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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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iotuは、ぎゅっと手を握り締めながら最後の嘘をつきました。
それは現実逃避のための嘘でした。
「全部忘れていいよ」、と。
どうか嘘だと気づかないで。

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僕は、ぎゅっと自分の手を握り締めながら最後の噓をついた。それは現実逃避のための嘘だった。
真実なんか知りたくない。事実なんかどこかに行けばいい。「全部忘れていいよ」と言う。
君はこんな弱い心を知られたくない。情けないところを見せたくない。どうか嘘だと気づかないで。
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「誕生日会をしないか?」とあなたは楽しそうに言った。
誕生日なんて曖昧な暮らしの私たちにとって、それは当方もないほどの贅沢のような気がした。
あなたにとって決定事項になっているのだろう。「誰を呼ぶの?」私は最終確認をした。
「愛する人と、僕と君と。3人だ」と答える。
青年は湯船につかりながら、今日の戦闘を振り返る。
最後に小柄な少年を逃す、という選択はあっていたのだろうか。無事に少女の元に帰ってこれたのだ。
それだけでも御の字なのだから、これ以上考えるのは無駄だろう。自分も偉くなったものだ。
神剣・神楽を手にした時から変わった。
付き合って3年の恋人だった。いつかミュージシャンになる、という恋人はバイトをする日々だった。
誕生日を迎えても、公園でデートをするのがせいぜいだった。結婚を意識し始めた私は、ため息をつく。
恋人は作ってきたお弁当に手を伸ばす。私は目を逸らしつつ、両手に爪を立てる。
永訣の朝を迎えた。最期に君の瞳に映ったのは、涙をためた情けない僕だろう。
こんなにも早く別れが来るのなら、愛の言葉の一つでも、囁けばよかった。
君は優しく、あたたかいから、きっと天国に行くはず。
僕はそれに追いつけないから、冷たくなっていく君のぬくもりをかき集める。
いたずら坊やは仕事に履いていく革靴を隠した。独りぼっちで家にいるのが寂しいのだろうか。
「靴をどこにやったんだい?」といたずら坊やに優しく尋ねた。
「叔父さんの革靴なんて知らないよ」といたずら坊やは、震えながら答える。
怒られると思っているのだろう。その頭を撫でた。
手のひらに乗った粉雪は音もなく水滴となった。
ちらちらと降る粉雪の中、来るはずのないあなたを待っている。いつか交わした約束。
それを守るために、毎年訪れる。あなたと最期に話した言葉を今も、覚えている。
哀しいぐらいに粉雪が降っている。朝が来れば溶けていくのだろうか。
iotuは、どうしようもなく泣きたい気分で最後の嘘をつきました。
それは最初で最後の嘘でした。
「世界は希望で溢れている」、と。
だってもう、仕方がないだろう?

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僕は、どうしようもなく泣きたい気分で最後の噓をついた。それは君に対して最初で最後の嘘だった。
君はいつでも正直だったから、僕も誠実でいたかった。「世界は希望で溢れている」と僕は嘘をついた。
だってもう、仕方がないだろう?君は絶望の中で輝く一筋の希望という名の光だ。
年頃の女性が独りぼっちで舞踏会に行くわけにはいかない。
それも婚約者がいるような女性が独りで行くのは浮気のようなものだった。
できることなら家の図書室に籠っていたい。嫉妬の視線に晒されるのは勘弁だった。
けれども社交的な婚約者が迎えに来た。仕方なく、腕を握り締める。
この星では、小さな世界を握り締めて産まれてくるそうだ。
その小さな世界は人それぞれで、選ぶこともできないし、交換することもできない。
たった一つの世界だった。僕の小さな世界は世闇のように薄暗かった。
君の持つキラキラした世界とは違っていた。「君の世界を僕にもわけて」
巣から落ちた雛だった。親鳥は他の雛を育てるのでいっぱいだった。
それに人間の匂いがついた雛を育てるケースは少ないと聞く。仕方がないから雛を育てることにした。
一日一日を録画した。いつの日か来る惜別のために。雛の羽が抜け落ちて、大人のそれになった。
窓を開けて逃がす。
去年、大掃除をしていたら出てきた花火。しけってるかもしれないが、このまま捨てるのにはしのびない。
真冬の小さな花火大会をすることになった。
「線香花火を最後まで燃やせれば、願い事が叶うんだって」と少女は言った。
「無理ゲーじゃないか?」少年は蝋燭で線香花火をつけた。
iotuは、馬鹿みたいだと自分に呆れながら最後の嘘をつきました。
それはどうしようもない嘘でした。
「幸せなんて、どこにもないんだ」、と。
頼むよ、ごまかされてください。

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僕は、馬鹿みたいだと自分に呆れながら最後の嘘をついた。それはどうしようもない嘘だった。
期待に輝く瞳を曇らせるような嘘だ。「幸せなんて、どこにもないんだ」と僕は言った。
君が隣にいるだけで幸せを感じているのに。僕は卑怯にも嘘をついた。頼むよ、ごまかされてください。
「初めまして。あなたに会ってみたかったんです、聖女様」と私と同じぐらいの背丈の少年が言った。
この国の王太子に言われて、私も嬉しくなった。少年は嬉しそうに、私の両手を軽く握る。
「この国のために頑張っているとお聞きして、どうしても言いたかったんです」挨拶を続ける。
白いチューリップを花束にして、贈られてきた。本数は15本。
メッセージカードには『誕生日おめでとう』と書いてあった。
それを受け取った15歳になった少女は、目を半ば伏せる。花言葉なんて、貴方は知らないんでしょうね。
綺麗に咲く白いチューリップには悪いけれども捨てた。
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プロフィール
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iotu(そら)
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性別:
非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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