忍者ブログ
ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

青年は箒で木の葉を集めていた。
視線を感じて顔を上げると不思議そうな表情の少女と目が合った。
青年はやましいことはなかったが狼狽する。
「焼き芋を作ろうと思ったんだが、食べるか?」青年は木の葉を集めていた理由を話す。
「用意しますね」少女は笑顔を浮かべて、台所の方に姿を消した。
PR
二人で並んで帰る道。
放課後にした罰ゲームは『家に着くまで喋らない』というものだった。
いつも以上に、街並みのざわめきが耳に届く。
まるでカノンのように追いかけてくる足音。
それは想像以上に楽しい。
ふいに君を見た。
君は泣き顔で、僕の指先に触れる。
罰ゲームは辛いものだったと知る。
君を好きになって自由を失った。
君の一挙一動に振り回される。
君が笑えば、僕も嬉しくなった。
君が涙を零せば、僕も悲しくなった。
心の振り子は揺れっぱなしだった。
僕の一番は君になってしまった。
それは幸せでいて、不幸せであった。
君を好きになれなければ、僕は僕らしくあれたのに。
少女は星だけの明かりを頼りに、波打ち際を歩く。
陽が落ちると辺りは真っ暗になる。
寄せては返す波音を聞きながら、少女と離れないように気をつける。
何が嬉しいのか、少女は海を楽しんでいた。
「そろそろ帰らないか?」青年は提案した。
「あと、もう少しだけ」少女は言う。
そして心から笑う
せっかくの記念日だったのに、喧嘩をしてしまった。
ずっと楽しみにしていたから、無言で歩くのは辛い。
このまま今日はお別れなのだろうか。
送ってくれるのは嬉しいけれど、足音だけが響くのは悲しい。
そうこうしているうちに家までついてしまった。
離れるのが嫌で力強く、腕をぎゅっと握る。
桜の様子が気になって眠れない。
まだ固い蕾もつけていない鋭い枝ぶりが強風に煽られていないのか。
折れることはないだろうが心配になった。
パジャマの上にコートを羽織ると、庭に出た。
肌を切るような強風の空は漆黒だった。
雨戸を叩いていたように強い風が吹いていて寒かった。
桜はあった。
「花見?お前がか?気持ち悪い」と幼馴染の少年は言った。
言われた少女は持っていた鞄で少年の背中を叩いた。
「何するんだよ!」少年は抗議した。
「失礼なのはそっちの方でしょう?」少女は澄まして答える。
「だって、お前は花より団子だろう?花なんか全然見てないじゃないか」少年は言った。
過去が呼んだような気がして目が覚めた。
少女は起きる。
カーテンを開けると月光が静かに差しこんできた。
欠けた月はしんしんと輝いていた。
星たちの輝きも月に譲ったのか控えめのようだった。
懐かしい夢を見ていたような気がする。
覚えていないことが少し悲しかった。
少女は月を見上げる。
仕事が終わるぐらいを見計らって電話をかけた。
1コール目であなたは出た。
ビックリして無言になってしまった。
「ちょうど電話をかけようと思ったんだ」あなたは言った。
機械を通した声だというのに、あなたの優しさが伝わってくる。
「仕事は終わった?一緒にご飯が食べたいと思うんだけど」
プリンターから印刷された紙は熱を持っていた。
機械は忙しそうに紙を排出する。
それに目を通して、僕は切り裂く。
陳腐な表現が羅列した紙に価値はない。
僕だけのオリジナリティのある文章でなければ、読者の胸を打つことはできないだろう。
いわゆるスランプに陥っていた。
苦しみが長く続く。
君はすっかり眠りの世界だ。
健康的な寝息が聞こえる。
少しつまらないと思った。
僕は軽々しく、君の指先を指先でなぞる。
白くて細い僕をとは大違いの指を一本一本をなぞる。
それでも眠りに囚われた君は起きる気配はない。
君の寝息を聴いているうちに僕にも欠伸が出る。
寄り添って寝たくなった
君は不満があるのだろう。
押し黙ったまま僕を睨む。
いつもだったら君が切り出すのを待っていただろう。
けれども、僕の心に余裕がなかった。
「どうしたの?」僕は尋ねる。
「別に」君はぶっきらぼうに言う。
不満が駄々洩れしていた。
目は口よりも有言だった。
君はついっと僕の視線から逃げる。
「アイス買ってこようか?」君が尋ねた。
虚栄心が湧く。
いつも買ってもらっている自分が子供のような気がして「いらない」と答えていた。
「本当に?」君は念押しする。
「天気がいいうちに買い物に行ってきなよ」僕はついつい冷たく言ってしまった。
僕の心が傷つく。
たかがアイス一つで。
君は恥ずかしそうに、自分の両手のひらに指を絡める。
いつものようにいたずらをしてこない。
それを意外に思っていると君はそっぽを向いたまま呟く。
「これ以上、嫌われたくないから」小さな声は僕の元まで届いた。
「嫌いじゃないよ。迷惑しているだけだよ」と僕は訂正する。
「同じことだよ」
いつの間に僕と君の距離は開いてしまったのだろうか。
寄り添うように傍にいられたのはいつのことだっただろう。
開いてしまった距離は星々のように遠い。
埋められる日が来るだろうか。
一度、開いてしまった距離を埋めるのは難しいと知っている。
このまま「サヨナラ」をするのは寂しいと思う。
PREV ← HOME → NEXT
プロフィール
HN:
iotu(そら)
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
フリーエリア
忍者ブログ [PR]
 △ページの先頭へ
Templated by TABLE ENOCH