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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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眼鏡の曇りが気になって、いったん外す。
 息を吹きかけて眼鏡拭きで拭いていると、男子が眼鏡を取り上げた。
 チャラ男なのに紙一重的きわどい才能で、嫌われていない男子だ。
「眼鏡ない方が可愛いよ。コンタクトにしたら」男子は言った。
「眼鏡、返して」私は絞り出すように言った。
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色をテーマにした原稿の執筆依頼がきた。
 どういう風に解釈しても良いということだったので、単純に好きな色をテーマにした。
 空の青と海の青。
 ミカンをむきながら、どんな話にしようかと頭を働かせる。
 ありきたりなものではなく、ハッと驚かせるようなものを書きたい。
 字書きの悪癖だ
幼なじみの海は賢い。
 大人たちよりもずっとずっと賢い。
 神童というヤツだった。
 私には自慢の幼なじみだった。
 ある日の夕方、海が庭伝いで縁側からやってきた。
「どうしたの?」と私が尋ねると海はハラハラと涙を零した。
 私は海を抱き締める。
 そうした方が良い気がしたからだ。
夜のキッチンで洗い物と明日の朝ご飯の下ごしらえをしていた。
 階段を降りてくる音がした。
 受験生の妹がうつむき加減で歩いてきた。
 キッチンに無言に座る。
 ミルクパンに牛乳を注ぐ。
 鍋肌がふつふつしたところでマグカップに注ぐ。
 妹の前に置くと泣き出した。
 俺は吐息をつき頭を撫でた
彼女は泣き顔で、俺の両手のひらに触れた。
 体温よりもわずかに温かい水滴が手のひらを伝わっていくのが分かる。
 泣き顔を見られたくないんだろう。
 俺は彼女の泣く理由を思いを巡らせる。
 きっと俺の知らない過去のことで、泣いているんだろう。
 静かに泣く彼女を抱きしめたいと思った。
夏祭りの熱気に浮かされながら、屋台を巡る。
 マスコットキャラの鯨が風船となってぷかぷかと宙を浮いていた。
 ユーモラスな風船に思わず笑みがこぼれる。
 いつもは静かな商店街も今日は大賑わいだった。
 とっておきの非日常だ。
 楽しまなくては損だ。
 パンフ片手にメインストリートを歩く
英語のテストで赤点を取った。
 お母さんには叱られ塾の教師には溜息をつかれた。
 普通の子だったら最低だと思うだろう。
 私は逆に気持ちいいと思った。
 頑張るだけ頑張ってこの点数だったのだ。
 これからもっと勉強すれば、点数は伸びていくに違いない。
 英語の補習授業を受けながら思った
一つの木の葉を隠すために、林を作った。
 一つの嘘を隠すために、たくさんの嘘をつくはめとなった。
 真実を明らかにしたいという思いと、この秘密を墓場まで持っていかなければという思いの間で揺れていた。
 白昼堂々とピストルの音が鳴った。
 私の胸を撃たれた。
 これで悲願が達成された
湖を半分、埋め立てられることとなった。
 環境破壊だと何度も行政に掛け合って見たけれども、のれんに腕押し状態のまま、工事は行われることとなった。
 自然体系は破壊され、野鳥の半分はどこかへ消えていった。
 冷酷な記憶は覚えている。
 かつては豊かだった、湖のことを。
部員募集中のポスターをどこに貼るかで右往左往した。
 短歌部なんてマイナーな部活は今時、流行らない。
 入学したてでわけも分からないうちに入部してしまったのが運のつき。
 地味なポスターを抱えて学校を歩き回る。
 どこか目立つ所に貼らなきゃと、目に飛び込んできたのは鉄棒だった。
会社の近くに小さな公園がある。
 昼ごはんの時にそこのベンチにお世話になることが多い。
 今日は同僚と一緒に公園に来た。
 お弁当を広げる。
 髪がばさりと落ちてくる。その度、後ろにやる。
「食べづらくない?」同僚は訊いた。
 頷くと髪を結ばれた。
「ありがとう」オレンジをお礼に渡す。
下り電車に連れ立って乗った。
 ちょうど二人分、席が空いていたのでそこに腰を下ろした。
 特に会話をする必然性を感じられなかったので無言のまま、車窓を眺めていた。
 すると、軽々しく、手のひらを握りしめてきた。
 視線をくれてやると、相手はニコリと笑った。
 楽しいのだろうか。
屋上はギャラリーでいっぱいだった。
 超能力者同士のバトルが見られるのだから、ある程度の混雑は仕方がないとはいえ、異常な量の生徒が集まっている。
 中には教員も混じっているのだから、呆れる。
 二人の超能力者は相対したまま動かない。
 力量が同じぐらいなのだろう。
同じ制服を身に纏った集団から、彼だけが違った。
 魚の群れのように集まっている中をするりと抜けていく。
 集団を拒絶するわけでもなく、一歩引いたその姿勢が好ましく映った。
 どうすれば彼のようになれるのか知りたいと思った。
 彼は孤独のようには見えなかった。
 楽しげにすら見えた。
夜中に目が覚めた。
 静かな家の階段を下りていくとダイニングに明かりが灯っていた。
 兄がノートパソコンで作業しているようだった。
「眠れないの?」兄の質問に頷く。
 ホットミルクを作ってくれた。
 マグカップを手のひらで包むように持つ。
 悪夢を見たことを言いそうになって、耐える。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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