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ついったーでポストした創作文芸系のlog。 中の人の都合でUPされないlogもあります
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少女は遠慮がちに、少年の手のひらに指を絡める。
「えへへ、恋人みたいだね」少女は言った。
「みたいじゃないよ」と少年は笑った。
「恋人同士だ」少年は少女の手を包むように握り返す。
少女の顔をは見る見ると赤くなった。
これが街中でなければ抱きついているところだ。
恋人になれて嬉しい。
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雨は止み、透明な水たまりをいくつも作っていた。
腕時計を確認する。
針は待ち合わせの5分前を指していた。
待ち合わせ場所には濡れた姿の君がいた。
屋外を待ち合わせ場所にしたのは失敗だったと思う。
今度こそは、暖かい室内を待ち合わせ場所にしようと胸に誓う。
君はこちらに気がつき笑う。
「たくさんの想い出を作ろうね」と言われてしまったら「そうだな」としか言い返せなかった。
少女は満面の笑みを浮かべながら、少年の両手のひらを握る。
自分とは違う温もりにドキリっとする。
在学中、一度しかない修学旅行だ。
回るコースは考えている。
少女が言ったように想い出を作りたい。
僕は「大丈夫だよ」と言って微笑んだ。
君の顔は泣き出しそうに歪む。
うまく笑えてないのは自覚している。
君の心配を増やしただけだろう。
それでも僕は大丈夫だと告げる。
僕を想ってくれる君がいる限り、僕は無残に倒れたりはしないだろう。
だから微笑む。
まだ大丈夫。
君に何回でも言う。
夫が夜更けになっても帰ってこない。
夕食用に用意した料理はとっくに冷めている。
さっき電話で『先に眠っていていいから』と疲れた声が言った。
そうなると意地でもお出迎えをしたくなるものだ。
忙しい職務だと分かっている。
結婚前に何度も念押しされた。
それでも運命の相手だと感じていた。
街から武士の家に嫁いできた。
寺子屋の推薦だった。
礼儀作法は一通り仕込まれてきたが不安は残る。
夫になった人は「もっと自分勝手にしていいんだぞ」と言ってくれる。
その優しさに心が揺れ動く。
離縁されないように慎ましく振舞う。
その様子が卑屈に見えるのだろうか。
どうしたらいいか迷う
いつでもそう。
悪いことをしたと思っていても『ごめんなさい』が言えない。
それどころか責任転換してしまう。
よくない癖だとは分かっている。
いつか君が離れていってしまうような気がする。
『ごめんなさい』を言う代わりに、そっと、君の腕を握り締める。
君は優しく微笑んで、手を重ねた。
「君は何ひとつ悪くない」と少年は言った。
「全部僕のせいにしていいよ」と続ける。
甘い誘惑だった。
付き合っている人がいるのに、他の人に惹かれる。
長すぎる春は倦怠感を生んでいた。
もし浮気がばれたら別れるのだろうか。
そんなことが脳裏をよぎる。
「だから僕のこと好きになってよ」
少女の耳元でドンという音がした。
少年が壁に腕をついて、閉じこめられた。
いわゆる壁ドンというヤツだ。
「ドキッとした?」明るい口調で少年は言った。
生まれて初めて少女漫画のような展開をされた。
「驚いた」と素直に答えた。
漫画の主人公と同じ状態になって、嬉しさを隠せなかった。
「誕生日プレゼントは?」と僕が尋ねる。
「マグカップ以外なら何でもいいよ」今年も同じ答えだった。
踏みこんで欲しくないだろうと理由は訊いたことはない。
内緒で同じマグカップを買ってペアな気分を味わいたい、思っていた。
悔しさが心の中でわだかまる。
君はマグカップに誰かを重ねて忍ぶ
思い出にするには痛々しい記憶。
かまってほしくて無理矢理、少女の指先を指先でつつく。
課題をしていた少女は「どうしたの?」と手を止める。
「飽きた」少年は言った。
少女のプリントと違って半分も埋まっていない。
「遊ぼうよ」と少年は言う。
「これが終わったらね」真面目な少女は言った。
君は僕の精神安定剤。
どんなに怖いことも、どんなに不安なことも、君の笑顔を見れば乗り越えられるような気がした。
それだけの力が君にはある。
幾度、僕を救ってくれただろう。
だから、今度は僕の番だ。
僕が君の精神安定剤になってあげる。
辛いことや、悲しいことを心の中に溜めこまないで。
授業開始のベルが鳴っても先生が来なくて騒いでいた。
時間に厳しい先生だったからなおさらだった。
廊下側に座っている女子が顔を上げた。
ぎこちなく、手のひらを指先でなぞる。
それで黙って、席に戻った。
程なくして先生がやってきた。
危機一髪を救ってくれた女子に感謝する。
女子は照れた。
片想いが成就して、両想いになりました。
見ているだけしかできなかった人と付き合うことに決まりました。
背中を押してくれた親友には感謝しています。
彼氏になった人は寡黙な人です。
そこが格好良いところです。
でも好き、時々不安。
言葉にしてくれることが少ないから。
私で良かったのかと。
憧れの先輩がいた。
社交的な先輩は、何かと気を配ってくれた。
内気の私は挨拶ぐらいしか会話はできなかったけれども。
その朝、先輩の様子が違った。
左手の薬指に指輪がはまっていたのだ。
そのことに打ちのめされる。
「結婚したんですか?」棒読みな言い方だと分かっていた。
先輩は頷いた。
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プロフィール
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iotu(そら)
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非公開
自己紹介:
iotuは五百箇という意味の古語から。
オリジナル小説サイト「紅の空」では、「並木空」というHNで活動中。
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