっても、どうして期待をさせるのだろうか。
この世界にはまだまだ知らないことばかり。それを知りたいと思う。
きっと人の数分だけ、朝はやってくるのだ。
iotuは、無意識に緊張しながら最後の嘘をつきました。
それは本音とは真逆の嘘でした。
「君が幸せなら、幸せだよ」、と。
胸の痛みは消えやしないな。

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僕は、無意識に緊張しながら最後の嘘をついた。それは本音とは真逆の嘘だった。
嘘というものは、そういうものだろう。本心の裏側をつく。「君が幸せなら、幸せだよ」と僕は言った。
君の幸せに、僕は絶対に入っていない。分かっていた。知っていた。僕の胸の痛みは消えやしないな。
いつまでも君と一緒にいた過去にとらわれる。まだ想い出にするのには、痛々しい過去。
あの日も君は僕ために怒り顔で、両手に指を絡めてくれた。
優しい仕草と表情が噛みあわなくて、つい僕は笑ってしまった。それに君の表情はより険しくなった。
懐かしい、と言えないほどの過去だ。
寒さを言い訳にして、抱きしめあおうよ。凍えそうな夜を乗り越えられるように。
心まで冷え切りそうな夜に、ぬくもりを分ちあおうよ。手を繋ぐのも、抱きしめあうのも、寒いから。
それでいいじゃないか。他に理由が必要かい?なら、わがままな僕のせいにしていいよ。君は悪くない。
正義を掲げた勇者を魔王は隷属させる。こんなはずではななかった、と勇者は目を潤ませる。
いつの日か、反旗を翻して、魔王を討つ。
そんな日を夢見て、勇者と名乗る少年たちは魔王城にやってくる。終わりが来ないことに気がつかずに。
今日も牢獄で勇者だった少年たちは、慰めあう。
脱げかけた靴下が気になった。履きなおすか、完全に脱ぐか。どちらがいいのか悩む。
けれども、そのままにしているのは、コートを着たままやっているゲームに夢中だったからだ。
先が気になる。帰宅してエアコンもつけずに、速攻で始めた謎解きゲームだ。頭をひねりながら続ける。
iotuは、特別に優しい声で最後の嘘をつきました。
それは悪あがきのような嘘でした。
「まだ一人で生きていける」、と。
どうか嘘だと気づかないで。

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僕は、特別に優しい声で最後の噓をついた。それは悪あがきのような嘘だった。
恥ずかしくなるほどの意地の張り合いだった。
「まだ一人で生きていける」と僕は緊張を見抜かれないように嘘をついた。
「ちょっと寂しくなるね」と君は微かに笑った。どうか君よ、嘘だと気がつかないで。
今、青春が駆け抜けていくような気がした。校庭に植えられて桜の蕾もほぐれていくようだった。
三年という歳月は、思ったよりも短かった。思い出を胸に、僕は卒業する。
県外の大学だから、独り暮らしになるが、楽しみだった。君は泣き顔で、僕の指先に指を絡める。
僕は握り返した。
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プロフィール
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iotu(そら)
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性別:
非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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