8月31日の夜。
課題が積まれた机の上を見て後悔した。
手つかずの課題も多い。
いや手つかずの課題しかない。が正しい。
夏休みの宿題は夏休みの内に終わらせておくべきだろう。
毎年後悔している。
それなのに進歩がないのはどういうことだろう。
自由に遊びまわった日々に後悔している
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彼は天才だった。
真新しい楽譜を一通り読むとピアノの元に向かった。
大きな手のひらから音楽が紡がれる。
ミスタッチも一度もなく弾ききった。
一度、読んだだけの曲を自分の物にしてしまったのだった。
それに驚愕する。
掛け値なしの天才の実力を見せつけられたのだ。
私は拍手を送った
「きわどいメガネキャラだよねー」と幼なじみのメガネフレームにふれる。
「どういう意味だよ」幼なじみは私の手を掴んだ。
「そのまんまだよ。Sっけがありそうな感じがするなぁって」
「そういうこと言うと苺はもうやらないぞ」
「そういうところとか」と夜のベランダで話していた。
新しい家は大きく、一人一人に部屋があった。
部屋自体もゆとりを持った設計になっていた。
真新しい木の香りに包まれて、ベッドに転がる。
何かが物足りない。
予測できたことだ。
人肌が恋しいのだ。
兄弟揃って並べていた布団が恋しくなった。
そこには家族というぬくもりがあった。
昼下がり私室でゴロゴロしていた。
無事に荷物を下ろし、契約金が支払われた。
あとは地球に帰るだけだ。
少女型のAIがアラートを鳴らした。
「倉庫に生命反応があります」はた迷惑なことを告げる。
起き上がり倉庫に向かうと少年がうずくまっていた。
踏んだり蹴ったりとはこのことだ。
「あ、星が流れた」と少女は明るい声で言う。
「凶兆ですよ」少年は言った。
「だって、あんなに明るい流れ星はなかなか見られないわよ」と気にせず少女は言う。
「どんどん星が流れていく」少女は空を見上げる。
それに付き合う少年は溜息を一つ零した。
代わって欲しいとは思わなかった
幼なじみと街に出かけた。
体の良い荷物持ちだ。
幼なじみが嬉しそうに、腕を軽く握ると路地裏に引っ張り込まれた。
「何だよ、急に」
「静かに」幼なじみはニコニコ顔で言った。
しばらくすると、テニス部の部長が女連れで歩いてくるのが見えた。
路地裏に身を隠して通り過ぎるのを待った
虚構世界でお花見をしようという事になった。
集合場所は万年桜の下だ。
部活仲間とオンラインでも繋がっているのは楽しい。
私はさっそくログインした。
万年桜はイベントもなく、いるのは部活仲間だけだった。
枯れずにいつまでも咲いている桜は、虚構世界ならではという感じだった。
唇を掠め取られた。
驚いて目から涙が零れた。
初めてのキスだったから、夢が壊されたような気がした。
綺麗な夜景も目に入らない。
もっと大切にしたかった。
その気持ちを解って欲しいと思った。
泣く私を彼はなだめようとするけれど、よりいっそう悲しくなるのは何故だろう。
15分寝坊した。
その分、家を出るのが遅くなった。
自転車でダッシュしたけれども、電車は発車してしまった。
乗り換えの駅に早くつけと願いながら次の電車に乗った。
吹きさっらしのホームは寒かった。
彼女を見つけた。
声をかける前に怒り顔で、指先を軽く握ってきた。
「ゴメン」謝る
音楽室で相方のなるちゃんが難しい曲を弾いていた。
タイトルは分からないけど、その曲が難しいという事は、なるちゃんの指の動きで分かった。
鍵盤を走るなるちゃんの指先。
それを見つめている間、私のもとに睡魔が忍び寄ってきた。
こっくりと舟をこぐ。
良い夢が見られそうだった。
彼から子供扱いされるのが嫌だった。
確かに彼の方が大人だったが、私だって結婚できる歳だ。
愛されているという自覚はある。
我儘だという事も解っている。
それでも、蜂蜜をかけたかのような甘さだけの恋は卒業したい。
彼が背負っている物を半分こ出来るぐらいには大人なんだ。
幼少の頃から慣れ親しんだお屋敷ともお別れの季節が巡ってきた。
もう大人なんだから自立しなければならない。
けれども涙が枯れず、私は慟哭した。
引き取ってくれたおじさんの目にも光るものがあった。
今は暖かい思い出も切なく胸を締めつける。
私は上手く言葉を紡げず屋敷と別れた。
激しい雨が窓をノックするように降っていた。
街は人の気配がしないように静まっていた。
扉を乱暴に開けようとする音がした。
その音にビックリとしながら室内でだんまりを決め込む。
外には最高の罠が張られているはずだ。
そこへ飛び込む度胸はない。
怪異が通り過ぎるのを願うばかりだ
ルームメイトは今日も残業のようだ。
留守番を任されたようで、あまり好きじゃあない。
暇潰しに雑誌を手に取る。
読者モデルがガーリーな服を着こなしていた。
可愛い洋服を見ると買いたくなるが、自分の体形には似合わないことに気がついてからはシンプルなデザインを買ってばかりいる