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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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涙を零したことも、夜眠れないほど不安になったこともなかった。
楽しかった記憶しかなかった。
それを語ると「きっと幸せだったんでしょう」と言われた。
確かに、それは幸福だった。
過ぎてから気がつく。
キラキラと輝く想い出を携えて、今日も生きる。
また幸せな日々がくるときまで。
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長い髪の方が好きだと聞いて髪を伸ばした。
ショートカットだったのがロングになるまで。
料理上手な女の子が好きだと聞いて台所に立つようになった。
でも、ある日貴方にお似合いの彼女ができた。
言う前に失恋してしまった。
髪は切れないでいる。
もしかしたら振り返ってくれるかもと。
アナログなコミュニケーションしか持ち合わせていない僕ら。
便利なデジタルなコミュニケーションよりも、密度が高いような気がする。
メールもラインもないから、飛び飛びになる手紙が二人を繋いでいる。
逢えば言葉なんていらず、無言で寄り添うあう。
一緒にいられる時間がすべてだ。
二人の関係が許されないというのなら、このままま世界の果てに行こう。
誰も知らない場所で、盛大に睦みあおう。
心に宿った恋情は、反対されるほど、燃え上がる。
どんな風が吹こうとも、どんな雨が降ろうとも。
胸に灯った恋心を消すことなんて不可能だ。
二人だけの世界に行こう。
あまりにも君が大切だから告げることができなかった。
移ろいゆく季節の中、ずっと一緒にいたけれども。
気持ちを伝えることができなかった。
どこまでも自由にいて欲しかったから。
縛りつけるような言葉を口にはできなかった。
君が離れていって、いまさらそれをちょっと後悔している。
カランコロンと音を立てて、グラスの中の氷がじっくりと溶けていく。
ガラス製のグラスから水滴がテーブルの上に落ちていく。
これで最後だと思うと、終わりの言葉が思いつかなかった。
カランコロンとグラスをもてあそびながら、流れていく時間に耳を澄ませる。
中途半端に伸びた髪をヘアゴムで結ぶ。
戦う前の儀式のようになっている。
神剣・神楽を手にすれば律動で、気分が高揚する。
不安げに見上げてくる双眸に、大きく頷く。
「必ず帰ってきてくださいね」と結界前で少女は言った。
残される方が辛いだろうに。
巫女は気丈にも見つめ返してくる
運命は残酷だ。
幾度めかの邂逅の末、幼馴染は冷酷な帝国軍人になっていた。
小さな村で一緒に生まれ育ったのに、運命は別たれた。
どちらに正義があるのか、分からなくなる。
ただ民を救いたいという気持ちで、解放軍に参加したけれども。
それが正しかったかどうか、判断がつかない。
口論の末、沈黙がやってきた。
同じ部屋にいるのに背を向けて知らん振り。
すると彼女が遠慮がちに、僕の手のひらを指先でつつく。
口下手な彼女なりのサイン。
「さっきは言い過ぎた。ゴメン」と素直に謝る言葉が出てきた。
「こっちこそ、ゴメンナサイ」瞳にいっぱいの涙を浮かべていた
「雪が見たいなぁ」と君が呟いた。
一面の銀世界を見るのが稀な地域に住んでいれば、当然だった。
「今年はスキーでも行く?」
と僕が言ったのは自然な成り行きだった。
寒さを言い訳にして、くっついていられると思った。
君は首を緩く横に振った。
「そんなにたくさんじゃなくていいの」
人生初の告白は見事に玉砕した。
相手は学園の王子様。
私は平凡な女子生徒。
高望みだということは分かっていた。
相手も断るのは慣れているようだった。
優しく断られた。
それでも涙が止まらず、泣いていると幼馴染が物陰から現れた。
「なんてここにいるの馬鹿」と怒鳴ってしまった。
外は肌を灼くほど太陽が輝いている。
立っているだけで、汗が噴き出してくる。
扇風機が回っている部屋は外よりはマシだったが、エアコンを入れたくなる。
その中、横たわる少女の枕辺で座っていた。
ぎこちなく、指先を両手で包む。
ひんやりとした指先に安堵した。
熱は下がったようだ。
彼は「好きだよ」挨拶代わりのように、毎朝言ってくる。
それに辟易しながら「私は好きじゃないから」と返す。
「心配しないで。一生かけて、口説き落としてあげるから」と不穏なことを言われる。
挨拶代わりの気持ちに応える義務はない。
だから、私は今日も同じ言葉をくりかえす。
ふいに意識が覚醒する。
目覚まし時計を見る。
数秒遅れで、目覚まし時計はメロディを流し始める。
それを止めて、ベッドから降りる。
カーテンを開ければ、弱々しい朝の光が部屋に差しこむ。
窓を思いっきり開ける。
湿気が混ざった空気が頬をくすぐる。
今日も暑い一日になりそうだった。
もう一生、逢うことはないだろう。
永訣の朝に気持ちはスッキリとしていた。
出逢えたことを後悔はしていない。
こうして別々の道を歩むことを知りながら、移ろう季節を数えていた。
サヨナラにくちづけをする。
何度も交わしたくちづけもこれでおしまいだ。
言葉の代わりに唇を重ねた。
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プロフィール
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iotu(そら)
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自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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