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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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まるで鮮血のようだ。
夕焼けを見ながら、青年は思った。
己の身の内に流れるそれと違いが見いだせなかった。
同胞を斬る時に見るものと同じように見えた。
いつまで不毛な戦いは続くのだろうか。
真剣・神楽に選ばれた以上、使命を全うするつもりだ。
こんな戦いは自分ひとりが背負うので充分だ。
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突然、君は僕の頬を叩いた。
文句を言おうとしたら、君は大粒の涙を零していた。
ポロポロと泣く姿を見て、僕は何も言えなくなってしまった。
「置いていかないで」懇願された。
仕方なく、両手を両手で包む。
「どこにもいかないよ」気休めだと分かっている。
それでもひと時の慰めになるといい。
告げたら壊れてしまうような関係だった。
まるで硝子のような片想いだった。
温度のないそれに、ふれることはできる。
どこまでも透明で心の中まで見透かすことができる。
けれども想いを伝えてしまってはいけない。
硝子のように粉々に割れてしまうだろう。
元のように戻すことはできないだろう。
立春を迎え、日が長くなってきた。
真っ暗闇の中で、登校しなくてもすむ。
それだけのことだったが嬉しかった。
カーテンを開けると、昇る朝日が見ることができた。
ハンガーに吊るしてある制服に着替えると階段を下りていく。
母が朝ご飯の支度をしているのだろう。
お腹がすくような匂いがした。
誰が配ったのか、デスクの上にお菓子が置いてあった。
甘い物はあまり得意ではなかったが、善意だ。
ありがたく頂戴した。
一口、菓子を食べる。
ほんのりと甘いそれは好みの味だった。
以来、そのお菓子を求めて探し回った。
青年の味覚を変えるほど美味しかったのだ。
そして、ようやく邂逅した。
昼下がり、青年はソファの上で眠っていた。
眠りは深いようで少女が近づいても目を覚まさなかった。
「もう、こんなところで眠らないでください」と少女は言う。
眠る青年に毛布をかけてやる。
そして遠慮がちに、腕を指先でつつく。
平和なひと時に感謝しながらも、つまらないと思ってしまう。
あなたは笑顔でごまかすのが得意だから気がつけない。
どんなに苦しい気持ちを抱えているのか。
どんなに悲しい気持ちを抱えているのか。
全然、わからない。
私が寂しい時にしてくれたように、寄り添いたいのに。
言ってくれなきゃわからない。
そんな自分が情けなくなってくる。
一緒にいるのに。
全身鏡を見る。
ところどころに散っていたキスマークも完全に消えた。
着る服に悩まなくなったのは良いことだ。
けれども、少し寂しいと思った。
たくさんつけられたキスマークが消えるぐらい会っていない。
つけられたら困るのに、いざ消えてしまうと嫌だと思う。
恋とはそんなものだろうか。
二人の記念日に雑貨屋で揃いのマグカップを買った。
未来とか、まだあやふやな頃だった。
普段から使える物で記念日っぽい物を。
そう考えたらマグカップになった。
すぐに交換するのにラッピングをしてもらった。
今もマグカップは机の上に揃っている。
撫でると当時を思い出す。
色褪せない記憶。
君の引っ越し先が決まった。
父親の転勤だから、覆すことはできない。
僕らはまだ子どもで、独りでは暮らしてはいけない。
生きていれば会える。
新幹線で行ける距離だ。
どんな言葉も空しかった。
この別離は、僕らにとっての世界の終わりみたいなものだ。
君が僕の目の前からいなくなる。
悲しい。
中途半端に伸びた髪をヘアゴムで結ぶ。
コートを羽織ると、枕元に置いてあった真剣・神楽をつかむ。
ふすまを開ければ、少女が廊下に立っていた。
家で待っていてほしかったが無理だろう。
少女はついてくる気満々だ。
戦闘の邪魔をしたりをしないが、戦闘が終わったと泣く。
その涙が苦手だった。
無常だ。
蕾をつけた枝にも雨が降る。
冷たい雨は花をほころばせるのを遅くするだろう。
蕾をつけた枝も空しいだろう。
室内から見上げた四角い空を見ながら胸が痛む。
暦の上では春になったけれども、寒さの本番はこれからだ。
今年があたたかったから誤解するけれども、厳しい寒さがやってくる。
「君も僕を独りにするんだね」と寂し気にあなたが言った。
だから私は満面の笑みを浮かべながら、腕を両手で包む。
「私の帰る場所はここだから」と言う。
バカップルと言われてもかまわない。
言葉を惜しんで、あなたを孤独にしたくない。
私ができること全てをしてあげたい。
祈りは届きますか。
未来を夢見て君は新しい世界へと旅立とうとしていた。
僕は生まれ育った町からでることにできずにいた。
君のように夢を見ることはできなかった。
きっと、このまま朽ちていくのだろう。
「じゃあ」と君は手を振ると、改札をくぐった。
君は振り返ることもないだろうから、僕は別離に涙を零した。
「死んだら星になって見守ってあげるね」母は穏やかに笑い、娘の頭を撫でる。
「星になんてならずに、ずっと一緒にいてください」幼い娘は涙をハラハラと零す。
「そうね。ずっと一緒にいてあげたいけど」優しい手が少女の涙を拭う。
「命には限りというものがあるのよ」諭すような声で母は言う
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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