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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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日が暮れるのが早くなった。
気がつけば、もう夕方だった。
少女を送っていく時間になっていた。
満面の笑みを浮かべながら、指先を握り締めている少女の顔を曇らすのは忍びない。
それでも二人の間には夜の時間は早すぎる。
太陽が輝いている時間だけが許された時間だった。
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何の気なしに窓を開けると、ついっと手紙が一通舞い込んできた。
中身は見なくてもわかる。
戦いのお誘いだ。
日時と場所を指定してくる。
青年は読み終わった手紙を机の引き出しに仕舞う。
同じような手紙が何通も入っていた。
中途半端な髪をヘアゴムで結ぶと、神剣・神楽を握り締める。
湯船に浸かりながら悩む。
明日は和装で出かける予定だった。
髪に紅い椿を挿すか、白い椿を挿すか。
どちらが良いだろう。
どちらがより美しく魅せてくれるだろう。
あの人の目に映る時は完璧の私でいたい。
強く印象に残したい。
それこそ火傷するほど熱く。
だから湯船の中で悩むのだった
「どんな願い事も叶えてあげよう」約束を破った埋め合わせに言われた言葉だった。
言われてから、ずっと考えている。
本当は約束が叶う方が何倍も嬉しかったけれども、それは過去のことだ。
今更、穿り返して波紋を広げても意味はない。
未来に期待する方が健全的だ。
でもと考えてしまう
寄せては返す波。
変化なんてないように見えて刻々と変わっていく。
体の中にあるもう一つの海とリンクする。
潮騒の音が耳につく。
細い血管を流れていく血液のように、波音がする。
還りたいと心の奥底で叫んでいる。
あの広大な海に還りたいと胸の内がざわついて眠れない。
背が低いから、つり革に手が届かない。
席が空いていれば座るんだけど、今日は満席だった。
電車がカーブした。揺れる車内で足を踏ん張ったけれども、よろめいた。
「ほら」と手を差し出された。
遠慮がちに、指を握る。
すると指をぎゅっと握り返された。
「これで大丈夫だね」笑顔つきだ
この寒い中、電車を乗り継ぐ。
目的地は教えてくれなかった。
電車を降りると寒さは倍増した。
冷たい風に吹かれながら、彼の後に続く。
どこまで行く気だろう。
「ついたよ」と彼に言われて、顔を上げる。
夜景がキラキラとか輝いて目を奪われた。
「穴場なんだ」と彼は得意げに言った。
映画の中で咲いていた桜が脳裏から離れない。
別れと出会いの象徴として舞っていた花びら。
忘れようと寝返りを打つ。
可憐な花びらを散らしながら、主人公の心情を表していた。
それに感情移入してしまった。
主人公が選んだ道が納得できないから、胸に焼きつく。
どうにも眠れない。
この前、練習を見てくれたお礼にお菓子を作った。
喜んでもらえるだろうか。
ドキドキしながらラッピングした。
女生徒に囲まれている彼にお菓子を差し出した。
すると嘲笑が起こった。
「手作りなんて何が入っているかわかりませんわ」女生徒が言った。
胸が痛む。
逃げるように走り去った
白と黒の格子柄を男は見ていた。
膝の上には分厚い本が乗っていた。
一人きりでチェス盤を動かしていた。
棋譜を見ながら、在りし日の対戦結果を表現していた。
向かい側には対戦相手がいた。だが、今は一人きりだ。
それを孤独とは思わない。
「チェックメイト」男は呟いた。
がらがらに空いた車内に並んで座った。
滑るように電車は走り出した。
彼女が堂々と、手のひらを指先でつつく。
何事かと思って彼女を見つめる。
「あれ見て」彼女はつり広告を指す。
クリスマス特集をしている広告が空調に揺れていた。
「今年のクリスマスはどうする?」期待した目が見る
寒空の中、待ち合わせ場所で彼女を待っていた。
日が暮れて気温は下がるばかりだ。
待つ時間は苦痛ではない。
いつも走ってくる彼女の笑顔を見れば、どれほど待たされても許してしまう。
それほど彼女のことが好きなのだ。
それに待ち合わせの時間よりも早く到着している自分に苦笑する。
太陽光を浴びなければ生命を維持できない体。
毎日、決まった時間だけ外に出ていた。
曇りや雨の日が続けば体調を崩す。
それほど太陽に依存した体は、病的なほど白い。
どんなに太陽光を浴びても小麦粉色の肌を手に入れることはできなかった。
それが理由で外出を拒絶するようになった。
彼が優しく、指先を握り締める。
心臓がトクンと跳ねる。
恋人同士になってからずいぶん経つけれども、手を繋ぐ度ときめく。
壊れ物を扱うように慎重に触れてくる彼にドキリとする。
彼の仕草には愛情が込められている。
友達とは違う触れ方に緊張と期待が混ざり合う。
それが胸を鳴らす。
気がつけば漆黒の夜が訪れていた。
腹の虫が鳴いた。
昼食をとった記憶はある。
そこから飲まず食わずで本を読みふけっていたようだ。
続きが気になって夕食を抜いてもいいかもと不健康な考えが過る。
再度、腹の虫が鳴いた。
諦めて本にしおりを挟む。
展開が読めない本だから気になる。
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プロフィール
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iotu(そら)
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自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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