忍者ブログ
ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

蜜柑が出回る季節になった。
こたつの上に乗せられた蜜柑に手を伸ばす。
よくもんでから皮をむく。
甘酸っぱい香りが広がる。
白い筋を丁寧にとって、一房口に運ぶ。
甘くて、次から次へと食べてしまう。
あっという間に平らげてしまった。
もう一つ、と新しい蜜柑に手に取る。
止まらない味わいだ。
PR
独り閉じこもっていた。
外の世界は怖く毛布をかぶって部屋の片隅で震えていた。
そんな僕の部屋に乱入してきて君は窓を開ける。
明るい日差しと涼し気な風が室内に入りこむ。
それは想像したよりも穏やかで優しかった。
君が手を差し出した。
僕はその手にしっかりとつかまった。
外に出るために。
初めて他人というものを好きになった。
大切にしたいと傷付けたいをいったりきたりする。
僕以上に君は僕を好きになってくれた。
無味無臭なスープを飲んでいたような人生にスパイスを入れてくれた。
だから大切にしたい。
けれども二度と忘れられないように傷付けたい。
相反する気持ちで揺れる。
真新しい制服が届いた。
採寸をしてから、楽しみにしていた。
自分だけの物だ。
今までお姉ちゃんのおさがりばかりで、自分だけの物は少なかった。
お姉ちゃんは優秀で難関高校に入学した。
私ときたら地元の公立に受かるのが精いっぱいだった。
それでも自分だけの制服は宝物のようだった。
こんなにも悲しくなるなら「好き」って伝えればよかったかな。
一緒にいられた時間がキラキラと輝いて、落ちていく。
君と出会えてよかったと思う。
その同じぐらい出会わなければよかったと思う。
君は大きな荷物を持って電車に乗りこむ。
それを止めたくなる。
そっと、手のひらをぎゅっと握る。
見ているだけでは手に入らない。
そう発破をかけられて、告白した。
自分の気持ちを正直に伝えるのは勇気がいることだった。
答えは謝罪だった。
今、付き合っている恋人を大切にしたい、という理由だった。
誠実な人だった。
こんな素敵な人に恋人がいないはずがない。
好きになって良かったと思う
もう少し早く生まれてきたかったな。と少女は思う。
そうすれば色んな彼と一緒の時間を過ごせただろう。
どうしても埋められない歳の差に、やきもきする。
デートのつもりでも保護者同伴の遊びに間違えられる。
だから「今日はカップル割引があるんですよ」という女性係員の言葉に舞い上がった。
私のこと、いつまで子ども扱いするの?
甘いお菓子で機嫌が直ると思っているのなら大間違いよ。
ビターなチョコレートをも食べられるんだから。
コーヒーだってミルクも砂糖もいらないわ。
そんなのは、とっくのとうに卒業したんだから。
それでもあなたの前にはまだ小さな女の子がいるのかしら。
「好きだよ」と気軽に貴方は言う。
記念日を忘れることはない。
誕生日には歳の数だけの紅薔薇を持ってやってきた。
人前でも気にせず、手を繋ぎたがる。
なんて恥ずかしい人なんだろうか!
私とは正反対の性格に驚いてしまう。
今も臆面もなくキスのチャンスをうかがっている。
恥ずかしすぎる。
貴方の背中ばかりを追いかけていた。
貴方は未来そのもので、希望だった。
だから、隣に立つことも、正面から見つめ合うこともなかった。
眩しいぐらいの貴方の影を踏むこともできなかった。
だからか、貴方の後ろ姿しか思い出せない。
たくさんの季節を一緒に過ごしたというのに。
想い出は一つ。
海に泳ぐ魚のように。
空を飛ぶ鳥のように。
君という名の心の中でたゆたっている。
それを知って、どれほど幸せだったか。
君は知っているだろうか。
君の柔らかな場所で、自分がいる。
泣きたくなるような切なさと喜びで、胸がいっぱいになる。
これまでも、これからも、君の優しさの中にいたい。
君は図書室で本を読んでいた。
昼休みのありきたりな光景だ。
でも、僕にとっては大切な時間だった。
君は僕に気がついて「おはよう」と挨拶する。
僕も「おはよう」と返した。
「本が好きなんだね」君が微笑む。
本よりも君が好きなんだ、と今日も言えずに僕は「隣の席に座ってもいい?」と言う。
天邪鬼だから、つい反対のことを言ってしまう。
それなのに君は気にしないで、付き合ってくれる。
面と向かっては言えないけれども感謝している。
「今日は思っていることの反対を言ってみようか」君は柔らかに微笑む。
この提案なら素直な気持ちを伝えられるような気がした。
君は頭がいいと思う
「ただいま」鍵を開ける音で目を覚ました。
時間を見ると深夜を少し回ったところだった。
どうやら待っている内に眠ってしまったようだ。
立ち上がり「お帰りなさい」玄関まで向かう。
夫の表情は暗い。
「ねぇ、大丈夫?すぐご飯にするね」と言った。
「先に寝てても良かったのに」と疲れ顔で言う
「一生懸命に頑張りますから、捨てないでください」涙混じりに妻が言った。
今日も家事を失敗したらしい。
不慣れなことをしているのだから、仕方がないことだ。
涙でぬれた頬に口づけをする。
「手放すつもりも、ないですけれど。おいおい覚えていけばいいよ」
僕の言葉に、妻はさらに涙を流す。
PREV ← HOME → NEXT
プロフィール
HN:
iotu(そら)
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
フリーエリア
忍者ブログ [PR]
 △ページの先頭へ
Templated by TABLE ENOCH