昔むかし。あるところに泣き虫の娘がおりました。
娘は氷が凍てついたような硝子細工を作るのが得意でした。
娘は自分の涙で毎日毎日硝子細工を作り続けました。
どうしてかって。
それは娘が恋しい気持ちを抑えられなかったから。
人間に恋してしまった雪女の切ない片恋のお話だよ。
PR
夜は静かに沈黙を保つ。
だから言葉は慎重に慎重に選ばなければならない。
神聖ですらある静寂を切り裂くのだから、その言葉はそれだけの重みを持って放たなければならない。
誰もが口を閉ざす夜に相応しい言葉を紡がなくてはいけない。
ブラックジョークいっぱいの絵本は主人公が踏んだり蹴ったりな展開になる。
くすくすと笑いが零れるシーンも盛りだくさんだ。
他の絵本と比べてみたら、くすんだ感じがするだろうけれど、僕は溺れるようにその絵本を何度も読んだ。
だって、それは僕の人生を描いているようだったから。
声に出されなかった言葉はどこへ行くのでしょうか。
身体の底のほうまで沈んでいって、ころころと転がされて、それは夜空に瞬くビー玉のようにきらきらと輝くほど磨かれていくのでしょうか。
身体の中にはそのような美しいものがぎっしりと詰まっているのでしょうか。
鈴を転がしたような音が相棒であるモノリスから流れた。
転寝をしていたらしい、おかげで寝坊だ。
「こんなはずでは……」
と呟くと
「血気盛んな歳とは言えないですからねー」モノリスは微笑む顔文字を表面に貼りつけて発光した。
なかなか嫌味ったらしい相棒である。
次の瞬間、他の瞬間に違うことを考えているだろうけど、「今」この瞬間だけは君のことを思っているよ。
通り過ぎた過去は変えられない分、悲しい。「もしも」はないから余計に辛い。
君が笑う。君が泣く。君はまた笑う。
世界はきらきらと輝く珠をつなげたネックレスのようなもの。
君の笑顔と泣き顔の数の分だけ、君の世界はつながっていく。
僕はそれをそっと糸に通しながら、いと惜しく思う。
大きさも色も違う珠を連ねたものは君の背丈よりも長くなったよ
君の優しさに牙を突き立ててみたい。
そのとき、君がどんな顔をするのか見てみたい。
傷つけられてもなお君は優しくいられるのだろうか。
懐かしの秘密基地はすっかり廃屋になってしまった。
時間は残酷だななんて感傷に浸ってる暇はなかった。
仲良しのヤエちゃんとリンちゃんどちらかと付き合うなんて俺には選べない。
一緒に遊んだ仲なのだから。
かつての秘密基地は険悪なムードに包まれていた。
人類が宇宙に出ても蚊とは無縁ではいられなかった。
痒みが引くというわらべ歌を口ずさんでいると、モノリス型の相棒が「どうしたの?」と訊いてきた。
蚊に刺されたと答えたら、熱いお湯が入った真新しいコップがテーブルに出てきた。
大切な人に書く手紙のインクのように青みがかった黒い空にぽっかり空いた穴のように月がふわふわゆらゆらと浮かんでいた。
それは火であぶって出てくる文字のように不思議な穴で空の青黒さをいっそう引き立てている。
見ているとあの穴に吸い込まれるような気がしてくる。
真っ白な満月が輝く夜でした。
魔法使いのおばあさんは満月で輝く泉に飛び込むように娘に言いました。
「あとでわかるよ」とにやっとも笑いました。
娘は意を決して飛び込むとどうでしょう。
言葉を失った娘は、水の冷たさに悲鳴を上げられたのです。
失ったものを取り戻せたのでした。
僕が好きな曲を君が好きで嬉しい。
一つずつ共通点が見つかっていくのが楽しい。
僕は一人じゃなかった。
君も一人じゃなかった。
そんな証拠のような気がするから。
君を愛していると何度でも叫ぶよ。
君に届くまで、何度でも言うよ。
愛している。
そう伝えることを恥ずかしがっていてごめん。
何度でも謝らせてよ。
君を愛しているんだ!
君だから、そんな君だから僕は愛しているんだ!