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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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廊下に点々と残る足跡。
どれも水分を含んでいた。
それは居間まで続いていた。
濡れた髪のまま、足跡の持ち主はテレビを見ていた。
「テレビを見る前にやることがあるだろう?」面倒見の良い少年が言った。
「面白い番組がやっているよ」と微笑む。
とりあえず肩にかけていたバスタオルで髪を拭く
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「手、貸して」と何の気なしに言われたので素直に差し出した。
しばらしくしてくすぐった感触があった。
青年は少女を見た。
手には油性ペン。
大きな目をさらに大きくする。
「見ちゃ駄目」と堂々と、両手のひらにしがみつく。
書かれた文字は見えない。
こんないたずらを教えてのは誰だ。
嘆息する
砂糖を煮詰めた甘さの君は、今日も僕以外に優しい。
顔を合わせれば口論になってしまう。
本当はその甘さにたかりたいアリなのに。
その一片の甘さを口にすることはできない。
君の冷たい眼差しに見据えられたのは何度目だろうか。
僕にも優しくしてほしい。
その一言が言えなくて今日も空回り。
「はいはい、お掃除の邪魔をしないでね」と片隅に追いやられた。
これが掃除機をかけるなら理解できる。
けれども、掃除するのはルンバだ。
スイッチを入れられた機械は几帳面にフローリングを滑っていく。
これでは人間の方が機械に合わせているようだった。
何でもかんでも母は手を抜いていく。
怪我なんて日常茶飯事だ。
真剣・神楽をもってしても無傷でいることはできない。
同胞殺しの妖刀は大きな傷は塞いでくれる。
中立の病院に行けばだいたいの傷を治してくれる。
それは青年よりも少女の方が知っているはずだ。
しかし少女は泣く。
青年は仕方なく、少女の指に触れる。
「大丈夫だよ」
「こういうキャラクターが好きなんですか?」後輩が尋ねた。
アイドルグループの写真を目ざとく見つけられてしまった。
「可愛い感じですね」お世辞かもしれないが嬉しかった。
「うちの嫁がこんなに可愛いのは当たり前」と言ってしまった。
「でも、二次元なのが残念でしたね」
「裏切らないぞ」
夜更けには雨から雪に変わっていた。
朝になったら溶けて、もう見られないのだろうと思った。
新聞受けから新聞を取り出す時、一面の銀世界を見て童心がよみがえる。
雪は消えないで、わずかながら積もっていた。
まずは足跡をつける。
そのあと綺麗な場所から雪を集めて、小さな雪だるまを作る。
「携帯どころだろ?電話貸してもらってもいい?」困ったようにあなたは言った。
だからスマホを貸した。
あなたは笑った。
「ありがとう」とスマホが返ってくる。
アドレス帳がDeleteされていた。
策士の手段に心が揺れ動く。
これが初めてじゃない。
もうすでに何回かあった。
嫉妬深く過ぎる。
喧嘩の余韻を残して電車に乗った。
どちらも無言だ。
幸いに座れるスペースがあったので腰を下ろす。
君は怒り顔で、指を触れ合わせる。
話したいことがある時の君のクセだ。
自分も言い過ぎたと思っていたから、聞いても良い気分になっていた。
君は小さく「ゴメン」と言った。
素直な謝罪に驚く。
細い呼吸だ。
時折、咳が混じる。
胸が上下するのを見つめていた。
横たわる人は目を瞑っていた。
こちらを見ることはもうないだろう。
やがて、息が止まった。
まるで眠るように静かな最期だった。
それが合図のように古馴染みが室内に入ってくる。
「きっと幸せだったんでしょう」と肩を叩かれた。
少年のいたずらに少女は苦悩していた。
少年にとって少女は面白い玩具なのだろうか。
溜息が深くなった。
それを聞きつけた少年が「溜息の数だけ幸せが逃げていくよ」と言った。
誰のせいだと思っているのだろうか。
ふいに少年は少女の頭を撫でる。
「溜息の数分だけ幸せにしてあげるね」と言う。
「べ、別に貴方のことを気にしているわけじゃないから」と少女は言った。
「心配ありがとうございます」と少年は微笑んで言った。
「だから貴方のことは!」少女は少年を見つめる。
強がりが崩れる。
泣き顔で、両手のひらを指先をつつく。
「もう怪我とかしちゃ駄目なんだから」
「心がけます」
窓から入ってくる日差しがあたたかく、時間すらまどろんでいるようだった。
「懐かしいわね」とポツリと零す。
優しい眼差しは、いつの時間を追憶しているのだろうか。
言葉の続きを待つ。
「あなたと会えて本当に良かったわ」微笑みを浮かべて言う。
言われた方は照れる。
運命の出会いだと思う。
今日という日は記念日になるだろう。
恐る恐る、彼女の指先を握る。
左手の薬指にプラチナ製の指輪を通していく。
月光の中、彼女の誕生石が輝く。
指輪はピッタリなサイズだった。
「本当に俺なんかでいいの?」プロポーズを受けてくれた恋人に再確認してしまう。
「あなたじゃなきゃダメなの」
少年と少女が碁に興じていた。
バタバタと複数が廊下を走る音がした。
何があったのだろうか。
立ち上がりかけた少年に、少女は制した。
「まだ碁の途中よ」と微笑む。
それが強がりだと少年には分かっていた。
廊下で死者の名前が告げられた。
「君の代わりに、泣かせてください」と少年は言った。
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プロフィール
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iotu(そら)
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自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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