痕すら残さない神剣・神楽でも限界はあるようだ。
シャツのボタンをかけている最中に傷が疼く。
突然の痛みに狼狽して座りこむ。
痛みの部分を撫でながら、深呼吸をする。
「大丈夫だ。これぐらいなら耐えられる」自分に言い聞かせる。
早く着替えないと少女がやってくる。
心配させてはいけない。
PR
戦に負けた。
敗者の国はただ一人の姫君を勝者の国に差し出した。
「胸を張ってください」召使は言った。
「そんなの無理よ」鏡の中の少女は今にも泣きだしそうな顔をした。
「これからは王太子妃なるのです。せめて、隣に立つことだけはできるようになりませんと」
召使は少女の頭に冠を載せる。
大人になったら好きな物を好きだけ食べるんだ。
嫌いな野菜なんて食べずに、ハンバーグやお寿司をたらふく食べるんだ。
ジュース、いやお酒だって遠慮せずにたくさん呑むんだ。
早く大人になりたい。
そうしたらガミガミいうママの元から離れて、たまにしか顔を合わせない無関心なパパから離れる
「あーあ、なんて可哀想な君」
背後から声が降ってきて少女はビックリする。
振り返れば、幼馴染の少年が立っていた。
「驚かせないでよ」少女は目を三角にする。
「先、越されたね」少年が言う。
出来立てほやほやな恋人同士がいた。
盗み見する気はなかったけれども偶然見てしまった。
少女は俯く
好き、大好き、愛してる。
この気持ちは君にどこまで届いてる?
僕の心は君でいっぱいになっている。
どれだけ言葉にしても、まだ胸の中に残る感情。
出会った時は想像しなかったぐらい君に夢中だ。
僕を見上げる瞳。
僕の名前を呼ぶ声。
一つ一つが愛おしくて離れがたい。
君に会えない休日は辛い。
明日、朝が来たら、君を迎えに行こうと思う。
暗い夜、あてどなくさまよう君を思ったら、いってもたってもいられなくなった。
朝日が出たら探しに行こうと思っていたのに、月夜の中、君の名を呼んでいる。
やっぱり君は公園のブランコで座りこんでいた。
そして、大きな瞳には涙が浮かんでいた。
放課後の空き教室で宿題を片付けていた。
家に帰ると宿題をするどころじゃない。
年の離れた兄弟の面倒が待っている。
だから宿題は学校ですましてしまうことが多い。
ふいに教室のドアが開いてクラスの問題児が入ってきた。
無視して宿題を続ける。
「ねぇ、あんた頭いいんでしょ?勉強を教えて」
広い世界の中、巡り会えたのは奇跡。
お互いに好意を持ったのは運命。
君だけがいい、君しかいらない。
他のどんなものを差し出しても、君に代えることはできない。
くりかえしている日々の中、君と過ごすときは一瞬一瞬が違う。
同じ時間はやってこない。
だから大切にしたいと思うし、している。
失敗を重ねてようやく成功した媚薬づくり。
飲めばどんな朴念仁でも恋に堕ちる。
国王陛下から密命を受けてずっと試行錯誤を繰り返した。
動物実験は成功した。
あとは人体実験だが、ちょうどよい人物はいないだろうか。
代々の魔法使いが記してきた本の通り作ったから、効果はあるはず
空と違って、地には果てがあるという。
それを長老から聞いた少年は、地面を見ては夢を見る。
地の果てまで行ってみたい。
小さな村には退屈な平穏があったけれど、物足りない。
髪や肌の色が違う人たちが暮らしている村も見てみたい。
大きな湖よりも大きな海とやらを見てみたい。
冒険に出たい。
同じ高校に通っているお隣さんとすれ違う。
いつもだったら挨拶をして各々のクラスまで向かう。
昨日の一件があったので、一緒に登校する気になれなかった。
すると後ろに引っ張られた。
幼馴染が泣き顔で、手のひらにしがみつく。
「ごめんなさい」幼馴染が謝る。
溜息ひとつつく。
「こちらこそ」
君は僕に勝てない。
いい加減思い知れば良いのに、鈍感な君は気づかない。
僕が恋した人は何事も一生懸命で諦めるという言葉を知らない人だ。
そんな君に振り回されて、一日が終わる。
それはそれで楽しい日常なのかもしれない。
思い知るのは僕の方か。
どうしようもないくらい君に惹かれている。
お菓子のパッケージにプリントされている数字を見比べている。
食べたいお菓子の方がカロリーが高いようだ。
棚に戻して、カロリーが低い方をカゴに入れた。
そんな少女の肩に手を置く。
「お菓子って時点で気にしても無駄だぜ」と言った。
「乙女心がわからないやつに言われたくない」と返された
「君のことは嫌ってほど好きで、憎たらしいくらい愛してる」と僕は言った。
君はきょとんとした顔でアイスティーを飲んでいた。
「つまり、好きってこと?」君はストローをタクトのように振る。
「自分でも信じられないぐらい好きなんだ。そして、そんな自分が嫌気がさす」
僕は心の底から告げる
「ねぇ、そんなに仕事してるけど大丈夫?」心優しい親友が言った。
久しぶりに一緒に夕食を食べている最中だった。
牡蠣のドリアが思ったよりも熱くて、なかなか食べ終わらない。
親友はドリンクバーで紅茶を飲んでいた。
「大丈夫だよ。頑丈なのが取り柄だし」私は笑う。
「そう」親友は呟いた。