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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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 桜の花はあまり好きじゃなかった。
 「どうして?」と訊かれるといつも曖昧に言葉を濁していた。
 春の桜は出会いより別れのイメージが強いから、好きじゃない。
 蕾が柔らかくなっていきなりパッと咲く桜の花。
 舞い散る姿が離れていく後ろ姿とダブる。
 だから、桜の花は好きになれない。
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 黄色のカードを集めるゲームは記憶力勝負だ。
 相手の裏をかき、いかに黄色のカードを多く集めるかにかかっている。
 最も多くカードを集められたものはキングになり、その場の支配ができるようになる。
 場の支配は強力で神が結んだ契約をも解消させることができる。
 群青色の空は言葉など必要などないぐらいの何もない空っぽの青空だった。
 旅行く人が足を止めて尋ねる。
「ここは何と綺麗なところですね。誰が描いた夢ですか?」と訊く。
 すれ違っただけの人は
「夢を見た人は、もういないよ」
 と答えた。
「そうですか」と旅行く人はうなずいた。
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 涙がポツリ。
 あの日から泣かなかったんじゃない。
 泣けなかったんだ。
 君の目から涙を奪ったのは、僕の涙だ。先に泣いてしまったから君は泣けなくなってしまったんだと、気がついた。
 何気ない街で流れていた流行歌が君の瞳を潤した。
 頬を伝う涙。
 君は息を止めて涙を流した。
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 約束を守れず、裏切られたと感じながらも、やっぱり約束を交わしてしまう。
 今度こそ守りきりたいと願いながら、結局果たされずに終わった約束が積み重なっていく。
 裏切られたと泣きながら、新しい約束が守られるのを期待している。
 君を信じているから、裏切られても信じているから。
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「こんな時間にどうしたの?」
「用がないと電話したらダメな関係な訳?ボクたちは」
「そうじゃないけど今までかけてきたこと、一度もなかったからビックリしただけ」
「元気だった?」
「うん、今日一日元気だったよ!」
「そっか、じゃあね」
 君の声を聴いたから安心したなんて言えない
 真っ白な閃光が体のサイドを通り抜けた。
 それから軽い足音が俺を抜いていく。
 大振りな刀を背負った少女が
「何、ボーっとしているの! 戦って。あいつを閉じ込めないと!!」
 叫んだ。
「君は?」俺が訊くと
「貴方と一緒に戦うために調整されたオートマタよ!」
 少女は刀を振りぬいた。
 国を留守にしての戦いは頭痛の種だ。内にも外にも乱がある。
 支えてくれる臣下は少なく、即位できたのは血筋のみ。
 初代から連綿と続く血が私を王にした。
 何も力を持っていない私を。
 内に潜みし、不和を解消できないまま、新たな戦いが始まったのだ。
 そちらに集中しなければ。
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 今、私は口を開くわけにはいかないのです。
 いったん開いたら止まることなく、お腹に溜まった不安が溢れ出してしまうでしょう。
 だから口を一文字にして黙っていようと思っているのです。
 撒き散らした不安はきっと醜い形をしているでしょうから。
 口を開いてはいけないのです。
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 こんなときだからかな。
 甘い卵焼きが食べたくなる。お母さんが作ってくれた甘い甘い卵焼き。
 自分で作ってもあの美味しさには届かない。
 黄色くてふわふわの卵焼きは夢の味。
 一人じゃあの味まで届かない。
 君と一緒ならあの味に届くかなぁ。
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 書き終わったばかりの手紙。
 一分一秒でも早く届いて欲しくて、切手を貼ると、手紙だけ握ると自転車に乗った。
 外は冷たい風が吹いていて頬を撫でていくけど、心は温かい。
 一番近い郵便局のポストに手紙を入れた。
 この手紙は明日の朝には届くだろうか。
 君に早く伝えたい言葉たちが。
 真っ暗闇の色をしたゴシックドレスを着た少女が目の前に現れた。
 にわかに空は掻き曇り遠雷が光る。
 まるで目の前の少女が引き寄せたようだった。
 驚愕に振るえ声一つ発せない私に少女は、にこりと笑った。
 「御機嫌よう」と。「貴方に会いたくて会いたくて仕方がなかったわ」と言った。
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 寂しがり屋の娘が作った硝子の風鈴はとても綺麗な音で鳴るので有名なのです。
 娘が泣く声をそのまま音色にしたようにチリリィーンと風に合わせては鳴るのです。
 恋した人に届けば良いと娘のこさえた風鈴はチリリィーンと鳴り続けるのです。
 街の人たちはそれを知らずに風鈴を買うのです
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 置き忘れられた鈴のように、風に吹かれるとカランコロンと鳴るのです。
 私のお腹の中には鈴があるのです。
 悲しいことがあるとカランと鳴り、寂しいことがあるとコロンと鳴るのです。
 それが耳まで届くと、いっそう悲しく寂しくなるのです。
 真夜に鳴る鈴のせいでまた眠れなくなるのです
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 夜更け過ぎの雨は誰かの涙のような気がして、いっそう切なくなる。
 無言のまま泣かないで、どんな話でも耳を傾けるから。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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